2017年04月29日

過ぎゆく春を惜しんで、ピアノとヴァイオリンの「春」の曲を選んで放送しました、FM79.7(京都三条ラジオカフェ)

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 桜が咲いて、散って、椿の盛りの季節になった。私の司会する音楽番組「ミュージックナウ」(毎月第二、第四水曜日、FM79.7、ラジオカフェ)では、過ぎゆく春を惜しんで、クラシック音楽で「春」を特集しました。
クラシック音楽は交響曲、弦楽曲、ピアノ曲などの種類に番号がついているものがほとんどですが、中には表題がついているものがあります。作曲家自身がつけたものも多少ありますが多くはのちの人々が、曲想から感じ取った名前を付けたものもあります。
 放送したのは次の4曲です。
 1. メンデルスゾーン、春の歌 無言歌集より(ピアノ)
 1830〜45年にかけて作曲されました。メンデルスゾーン「言葉のない歌」(無言歌)集、8巻48曲。その中の「ヴェネチアの舟歌」、「デュエット」、「民謡」の3曲は自身で名前を付けましたが、「春の歌」は楽譜に書き込まれた曲想から、のちの人たちがつけました。のちに題名がついて有名な曲は「葬送行進曲」、「子守歌」、「紡ぎ歌」などがあります・
 2. ハイドン弦楽四重奏曲、ひばり(ヴァイオリン)
 1790年作曲。宮廷楽団のヴァイオリニストに依頼されました。冒頭に出てくる旋律がひばりのさえずりに似ていることからのちの人が命名しました。ひばりは春を告げる鳥として愛されています。
 3. ベートーベン、スプリングソナタ、第一楽章(ヴァイオリン)
 1801年に書かれたヴァイオリンソナタ第5番は明るい楽想であることからスプリングソナタとして知られています。第一楽章、冒頭の部分は、美しい旋律の10小節からなる主題の繰り返します。分散和音の伴奏も特徴的です。
 4. チャイコフスキー、松雪草(四季より)
 チャイコフスキーに四季という12のピアノ曲集があります。1月から12月まで、それぞれ表題をつけて季節を表しました。1月「炉端」、2月「謝肉祭」3月「ひばり」、そして4月は「松雪草」です。ヒガンバナ科の花で、先端に釣鐘状の白い可憐な花をつけます。
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日米で同時取材制限進む、 日本は、経産省施錠、記者出て行け、報道排除、アメリカでも、ホワイトハウス、10社を会見除外、望まれる信頼ある報道

 以下の記事は、17年4月25日、ウエブ論評「リベラル21」に掲載されたものに、その後の動きを加筆した。
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 経済産業省、記者入室シャットアウト
 2月27日から、経済産業省は全執務室に鍵をかけ、新聞記者など外部の人間が入室できない措置を取った。同省はこの日から、取材の場所や対応する職員を限定するなどのルールを定め、全職員に通知した。取材に対応するのは管理職以上、メモを取る職員を同席させ、取材のやり取りを広報室に報告するように求めている。また幹部が自宅周辺で取材に応じることも原則禁止、やむをえず応対した場合は、広報室に報告するように求めている。
 この事態に対し、元共同通信記者、同志社大学社会学部の小倉純教授は「省庁が持つ情報は国民の財産であり、官僚が独占し、密室で扱ってよいというものではない。役所の都合のいいことだけ報じればいいというのは、情報公開に逆行する」(2/26毎日新聞)と語った。
 これに先立つ2月10日、日米会談に関する経産省作成の資料の一部がメディアで報道され、「情報漏れ」が経産省内で問題となったため、急きょ新ルールがきめられたようだ。

