2017年09月26日

韓国公営放送2局でストライキ、9月4日から、北朝鮮核実験特集放送できず、YTN(ニュース局)では解雇者復職で労使和解

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(この記事は9/2, webのリベラル21に掲載された)
 韓国の二つの公営放送KBSとMBCで労働組合が9月4日から、ストライキに入った
 KBS(韓国放送公社)は日本でいえばNHKと同じ公共放送、そしてMBC(韓国文化放送)も政府系の放送文化振興財団が筆頭株主の公共放送である。
 ストライキに入ったのは全国言論労組傘下のKBS本部労組(1900人)とMBC本部労組(1800人)。両労組とも社長ら経営幹部の退任と、報道の自主性、信頼回復を求めている。また企業内のKBS(旧)労組(2000人)も4月7日からストライキに入り、言論労組と足並みをそろえた。二大公営放送の全面的なストライキは2012年来5年ぶりだとハンギョレ新聞が伝えている。
 折から9月3日の北朝鮮核実験に直面、KBS、MBC経営陣は労組に取材、報道への復帰を求めたが、労組は、経営の健全化が先決として、ストライキ態勢を続けている。そのため、KBS、MBCは特集番組を編成できず、ニュースも時間短縮を余儀なくされている。また娯楽番組も一部映画に切り替えられたものもある。
 韓国では2008年イ・ミョンパク(李明博)大統領、2013年パク・クネ(朴槿恵)大統領と保守系大統領が9年続いた間、KBSもMBCも保守系の社長が送り込まれてきた。言論労組によると、「政府批判の報道が規制され、報道記者の配置転換、解雇が続いた」、という。
 「中央日報」(9/1)、「ハンギョレ新聞」(9/3)などが9年間にわたる労組と公営放送の確執の一部を次のように報じている。
 MBSでは2008年にBSE(牛の海綿状脳症)問題があるにもかかわらず、アメリカからの牛肉解禁に踏み切ったイ政権に対して大規模な国民的な反対運動が起きた。その火付け役となったMBCの報道番組「PD手帳」の担当プロデューサーなどを解雇するとともに、イ、パク両政権はメディアへの規制を強め続けた。KBS、MBCを含む言論労組は長期ストライキに入り、両社の経営陣は、ストライキを指導した組合幹部を解雇し、以来労使対立が続いてきた。
その後KBSでは2014年4月のセォウル号沈没事故で、政府からの報道差し止めの介入があったこと、MBCでは「反抗的な記者」のブラックリストが最近になって明らかになるなどの問題が起きていた。
一方、韓国のニュース専門局YTNでは2008年に解雇された3人の報道記者(いずれも当時労組幹部)は、今年8月28日の労使交渉で9年ぶりの復職が決まった。
 2017年、野党候補のムン・ジェイン(文在寅)大統領が誕生したが、現在でもKBS、MBCの経営陣による番組規制、労組弾圧が続いていることから、両社の社長らの退陣を求めてストライキとなったものである。
 ムン政権で新たに放送通信委員長(政府の放送監督機関)に就任したイ・ヒョソン(李孝成)氏は「国と権力の不正を告発すべき公共放送がその社会的責任を果たしていない」と発言、公共放送の改革する意向を示した(8/1)。しかしムン大統領は前の二人の大統領の轍を踏まないようにしているのか、この問題への直接介入は行っていない。労使の自主的解決を願っているものと思われる。
この原稿執筆の9月19日現在、ストライキは継続している。長期化する様相だ。(すみいたかお)

 写真1.ストライキを前にした集会に臨むKBS本部労組、組合員(8/28/17)
 写真2.4年前、日本の集会(神戸市)に招かれて、報告する韓国言論労組代表、(11/4/13)
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2017年09月22日

沖縄のコミュニティ・ラジオでフェイクニュース、反戦平和運動を誹謗、韓国人、中国人への差別発言も、沖縄タイムス報道 9月20日

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 沖縄市のコミュニティ・ラジオ「オキラジ」の「沖縄防衛情報局」という番組が、「平和運動」は偽物であり革命をカモフラージュしている」、と反戦、平和運動を誹謗する放送していると、沖縄タイムスが実例を列挙して批判報道した。また放送法違反の疑いもあり、第三者機関が放送を検証すべきだという社説を掲載した(9/20)。
 沖縄タイムスによると「沖縄防衛情報局」毎週月曜日(15:00)の一時間トーク番組。出演は我那覇真子氏(琉球新報、沖縄タイムスを正す県民国民の会」代表)と我那覇隆裕氏(カウンセラー)など。
毎回の番組冒頭では「基地反対、自衛隊反対、しまくとぅば(島言葉)運動は裏でつながっている」、「左翼が市民運動を装っている、革命カモフラージュだ」というコメントも流れる。
 また7月17日の放送では スイスの国連欧州本部で6月に開かれた沖縄の基地反対運動を巡るシンポジウムに出席した弁護士や新聞記者を名指しして、「ほとんど工作員そのもの」との発言もあったという。
 「中国人や韓国人は平気でうそをつく」など人種的な発言もあった。
 この番組は、「ぎのわんシティーコミュニティーラジオ」でも毎週水曜日(17:00)に放送されている
 市民のために開かれたコミュニティ・ラジオがフェイクニュースを放送する手段となるのは由々しい事態だ。
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2017年09月21日

