2017年02月15日

1月27日、終末時計進む、2分30秒、トランプ発言、大統領令(「米軍再建」)が影響

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 1月27日、終末時計進む、2分30秒、トランプ発言影響
人類滅亡をカウントしている「終末時計」(Doomsday Clock) の針が1月27日、2年ぶりに30秒進み、2分30秒を残すまでになった。
 この時計は科学雑誌「Bulletin of Atomic Scientists」が1954年から発表している人類滅亡までの残り時間。
 核兵器による地球の破滅が中心課題だが、ほかにも、地球温暖化による破滅、戦争の危機なども計算して決められている。一昨年2015年、昨年2016年は終末3分前という針は動かなかった。しかし、アメリカの新大統領ドナルド・トランプは就任前の昨年12月22日、「米国は核兵器を強化すべきだ」とツイッターで語ったことが大きく影響したとみられる。同じ日プーチンも戦術的核戦力の軍事能力を強化する必要があると発言、ウクライナ問題に際しては核使用も検討したと述べていること、温暖化を否定するような発言をトランプ大統領が繰り返していることも影響している、とCNNなどアメリカのメディアは報じている。
 トランプ氏は大統領就任後の1月27日、「米軍再建」の大統領令に署名したが、その中には核装備強化、近代化が含まれている。
 終末時計は1991年の冷戦崩壊時に17分に後退した。オバマ前大統領が核兵器廃絶を打ち出して時計の針は一時足踏みしていたが(2010年6分前)、北朝鮮の核開発、福島原子力発電所の事故(2012年5分前)などがあり、じりじりと進み続けている。20015年には気候変動や、核軍拡などを反映し3分前になっていた。
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書評「放送法と権力」山田健太著。「ジャーナリスト」1月25日号本書は本来放送の自由を保障する法律であった「放送法」が、報道を規制する手段として活用される経過を追った

書評「放送法と権力」山田健太、ジャーナリスト2017年1月25日号、隅井孝雄
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 2013年から2016年にかけて、安倍政権の放送への介入干渉は著しいものがあった。そしてこれまで知られることの少なかった「放送法」という法律が、報道の自由あるいは不自由と関連付けられて脚光を浴びるに至った。
 本書は本来放送の自由を保障する法律であった「放送法」が、報道を規制する手段として活用され、挙句の果て「公正な報道違反の場合は政府が免許停止を行うことができる」という根拠となった経過を克明に追った。
 実証的に放送法が持つ欠陥、それを利用した安倍政権の動きを説明している法律解説であることに特徴がある。顕著な動きは2014年11〜12月の衆議院選挙の際、政権与党自民党が、在京キー局に対し「公正中立」を要望したことであった。そこでは出演者の選定、街頭インタビューなどが俎上に上った。さらに選挙後自民党はNHKとテレビ朝日を喚問して番組に関して事情聴取した。総務省の行政指導がそれに続き、高市総務大臣の「政治的公平を欠く場合、免許停止もありうる」という発言(2/8/16)につながった。
 筆者はかつて存在した電波監理委員会法による免許権限条項が、そっくり政府(1952年当初は郵政省、のち総務省)に移ったことが巧みに利用されたとみる。さらに2010年の改正放送法が、優先ラジオテレビ、パソコンテレビなども組み込んだことから、政府の放送規制が、ネットコンテンツ全体に及ぶことを危惧している。
 言論および情報の自由総体に関心をもつ筆者は、秘密保護法やデジタル時代のメディア、にもそれぞれ一章を割いており、終章でヘイトスピーチや大規模災害と市民力とのかかわりを論じた。メディア人、ジャーナリスト必読のスケールの大きな論考だ。
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2017年01月21日

危機に立つ言論の自由、メリル・ストリープの苦言、「偽ニュース」脱し、求められる真実の報道への回帰。首相を囲む会食懇談、中止すべきだ。

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 昨今危機に立つ言論の自由、(機関紙協会京滋 宣伝と組織 2017年2月号に掲載された)
 隅井孝雄
 激動の2017年、言論の自由の正念場
ハリウッドの女優メリル・ストリープがゴールデン賞の受賞スピーチで、ドナルド・トランプ氏を批判、「信念を持ち、抗議の怒りの声を上げる報道機関が必要だ、なぜなら報道の自由こそ、われわれの建国者が憲法に定めた原則だからだ」」と述べた(1月8日)。
 アメリカの大統領選挙では多くのメディアが、トランプ氏の当選を予測できなかったと批判された。しかしストーリープの要望に応えるように、選挙後も真実の報道を追求している。
「ニューヨークタイムス」は、大統領選挙が終了後、紙媒体とデジタル媒体の有料購読者が合計で13万2000件増加した。市民、読者もまたインターネットやツイッターの「フェイク(偽りの)ニュース」、から離れ、真実の報道に回帰している。
 報道の独立は民主主義の基礎
トランプ大統領は就任前の記者会見(1/1)で「CNNは偽ニュースだ」と非難し、記者の質問を拒否した。ライバルである保守系Foxニュースのキャスターは「CNNは報道の規範に従っている。ジャーナリストは次期大統領による誹謗中傷に屈してはならない」と番組で支持した。メディアの基本精神は貫かれて抜かれている。
言論の自由の基本は、権力からの独立である。
 ヨーロッパの主要メディア(19ヵ国19機関)もアメリカと同じ原則を堅持している。2009年に調印した「EU報道憲章」は冒頭次のように規定している。
「報道の自由は民主主義社会に欠かせない。すべてのメディアの独立性は守られる。それを妨げる立法は制定してはいけない」。
 首相とメディアの会食懇談、やめるべき
 日本はどうか。政府、与党は報道番組の出演者や街頭インタビューインタビューに「公平、公正な発言」を要求、三人のキャスターを退任させた。その上、政府に従わない番組を放送すれば、放送免許を取り上げると発言した。
 報道の独立性を失わせる、首相との会食懇談をメディアはやめるべきだ。報道介入は受け入れず、抗議することが必要だ。新聞、テレビの一部に優れた報道もみられなくはないが、このままでは良質な報道は絶滅が危惧される。
 秘密保護法、安全保障法、カジノ法など政治的争点について、国民の大多数の反対にもかかわらず、政府、与党の強行が続いている。メディアは一応の批判を述べるだけで、権力と正面から戦うことがない。世界の重要な動きを的確にとらえて、政治や社会の進むべき方向を示すこともない。
 インターネットメディアが喧伝されているが、ニュースをランクつけるだけ。その上、ネット上に「フェイク(偽)ニュース」が横行だ。
 注目される機関紙パワー
 私は機関紙協会加盟団体の新聞のコンクールに出席して、その活発なメディア力に感銘をうけた。既存メディアやネットにないパワーを持っているからだ。2000種類700万部が発行されている、
 機関紙協会は戦後1947年に設立された。「戦争と虚偽の宣伝とたたかい、真実を守りぬく」、「平和と独立、生活と権利を守る民主的言論を育成、強化する」、というスローガンを今でも掲げている。
日本の新聞放送はもう一度、このスローガンに立ち戻ってほしい
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2017年01月05日

