2021年12月01日

石炭固執、不問の報道

2111 Cop26での岸田首相演、石炭使用に固執.jpg
 石炭火力の削減か廃止かをめぐってもめ続けたCOP26は、13日夜(日本時間14日早朝)石炭火力発電を「段階的に削減する」文書、「グラスゴー気候合意を」採択、ようやく閉幕に至った。
 グラスゴーで岸田文雄首相は次のように発言した(11/2)。
「日本だけでなくアジア全体で、化石燃料と同様に水素とアンモニアを燃料としてゼロ・エミッション化を推し進める」。
石炭燃焼を燃焼する際、CO2の濃度を低めるアンモニアを混ぜて排出を抑え、火力発電から出るCO2を回収し地中に埋めて再利用する技術をしてゼロ・エミッションと称する。本格的な解決策にはならないことは明らかだ。この発言に対し「化石賞」が与えられた。
 「石炭火力全廃」を盛り込んだ当初案に対しインド、中国などが強硬に反対して合意文書は「段階的削減」となったことに日本も責任がある。日本政府は石炭火力全廃の46カ国の声明に加わらなかったどころか火力発電を維持、アジア諸国の石炭の継続使用を後押ししている。
 議長国イギリスのアロク・シャーマCOP26議長は「この展開について謝ります」と全体会議で謝罪、声を詰まらせ涙ぐんだ。この報道をBBCなど多くメディアが映像も含め取り上げ、「涙」が欧米ニュースで大きな話題となった。
 日本の報道は、政府が石炭火力の依存を進めていることをほとんど批判しなかった。
NHKニュースでは中国の石炭火力維持発言を「途上国を考慮すべき点で評価できる」(11/15)と解説。気候変動問題を扱ったNHKスペシャル「グレートリセット〜脱炭素社会 最前線を追う」(11/7日)では石油への依存、電気自動車、風力発電などは扱われているが、石炭を使用する火力の問題にはほとんど触れかった。
 日本のメディアは“子供だまし”のような岸田発言を批判しなかった。アンモニアを混ぜてもCO2が減るわけでもなく、またCO2を地中に埋める技術は確立されていない。
日本政府はCOP26の石炭火力問題で中国、インドなどの片棒を担いだと言えよう。日本のメディアもまた岸田首相の「グラスゴー」演説に対する批判を避けている。(すみいたかお、ジャーナリスト)
posted by media watcher at 17:31| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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