 質問する記者に「うるさい、出ていけ」、今村復興相
 この報道がまだ冷めやらぬ4月4日、今度は今村復興大臣が記者会見の質問に激高し、「うるさい、出ていけ」と怒鳴る事件が起きた。
 質問した記者は、「避難解除にあたって、約26,000人の自主避難者は家賃補助も打ち切られている。補償金の対象にもなっていないため、国はそれらの人々にどのような責任をとるのか」と問いかけた。それに対して復興相は「帰るか帰らないは本人の責任と判断だ」と返答、さらに国の責任を問う記者に対し、「撤回しろ、出ていけ、二度と来るな」など激高して会見室から出て行ってしまった。
 質問した記者はこれまで一貫して原発被害を取材している中西誠一郎氏(フリーランス)。中西記者によると、復興省の今回の会見は質問のないまま終わりそうになったので、手を挙げたのだという。被災地が避難解除となっても、多くの被災者は地元に帰らない人が多い。特に補償もないまま住宅補助が打ち切られ、帰るという選択もできない、自主避難者は放置されたままだ。避難地域解除にあたっての、政府の手厚い対応が必要とされるのに、「本人の責任と判断だ」と突き放す復興省の態度は、追及されて当然だろう。
 今村復興相「東北でよかった」発言で辞任、二階幹事長は報道批判、排除すべき
 その今村大臣は4月25日、「(大震災が首都圏に遠い)あっちの方、東北でよかった」と発言、翌日26日辞任した。ところが、自民党の二階俊博幹事長は、今村氏の辞任は認めながらも、「マスコミは余すところなく記録を取り、一行でも悪いところがあれば首をとれという。そんな人(記者)ははじめから排除して(記者会見や会場に)入れないようにしないといけない」、とメディアに攻勢をかけ、排除も辞さない考えを表明した。この発言こそ辞任ものだ。
 
 CNNをインチキニュース呼ばわり、就任式の参加者数、史上最大?
 一方、アメリカの場合は主要メディアとトランプ政権が鋭く対立としていると伝えられている。就任直前の記者会見で発言を求めたCNNの記者に対して、トランプ大統領は「CNNはインチキニュースを流す、質問させない」と拒み通した。ロシアがトランプ大統領の弱みをにぎってアメリカ政治に介入してきた可能性があるとの報道が原因だった。
 1月20日の就任式をめぐっては、メディアが「議事堂前に集まった市民の数は25〜30万人、8年前オバマ前大統領の時の参加者180万人に比べるとかなり少ない」と報じたことに対し、トランプ陣営は、参加者数は最大だったと言い張り、ケリーアン・コンウエイ補佐官は、メディアが空撮映像を示して誤りをただしたのに対し、「われわれが主張するのは、もう一つの真実だ」と答えた。こうした態度が一連の「フェイクニュース」の元凶だといえる。

 批判的報道10社を締め出し
 制裁問題についてロシアの駐米大使と話し合ったことが明るみに出たマイケル・フリン補佐官が辞任した際も、大統領は一連のメディア報道を「フェイク(偽)」だと記者会見で述べた。メディアの側が「この情報は政権内部から漏れたものだ」と事実であることを主張したのに対し、大統領自身は「リークは事実だがニュースはフェイクだ」(2/16の大統領会見)と主張した。
 就任以来メディアとの確執は続いているが、ショーン・スパイサー報道官は10社をホワイトハウス会見から締め出した(2/24)。排除された社は、ニューヨーク・タイムズ、ロサンゼルス・タイムズ、ニューヨーク・デイリーメール、英国デイリーメール、CNN、英国BBCニュース、ポリティコ、ザ・ヒル、バズフィード、ハフィントンポスト、いずれもトランプ政権に批判的メディアである。AP通信とタイム誌は抗議の意味を込めて出席を断った。