 沖縄報道に見るNHKの変化、政府式典1分53秒、抗議県民集会18分、市民の苦悩に目と耳を向けた

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 沖縄報道にNHKの変化が見えた。
 12月22日、沖縄の米軍北部訓練所の半分が返還され、式典が行われた。日本政府からは菅官房長官、稲田防衛大臣らが出席、またキャロラインアメリカ大使も出席して、祝意を述べた。しかしそこに翁長知事の姿はなかった、同じ日、同じ時間に開かれた「オスプレイ墜落事故抗議県民集会」に知事は出席したのだ。
 この日NHKは政府主催式典を1分53秒間型どおり報道した後、18分間にわたって県民の抗議大会を中心に、オスプレイ事故に焦点をあてた。現地にとんだ河野憲治キャスターは、オスプレイ事故の状況、わずか6日後に飛行再開となったことに抗議する沖縄県民をインタビュー取材した。また基地返還の条件となったのは6か所のオスプレイ発着ヘリポートだったこと、高江の住民たちが強い不安にかられていることも紹介された。
 沖縄に関してはこれまでのNHKの報道は、琉球放送、沖縄テレビ、琉球朝日などに比べて大きく遅れているだけではなく、本土の民放ドキュメンタリーのような積極性も欠いており、高江の問題をほとんど取り上げない、政府の立場を忖度する報道が多いという強い批判を浴びていた。
 2015年6月23日の慰霊の日式典で参列者から安倍首相が「帰れ」など激しい罵声を浴びた場面で、NHKは中継放送のヤジ音声を消して放送したことが問題となったことがあった。海外メディアの多くはヤジがあったことをニュースとして報じ、音声を消したNHKを批判した。
 NHKは政治課題での市民のデモや抗議集会には、これまで冷淡な対応を見せるのが常であった。例えば2015年8月30日に、安保法案反対、立憲主義を守れと、国会周辺に12万人(主催者発表)が集まって、抗議行動が行われた。この日は日曜日であったため報道ステーションは翌日月曜日に12分間にわたって、市民の行動を特集報道した。これに対してNHKニュース7は当日2分間、翌日のニュースウォッチ9で30秒伝えたにとどまった。
 このような状況が続いていたことから見ると、今回の沖縄報道は大きな変化ということができるだろう。
 政府の見解を伝えると公言していた籾井会長が辞任したあとである。NHKが公正なジャーナリズム精神に立ち返り、市民の抗議活動、集会、デモ行進もきっちりと伝えてくれることを強く望みたい。

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2016年12月24日

年の瀬、京都の顔見世興行、今年は先斗町歌舞練場で。中村芝雀、雀右衛門を襲名、早変わり、引き抜き、衣装替えの長尺難舞台、京鹿子娘道成寺を踊りぬいた

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写真、雀右衛門の白拍子花子、海老蔵の大館佐馬五郎照剛、先斗町歌舞練場前の私、歌舞練場の門構え、雀右衛門の襲名を祝う幕
 12月21日、京都の年の瀬恒例、顔見世を昼の部、夜の部の二回の興行を見に行った。南座が耐震工事に入ったので今年は先斗町の歌舞練場。座席の少なさをカバーするため一日3回の公演。まねき(役者の名入り看板)は南座に掲げられたものの、賑わいは先斗町に。
今回の見どころは芝雀の雀右衛門の襲名だ。雀右衛門は昼の部「廓文章、吉田屋」で遊女夕霧を演じ、芸中で襲名披露した。
 また夜の部では長尺物の京鹿子娘道成寺、衣装をひく抜く早変わりを見せ、4回にわたって衣替え、手踊り、鞠唄、花笠踊り、手ぬぐい踊り、鞨鼓、鈴太鼓などをたっぷり踊り分け、最後に海老蔵の佐馬五郎に打ち取られる。板付きには鼓、三味線、唄20人ほどが並び、義太夫も語られる。能と歌舞伎を融合した大作だ。
 ほかに仁左衛門と弥十郎の「引き窓」がスリリングな芝居を見せ、また海老蔵の「傘売り」も手品を連発し、楽しい舞台だった。
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