2017年05月23日

米愛国者法と類似する「共謀罪」、参院での廃案を求めたい。必要なのは黒塗りやめさせる「情報自由法」

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 5月23日、共謀罪(テロ等準備罪)衆議院可決。参議院での審議期待できるのか?廃案を求めたい.
 米愛国者法と類似する「共謀罪」
 以下の記事は赤旗ラジオテレビ欄コラム「波動」5月22日掲載された。
 写真1.ジャーナリストの声明(NHK)、2. 国会前、3,4. 米愛国者法
 新聞、テレビ、雑誌などで活躍する32人の現役ジャーナリストが「共謀罪」(テロ等準備罪)に反対する声明をだした(4/27)。「内面の自由やプライバシーが踏みにじられ、監視社会が現実化し、言論、表現、報道の自由が破壊される」と批判している。
 NHKがわずか21秒ではあるが、反対を表明する民放のテレビキャスター、コメンテーターを映し出して報じたのはこれまでになかったことだ。政局がらみで伝えるのではなく、自身の報道の存亡がかかる法案だとの認識にNHKが立つことを切望する。
 「テロその他277の犯罪」を対象にした「共謀罪」法案は、国民の日々の行動、会話、メディアの取材計画などがすべて監視の対象となり、検察、警察当局が不審だと思えばいつでも取り締まることができる。また、権力批判の報道や、市民の大衆活動を封じ込める意図が透けて見える。
 国会の論議の中では、手紙、電話はもとより、メール、ライン、ツイッター、フェイスブック、ブログなどでの意見表明や、やり取りが「犯罪につながる」のかどうかが問われた。政府の答えは「メールやラインでも犯罪の合意が成立しうる」(2/27金田法務大臣の国会答弁)だった。
 私は「共謀罪」の論議を聞くにつけ、アメリカの「愛国者法」(米国団結強化テロ阻止法)の経験を思う。2001年、9.11の直後にブッシュ政権によって制定された法律だ。捜査当局による市民の拘留、家宅捜査、通話やメールの盗聴、ネットプロバイダー情報収集が可能となり、市民的自由は大幅に制限された。そしてアメリカはイラク戦争に突入したのだ。
 しかし「愛国者法」に対しては、憲法違反だという裁判所の判断が相次ぎ、またNSA(国家安全保障局)の職員だったエドワード・スノーデン氏の内部告発もあり、2015年6月、オバマ政権(当時)によって廃止された。代わって一般市民の情報を国が収集することを制限する「自由法」が生まれた。だがトランプ政権下で再び暗雲が漂っている。
 自民、公明の与党は維新のバックアップを受けて、衆院を強行突破、法案の成立を図っている。しかし私は「共謀罪」を断固認めない。むしろ情報公開を徹底し、極度の墨塗り公開をやめさせ、市民の情報権を確約する情報自由法が必要だ。(すみいたかお、ジャーナリスト)

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2017年05月09日

言葉の言いかえによる真実の隠ぺいを考える。 言葉の言いかえによる真実の隠ぺいを考える。 言葉の言いかえによる真実の隠ぺいを考える。 安倍首相の「積極的平和主義」とジョージオーウエルの「平和省」、言葉の言いかえによる真実の隠ぺいを考える。