 「信頼できる」ニュース、NYタイムズ購読者急増
 1月8日、ゴールデングローブ賞授賞式でトランプ氏の言動を「差別的だ」として批判した女優メリル・ストリープは発言の最後を次のように締めくくった。
 「抗議の怒りがあるとき、信念を持ち、声を上げる報道機関が必要です。前に進むためには報道が必要だし、真実を守るために我々が必要なのです」。
 一部、トランプ大統領に迎合するメディアもあるが、CNNはもとより、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ロサンゼルス・タイムズ、CBSニュース、ABCニュースなど基幹メディアは、トランプ政権に鋭い批判の矢を放し続けている。
 そして市民はこの呼びかけに反応している。CNNの視聴者は今年に入って昨年比12%増えた。ニュースニューヨーク・タイムズの購読者は選挙後1週間で4万部増、その前後3か月でウエブ有料購読が27万件増えた。ニューヨーク・タイムズは「信頼できるニュースを読者が求めている」と語っている。

 ワシントン・ポスト、トランプ調査報道にピュリツァー賞
4月10日発表された今年のピュリツァー賞には、国内報道部門ではワシントン・ポスト紙のデービッド・ファレンソルド記者が受賞した。選挙期間中、一貫して共和党候補、トランプ氏への調査報道を徹底したことが評価された。ファレンソルド記者がとりわけ力を注いだのは、「トランプ財団」への献金が個人的に流用された事実を追跡することで、ツイッターで取材経過を公開しながら、幅広く情報提供を募るという手法も評価された。
 解説報道部門の受賞は「パナマ文書」の実態を明らかにした「国際調査報道ジャーナリスト連合ICIJ」に与えられた。
 調査報道を貫く姿勢によって、アメリカの基幹メディアが、読者、視聴者の信頼回復を成し遂げていることに注目したい。




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2017年04月24日

311から6年、原発を考える

 この記事はラジオカフェ報道番組「おはようさんどす」で2017年3月13日に放送されたものです。遅ればせのメディア・ウォッチ、アップです。記録に残すためです。
 311から6年、原発を考える