野田淳子コンサート、ロームシアター京都で10月1日。金子みすゞ、宮沢賢治、一部エスペラントも交えて。ヒロシマに思い寄せるロシア曲、「鶴」も

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 9月13日、FM79.7(京都ラジオカフェ)音楽番組「ミュージックナウ」でゲストに歌手、野田淳子さんを招いた。聞き手は隅井孝雄。
 野田さんは10月1日、ロームシアター京都(サウスホール)でコンサートを開く。野田さんは、いつも作家岡部伊都子さんの「刻々の誕生」を座右銘とし、コンサートのタイトルにもして、常に新しい発見を曲に盛り込んでいる。今回のコンサートでは詩人金子みすゞと、宮沢賢治の世界を取り込み、歌の一部を世界に届けとエスペラント語で歌う。
 番組ではコンサートにかける思いを聞くとともに「私と小鳥とすずと」(金子みすゞ、一部エスペラント)、広島の折鶴に触発されたロシアの楽曲「鶴」をスタジオで生演奏してもらった。そして「あなたと」、「一本の鉛筆」はCDで聴いた。
「野田淳子CDアルバム」を検索すれば、一部の曲を試聴できる。
コンサート岡崎公園のロームシアター京都で、10月1日、13:30開場、14:00開演

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2017年09月02日

荻上チキが「21世紀的リテラシー論」を語りました。「フェイクな情報発信を押しとどめることはできる」という興味深い論考なので、要約しました。

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 FCTメディア・リテラシー研究会40周年記念集会、荻上チキが「21世紀的リテラシー論」を語りました
 1970年代以降のメディア・リテラシーは、権力のプロパガンダ批判、消費社会のコマーシャリズム批判、共同体否定のニューメディア抑制、メディアが発するバイアスへの抵抗であった。つまり大きな力に対して自覚的な抵抗を行う縦のリテラシーであった。
 21世紀、ウエッブ社会の到来という時代の中で、新たに横のリテラシーが必要となった。市民どうしで、さまざまな異なる言説のリアリティーが、事実の確認を経ないまま拡散していくという事態が起きるようになった。議題、論点の変化する流れとともに、人々の態度、言説にも変化が起きる。そして一つ一つのつぶやきや書き込みが、瞬間、瞬間で拡散する状況が起きている。
 行為の連続が、育てられ、集積して力を持つ。ネット上のオピニオンリーダーの言説はシェアー・リツイート、「いいね」の積み重ねで築かれていく。しかしネット上では嘲笑、ヤユ、シニシズム、によるアンチモデルも拡大しやすい要素となる。結果として民主主義やジャーナリズムを突き崩すこともありうる。
 メディア上で、あるいは個人レベルの発信で、それへのフェイクな情報発信への抵抗力をつけることはできる。Fact(事実)とクールさをもって、対抗的なカスケード(流れ)を作ることは可能だ。少数であることを恐れず、個別のリテラシーを発揮し、知的蓄積を発揮しての発信は、シェアーを拡大し、間違った情報発信を押しとどめ、リアリティーを塗り替えていくことができる。
(提示された実例は省略しました)
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FCT40周年記念フォーラムで冒頭あいさつ、歴史を振り返る発言をしました。以下そのテキストです。(2017年8月27日13:30 早稲田大学3号館) 

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 隅井孝雄です。鈴木みどり記念メディアリテラシー研究基金の選考委員をしております。
私はテレビの初期、1958年から、日本テレビに在しておりました。1970年代に一時期仕事を離れ、民放労連(民間放送労働組合連合会)の役員をしていました
 その間のことですが、1977年にアメリカの市民活動家、エヴェリン・ケイ、ウイリアム・メロディーらが書いた「子供とテレビ」という著作(聖文社)を読んで、大きな影響を受けました。そしてこの本を訳した鈴木みどりさん、そしてFCT(当時は「子供のためのテレビフォーラム」)を知り、市ヶ谷のルーテル教会会議室で開かれた会合など参加しました。
 アメリカでは市民団体の運動の成果でセサミストリートなど優れた児童向け番組が生まれ、テレビCMからウイスキー、たばこなどのCMが消えたことを知ったのです。市民、視聴者が発言権を持つことによって、テレビ番組やコマーシャルを変えることができることを、この時初めて知りました。
 当時日本のテレビは、優れた報道、ドラマを生み、メディアとして発展を遂げる一方、娯楽化、脱社会化、商業化が進み、市民団体、教育組織、母親団体、消費者団体、視聴者組織によるテレビ批判が強まっていました。
 わたしたち民放労連では、テレビ、ラジオ放送社会的機能やシャーなリズム性の回復を望み、放送の民主化と視聴者、市民の意向反映を運動に取り組むことになりました。そしてFCTに連携し、子ども向け番組の改善、子供のためのテレビCMの改善を取り組むことになりました。
CMを唯一の収入源とする民放ですから、さまざまな紆余曲折はありました。しかし、1980年頃、民放の放送基準、CM基準が改定され、たばこのCMが消え、ビールなどを美味しそうに飲むシーンが消え、子供番組のCM量が規制され、放送番組向上協議会(現BPO)が誕生し、民間放送連盟でメディアリテラシーの取り組むことが、決められる、などの多くの成果を残しました。
 FCT40周年にあたり、感慨を込めて、一言、思い出を語らせていただきました。
ありがとうございました。
posted by media watcher at 12:54| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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