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 この記事は機関紙協会京滋 「宣伝と組織」5月1日号(542)に掲載された。
 戦争する国造りを目指している安倍政権だが、スローガンは「積極的平和主義」だ。ジョージ・オーエルの小説「1984」で戦争を司る役所が「平和省」と呼ばれていることを思わせる。
 言いかえは年月を経て定着する
 私たちは「敗戦」を「終戦」と言い換えている。終戦時の外務省の「発表文書」に使われたことから公式語となった。当時の担当者は、「降伏」、「敗戦」などの用語で軍を刺激したくなかった、と証言している。歴史認識の偽造だ。今からでも「敗戦」と言い直すべきだ。
 「従軍慰安婦」(comfort woman)は、直訳すると「慰める女性」となる。意味不明であるので、英語圏ではmilitary sex slave(性奴隷)あるいはmilitary brothel(売春婦)と訳されている。しかしNHK国際放送(NHKワールド)の英語ニュースではsex slaveという表現は禁止されている。
 大本営発表が言いかえの元凶
 言葉のねつ造は大戦中の大本営発表から始まった。真珠湾攻撃(1941年12月)から半年もせずに、日本軍は苦戦に転じ、戦果の水増しが始まった。そして1943年2月、ガダルカナル島で米軍に打ちのめされ「全面退却」した。大本営は“敵戦力を撃破しつつありしが、その目的を達成、他に「転進」せり”と発表した。この言いかえは陸軍省軍務局長、佐藤賢了少将と参謀本部情報部長、有末精三少将が考え付いた。「退却」という言葉を嫌う陸軍をなだめるためだった。
 同じ年の5月、アッツ島に米軍が上陸、日本軍の守備隊は全滅した。この時の大本営発表は「玉砕」であった。原典は唐代の史書「男子は潔く死すべきであり、生き延びるより玉のように砕けた方がよい」から取られた。それ以降日本軍は転進と玉砕を続け、「敗戦」に至る。
 いまだに制御不能の福島原発
 「アンダー・コントロール」という言葉は安倍首相によって東京オリンピック招致演説(2013年9月7日)の際使われた。これがいかに大きなウソであったかは、説明するまでもないだろう。元首相小泉純一郎氏ですら外国特派員協会での記者会見で「この言葉はウソだ」と明言している。放射能汚染水は海に流れ出続け、除染も抜け穴だらけ、避難解除地区にもいまだにホットスポットがのこる。メルトダウンした原子炉デブリの確認もできていない。
 福島原発一号機「爆発」(2011年3月14日)の際、多くのニュース解説者は意図的な水蒸気の「放出」と語っていた。「水素爆発」の可能性を示唆したのはテレビ朝日のみであった。

 オスプレイ「不時着」
 事件、事故の際、マスコミ各社は呼び方を“統一する”ならわしがある。しかし、沖縄の新聞、テレビ4社とTBS、MBCは「墜落」という表現で通した。海外メディアの報道もcrash(墜落)であった。琉球放送では、キー局であるテレビ朝日から「不時着とするように」という圧力がかかったという。とんでもないことだ。
事件、事故の報道の呼び方を日本中のメディアが統一するという慣例は、きっぱりやめるべきではないか。できるだけ、真実、事実に近い呼び方をし、歴史をねつ造しないことがジャーナリズムの本道であろう。

 写真
 1. 真珠湾攻撃を伝える大本営発表(NHKラジオ1941.12.8)、NHK放送記念日特集2000.6.1放送より
 2. ガダルカナルからの「転進」を伝えるニュース録音盤、2009.8.15放送「戦争とラジオ」(ETV)より
 3. アッツ島の玉砕を伝えるニュース録音盤、2009.8.15「戦争とラジオ」(ETV)より
 4. アンダー・コントロールと演説する安倍首相、2013.9.7、テレビ朝日ニュースより
 5. 墜落したオスプレイ、毎日放送映像17より、「墜落」と明記している。


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2017年05月08日

民放もネット同時配信に前向き転換、民放15社、新しい配信ネットワークシステム構築へ 4月3日

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 NHKと総務省はかねてからテレビ放送のネット同時配信へ向けての動きを強めている。
民放はNHKの巨大化を懸念するとともに、地方局への配慮から、NHK同時配信には反対の意向を示していた。ところが今年4月3日、新たに東、阪、名民放テレビ15社が共同出資して、新たな配信システムを構築する計画を発表した。
 これは、日本テレビとインターネットイニシアティブ社(IIJ)が昨年立ち上げたJOCDNに民放キー局、準キー局などが出資(増資後の資本金7億1000万円)、コンテンツ配信ネットワークをシステム化しようというもの。当面は放送済みの番組の動画配信だが、将来的には同時再送信にも対応するという。
 民放キー局、準キー局は人気番組の見逃し再送信のためTVerを稼働させているが、このシステムも新しいコンテンツ配信システムに組み込んでいく。また日本テレビ系の動画配信Huluも合流する計画だ。
 NHKもIIJとはネットへの試験配信などで協力関係にあり、新システムへの参加を検討するとみられる。足踏みしていたテレビ放送の同時配信はNHK民放そろって加速することになろう。
 野村総研によると、スマホ、タブレットなどのモーヴァイル端末による動画配信市場は2016年度に1700億円に達し、2020年度までには2000億円を超えるとみられる。テレビ局の新たな収入源として魅力的な事業に育つとみられている。
 また現在ネット接続を持つテレビは、2割にとどまっているが、2020年までには5割〜6割に達すると見られ、アメリカと同様大画面で配信動画映像を楽しむ時代への転換も予想される。
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2017年05月05日