 3.11から6年、忘れられないまま時が過ぎていく。
私はこの日近くの堺町画廊で開かれた、気仙沼の画家、相沢一夫展の会場にいた。相沢さんのアトリエは気仙沼の高台、街を一望する場所にあり、被災をまぬかれた。相沢さんは、津波のうねりのなか流される町、同時に起きた火災、流出した重油で真っ赤に燃える海などを目撃した。その後2か月間、毎日坂道を下って、歩き回り、ボールペンやクレヨンで、破壊されてがれきとなった街並、建物の上に乗り上げた大きな漁船などをスケッチした。
 そのオリジナルのスケッチや、スケッチをもとにした作品を制作し続けてきた。展覧会ではそれらが展示され、夜7時からは震災にちなんだコンサートが開かれた。息子の恭行さんがギターで歌った。イラクの支援活動を続ける恭行さんによれば、戦争で破壊されたイラクやシリアの瓦礫の町と、津波や原発の被害を受けて廃墟となった東北の町は、共通しているという。東北のまた震災にちなんで津軽三味線の演奏もあった。
 サンデーモーニングの原発被害特集、難しい帰還
ところで、昨日(3/12)は、サンデーモーニングの、原発被害特集を見て、大いに触発されるところがあった。当時、全電源喪失後、爆発が3回にわたって起き、2号機から大量の放射能が放出された。しかし正確な情報は伝わらず、東電は二か月間にわたってメルトダウン「炉心溶融」という言葉を使わなかった。
 放射能は風に乗って北西方向に流れたが、住民にはそれが知らされず、多くの人が、その北西方向、飯館村を目指して避難した。
 6年にわたって除染が行われ、政府は安全だとして帰還を促しているが、帰還率は1割を斬る地域もある。報道ステーション(3/9)では、3月31日に避難指示が解除される飯館村の現状を伝えた。毎時0.23マイクロシーベルトが安全基準だとされるが、今も毎時1.2〜1.3マイクロシーベルトが随所に見られ、まったく除染されない山林地帯から流れ込んでくる、という。一般の年間の被爆限度は年間1ミリシーベルトだが、飯館村など、避難解除地域の安全基準は年間20ミリシーベルトと定められた。国の調査では飯館村は10ミリシーベルトだと算定されたことから、避難指示解除が決まった。しかし、帰りたい人3割、帰らない人3割、決めかねている人3割と別れた。安全になったとは言えない現実に住人の漂流は今後も続く、と問題を伝えた。
 迫る日米原子力協定改定、日本は世界原子力産業の中心を担ってる
 サンデーモーニングで語った寺島実郎さんは次のように指摘した。
 「福島原発はアメリカの原子力会社GEによって建設されたものだ。日本側が十分な対応策をとれなかった原因の一端はそこにある」。
 現在1,2,3号機から燃料デブリの取り出しが行おうとしているがいつ取り出しが完了するのか、メドはついていない。
事故後の世論調査では原発直ちに廃止、将来的に全廃するが85%だったが、政府は、14年4月エネルギー基本政策で原発を重要なベースロード電源と位置づけ、2015年8月、再稼働を開始した。川内、伊方で6基が稼働、高浜では認可された7基が地裁の稼働禁止仮処分で停止中である。まだ稼働していないが再稼働が許可されているのは玄海、美浜、高浜の13基ある。
東芝原子力事業の破綻の持つ意味
 最近になって、アメリカの原発会社上スティングハウスを買収した東芝が7000億円の負債となり、日立の原発部門も700億円の赤字となっている。世界では原発受注のキャンセルや延期が相次ぎ、フランスの大手アレヴァも経営難となっている。
 台湾では福島事故後、現初に対する市民の批判が高まり今年1月2025年を目途に脱原発とすることを議会で決定した。ドイツでは政府が脱原発を表明、シーメンスが原発から撤退し、再生エネルギーに力をいれる方針だ。
 日本で1930年代に原発ゼロを目指すという民進党は、原発大手の組合を抱える連合の圧力に揺れている。
 たとえ原発ゼロに向かっても。廃炉や使用済み燃料の問題が残る。どうやって福島事故を乗り越えで行くのか向き合う必要がある。
 原子力に詳しい寺島実郎さんは、2018年に日米原子力協定が改定されることを指摘した。日本は東芝がウエスティングハウスの親会社、日立とGEが提携し、三菱重工とフランスアルバの提携もあり、日本が世界の原子力産業の中心点となっている現実を見据え、日米協定改定を契機に、真剣に向き合うべきことを強調している。
 私は即刻再稼働を停止し、廃炉技術、資料済み燃料の安全な廃棄などの技術を日本が中心になって開発する責任があると思う。


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2017年アカデミー賞、最優秀作品賞の読み間違え、入国できなかった受賞者、トランプ批判、脈々流れる抵抗精神

 以下の文章は1703年3月10日、ラジオカフェの報道番組「グリーンコミュニケーション」で放送された。遅ればせのメディア・ウオッチへのアップです。記録としてご覧ください。アカデミー賞
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映画はインターネットやネット配信などの隆盛で映画が衰退するといわれていたが、映画館の大スクリーンで見る映画は、依然として人々を引き付けている。世界の年間映画人口は60億近くある・アメリカ4億、ヨーロッパ5億、日本1億5000万、(中国やインドはそれぞれ15億台)、ハリウッドの、ドルビー劇場で2月26日、開かれた今年のアカデミーショーはさまざま話題があったため、全世界で大々的に報道され、話題になった。
それは映画人たちの数々の反トランプの動き、黒人受賞、そして作品賞間違え読み上げだ。

出席できなかった人々
外国語映画賞を受賞したのはイラン人アスガル・ファルハディー監督の「セールスマン」、監督はトランプ大統領の入国禁止令に抗議、アカデミー賞には出席しなかった。その代り、同じ日にこの作品が、ロンドンのトラファルガー広場で無料上映された。ロンドン市長のカーン氏が呼び掛けたものだ。カーン市長自体、パキスタン系移民でイスラム教徒だ。そして監督の「入国禁止という非人間的な行為に抗議して、欠席した。世界を、私たちと敵に分断する、恐怖を生み出し、戦争を正当化する」とのメッセージを寄せた。
 短編ドキュメンタリー賞を得た「ホワイト・ヘルメット」の代表も、授賞式には出席できなかった。この映画はシリアの内戦のなか、飛び交う弾丸をかいくぐって市民の救助をしているが、招待されていた代表のラエド・サレハさんは空爆が激化し、出席を断念、ビデオメッセージで「シリアだけではなく各地で行われている市民殺害を止めるために、皆さんに立ち上がってほしい」と呼びかけた。
 
 トランプへの批判
司会のジミー・キンメルは冒頭で、「この放送は、多くのアメリカ国民と、(トランプの入国禁止令で)我が国を憎んでいる225ヵ国で視聴している、リベラルとか保守とかに分けるのではなく、みんなが思慮深い会話をすればアメリカを偉大にする」と発言。またトランプの障害者差別発言を批判したことで、トランプから「退屈な女優、過大評価されている女優」とツイッターされたメリルストリープを見つけると、「買いかぶりに耐えた人がここにいる」、と紹介、観客に拍手を促した。さらにあなたのドレスは「イヴァンカ?」と聞きただし爆笑を誘った。イヴァンカブランドは大統領の娘イヴァンカさんのブランドで、不買の動きなど話題となっている最中だ。
 アカデミー賞に先立つ恒例の前夜祭パーティーは、今回は中止され、その代わり、2月24日、俳優や映画関係者が集まり、入国禁止令に抗議する集会が開かれた。マイクを握った女優ジョディ―・フォスターさんは「民主主義への攻撃は表現の自由や市民の自由を脅かすものだ。今こそ私たちが意見を言うべき時、ホワイトハウスは私たち国民のものだ」と呼びかけた。
 
 最優秀「ムーンライト」など話題の作品
 最優秀作品賞を獲得した「ムーンライト」は、差別の中で暮らす黒人少年が、ティーンエイジャーに、大人に成長する過程を描く映画。いじめや麻薬売人などマイアミ黒人社会のありのままが描かれる。主人公はそうした環境でタフに育ち、純愛を実らせる。アカデミー賞の演技受賞者が全員白人であって批判されたことを考えると、黒人主人公、監督も黒人というこの映画が賞を得たのは意味がある。今年は助演男優賞、助演女優賞に黒人俳優が選ばれたことと合わせ、大きな変化があったといえる。ある意味では白人中心主義の差別主義者であるトランプへの批判も込められていると思えた。「ムーンライト」は、製作総指揮がブラッド・ピット(PLANB)であることも話題の一つだった。
 脚本賞と主演男優賞獲得の「マンチェスター・バイザ・シー」も自分の過去と向き合う労働者を鬱々とした気持ちを描いた。地味な作品でもヒットする可能性があることを示したといえるだろう。
 私は「ムーンライト」も「マンチェスター」も予告編しか見ていないが、「ラ・ラ・ランド」は映画館の大スクr−ンで見た。ハリウッドミュージカルの古典的なスタイルでつくられた映画で、色彩もあでやかだ。ストーリーも楽曲もオリジナル。随所に、全盛時代1950年代のハリウッド映画、ハリウッドミュージカルへのオマージュが出てくる。
 ラ・ラ・ランドというのはハリウッドの別名であり、夢の国という意味もある。主人公のアルバイト先は、ワーナー映画のカフェ、寝室にはイングリッド。バーグマンのポスターが張られ、ジャズミュージシャンである男性主人公はセロニアス・モンクや、ホーギー・カーマイケルを尊敬する。フリーウエイ110号線で車の渋滞の中で歌や踊りが展開、ハリウッドを見下ろすマウント・ハリウッド・ドライブで愛しあう二人が歌い踊る。カサブランカの窓のセットも出てくる。古きよき時代の文化を魔法の手が現代に生き返らせることに成功したように見える。