記者出て行け、批判メディア排除、日米政権の報道敵視、ともに求められる真実を守る報道

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 日米政権の報道敵視、ともに求められる真実を守る報道
 写真1. 今村復興相、記者出て行け、2.東北でよかった、3.二階幹事長も報道排除、4.ホワイトハウス、批判メディア締め出し、5.ワシントン・ポストにピュリツァー賞
 赤旗ラジオテレビ欄コラム「波動」 5月1日掲載
 報道取材に対する締め付けが日米で同時多発的に起きている。安倍政権とトランプ政権の間には言論の自由敵視の体質に共通点がある。
 4月26日今村雅弘復興相が辞任した。東日本大震災について「東北でよかった」との発言が問題になった。それ以前にも4日の記者会見で、質問する記者に「出ていけ、二度と来るな」と怒鳴り、会見を打ち切った。3月末での避難指示解除をきっかけに、住宅援助などが打ち切られた。帰りたくても帰れない状況もある。復興相(当時)は「帰る、帰らないは本人の責任と判断だ」と発言した。
 質問したN記者(フリーランス)は、「質問もないまま会見が終わりそうになったので、手を挙げた」という。復興庁の無責任な態度は徹底追求されるべきだ。 
今村復興相(当時)の一連の発言について、自民党二階幹事長は26日「マスコミは1行悪いところがあったらすぐ首をとれという、それ(マスコミ)の方の首をとり、排除して入れない方がいい」と今村発言を擁護、報道を攻撃した。これも辞任に値する発言だ。経産省も2月末以来、全室施錠して、取材を排除している、
 アメリカではトランプ大統領が発言を再三求めるCNN記者を“デマニュースの局だ”と発言を阻んだ(1/11)。ジョン・スパイサー報道官はホワイトハウス記者会見から、CNN、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ロサンゼルス・タイムズなど批判的メディアを締め出した(2/25)。
 ゴールデン・グローブ賞授賞式(1/8)で一連のトランプ言動を批判した女優、メリル・ストリープさんはこう発言した「(私たちは)信念を持ち、声を上げ、真実を守る報道を必要としています」。
これにこたえるように、米主要メディアの多くは、政権の「嘘」を暴き、事実を正確に伝える努力を傾倒、信頼感を戻しつつある。CNNの視聴者数は2月以降12%増、ニューヨーク・タイムズのウェブ有料購読者数は、大統領選後3か月で27万件増加した。4月10日に発表された「ピュリツァー賞」にはトランプ財団への献金の流用を徹底した調査報道で伝えたワシントン・ポストの記者に与えられた。
 日本の場合、記者会見での追及が弱い。政治権力の攻勢に萎縮することなく、毅然として真実を追求する姿勢を見せてほしい。(すみいたかお、ジャーナリスト)


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2017年04月30日

 安斎育郎絵手紙展に行きました。

1704 安斎DSCN0566.JPG1704 絵手紙礼状IMG_3434.JPG1704 安斎IMG_3428.JPG1704 絵手紙展トークimages.jpg1704 絵手紙展案内IMG_3435.JPG
 安斎育郎絵手紙展
 4月23日日曜日、安斎育郎さんの絵手紙展最終日に駆け付けた。場所は京都府立医大を上がったJARFO京都画廊で開かれた。絵手紙は安斎さんのコミュニケーション手段。私も一度「安斎科学平和事務所」に資金カンパをした際、絵手紙をいただいた。科学者であると同時に豊かな芸術心、絵心の持ち主だ。たまたま私が訪れたときに、トークショウが開かれていた。東大医学部放射線理学教室助手だった時、原発を批判したことが原因となり、監視が付くなどアカデミックハラスメントを受けた。トークショーのなかで改めて体験談を聞くことができた。
 私の友人でNY在住の飯塚国夫展を2004年に「平和ミュージアム」で開催したことがある。広、長崎広島原爆や911のNY崩壊を描いた大作の展示にあたって、当時ミュージアム館長だった安斎さんにはひとかたならぬお世話になったことを改めて思い出した。
 その後4月26日付で「絵手紙のお礼状」をお送りいただいた。忙しい方なのに、なんと筆まめでしょう。
 今でも「福島プロジェクト」で毎月福島を訪れておられる。「福島プロジェクト」は放射線防護学者である安斎さんをチーフにした科学者、エンジニアのグループで、毎月決まって三日間福島を訪れ、放射能の測定、ホットスポットの除染、報告書の発刊、住民へのアドバイスなどの活動をされている。
 まことに得難い方だと思う。
posted by media watcher at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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