 社会へのハリウッドの抵抗
 ハリウッドが、社会の波に翻弄されながら生きながらえているのは、いまさらのことではない。
 1973年、ゴッドファーザーでアカデミー賞を受けたマーロンブランドは会場に姿を現さなかった。代わりに会場に現れたネイティブ・アメリカンの女性は壇上から、「ハリウッドの白人以外のマイノリティーが不公平に描かれていることへの抗議だ」と説明した。彼はかねてからネイティブ・アメリカンの差別反対の運動に熱心であり、それだけではなく、映画の中のアジア人、黒人、インディアンへの差別的な描き方は、「その人種の人々を深く傷つけている」と語っている。
イラク戦争が起きた直後2003年3月、「ボーリング・フォー・コロンバイン」でアカデミー賞を受賞したマイケル・ムーアは「我々は虚偽の理由で人々を戦争に送り出す男が大統領だという時代に生きている。この戦争に反対だ、ブッシュ大統領よ、恥を知れ」と壇上で発言した。
 2016年1月、この年のアカデミー賞のノミネートが発表されると、ツイッターに「#Oscarsowhite」というハッシュタグが出回った。主演男優女優賞の候補20人がすべて白人だったからだ。2002年デンゼル・ワシントン、ハル・ペリーが男優、女優主演賞をW受賞してようやく黒人俳優に陽があたるようになり、2014年までに7人の受賞者が出たが、2015年、16年と連続してノミネートがすべて白人となってしまった。16年のアカデミー賞では多くの黒人俳優、監督が出席を拒否する事態となり、大きな社会問題となった。
 
今年のアカデミー賞は、トランプ政権批判、黒人、メキシコ系、イスラム系あらゆる差別を乗り越えるものとなった。

 

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2017年04月22日

新機軸ドラマシリーズ「やすらぎの郷」、倉本聰渾身の力作、テレビ視聴の流れ変える。往年の人気スター続々出演、

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倉本聰の連続ドラマ「やすらぎの郷」がはじまった。テレビに功績のあった人々を迎え入れるという、高齢者ホームが舞台だ。脚本家役の石坂浩二が、事実上の主役だが、往年の名スターが退去出演している。浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、野際陽子、八千草薫、ミッキーカーチス、山本圭などだ。これらの人々とはテレビの初期、私自身何らかの形で触れ合った俳優さんたちだ。若い頃の思い出とかさなり、なつかしく見ている。
 私自身1958年(昭和33年)から40年にわたりテレビの世界で働いて来たので、他人事とは思えないドラマとして、テレビに見入っている。しかし、私自身は「やすらぎの郷」には受け入れてもらえない存在だと思い知らされた。ドラマの第二回、ドラマディレクター役の近藤正臣と、脚本家役の石坂浩二の間に次のようなやり取りがあった。身にしみる会話だ。
 石坂「厳しい審査があるらしい」、近藤「基準は何なんだ」、石坂「テレビドラマの世界に対して、これまでまじめに尽くしたかどうか、少なくとも一時期視聴者の心を洗うようなことがあったかどうかということだ」、近藤「それならオレにも資格があるな」、石坂「あんただめだよ」。近藤「どうして」、石坂「あんた局からサラリーもらっていたろう? 一時期でも局にいた者は資格がもてないそうだ」、近藤「なんで?」、石坂「テレビを今のようにくだらないものにしたのはテレビ局そのものだからだ」、近藤「オレは違うぞ、知ってるだろう?オレは違うぞ、オレは」、石坂「テレビの碌を食んだものは、テレビに食わしてもらったのだから、局と同罪にあつかわれるわけだ」。近藤「理不尽だよ」
 私はまっとうに仕事をしてきたことを自負しているが、世間的では通らないことを再認識した。今はもっぱら、硬派のドキュメンタリーを見ている。  古巣の日本テレビは視聴率が好調だが、私の見る番組は少ない。
 このドラマを見ながら、テレビの過去と現在が、走馬灯のように回転した。
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