2018年02月20日

ハスキーな歌声で世界を魅了したクールジャズの女王、ジューン・クリスティー(June Christy)の歌声をLPでラジオ放送

2798933.jpg268x0w.jpgunnamed.jpg  
 FM79.7(京都ラジオカフェ)の音楽番組2月1週の放送は、クールジャズの女王といわれるジューン・クリスティの歌。LPレコードで放送した。スタジオにこの番組のファンで、若い時米軍基地でトロンボーンを吹いていたという旧知の久徳さんが訪ねて見えたので、一緒に写真を撮った。
 ジューン・クリスティは1940年代後半から、60年代、70年代にかけて、アメリカはもとより、ヨーロッパ、アジアなど世界的に活躍した
 1925年イリノイ州スプリングフィールド生まれ。1945年スタンケントン楽団のヴォーカリストとなり、アニタ・オデイ、クリス・コナーとともに「ケントンガールズ」と呼ばれたが、3人とも、白人女性だった。もともと黒人の音楽として生まれた荒削りの音楽、ジャズは、次第に白人の間に広がるとともに、音楽として洗練されていった。スタンケントン楽団は1930年代ジャズエイジの中で旋風を巻き起こしたビッグバンドの要素を残しながら、次第にモダンジャズと呼ばれる、音楽への転換を計ったバンドリーダー。ジューン・クリスティの歌はスウィング・ジャズのセンスを持ちながら、巧みにテクニックをコントロートロールし、知的な声とハスキーな奏法で、新しいモダンジャズへの時代への扉を開いた。
 放送したのは次の4曲。
1. 最初に聴いていただいたのは速いテンポのMy shinning Hour, ジョニー・マーサーが詩を作り、ハロルド・アーレンが作曲、1943年の映画「The Sky’s The Limit」(青空に踊る)の中で、フレッド・アステアによって歌われた。
2. Show Me, 愛しているなら証拠を見せて、と迫る灼熱の愛の歌。56年の「My Fare Lady」の中でジュリー・アンドリューが歌った。
3. Sometime Ago, ハロルド・レヴィ―がクリスティーのために書き下ろしたジャック・シャルドンのトランペットが入る。スローテンポの曲だ。あなたと共に生き、戯れ、気ままに過ごした人生のひととき。
4. Willow weep for me, 恋人が去った悲しみを、水面に映る柳の緑の揺るぎにたとえて歌うバラード。

 
posted by media watcher at 21:57| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月16日

仮想通貨「NEM」の不正流出、禁止すべきテレビCM、メディアは持ち上げ自粛を

1803 日経ロードマップIMG_4112.JPG1803 出川CMIMG_4097.JPG1803 仮想NHK7、30.jpg1803 仮想報道ステ31日 IMG_4103.JPG
 写真、1. 日経の「仮想通貨ロードマップ」1/9、2.出川哲郎二役のコインチェックCM、流出報道後中止、3. テレビニュース、イラスト入り画像で報道、1/30、NHK7 4.1/31、テレ朝報道ステーション
 仮想通貨市場が混乱している。1月26日、日本国内取引所大手のコインチェックの仮想通貨「NEM」が不正流出、580億円に達すると発表した。経済紙誌はもとより、一般紙、テレビニュースなどが仮想通貨の問題を大々的に取り上げるに至った。
 仮想通貨とは?
 2009年登場した「ビットコイン」が最初の仮想通貨だった。今では世界で1000種類に及ぶ仮想通貨が次々に登場、時価総額56兆円に達するといわれる(1/31クローズアップ現代)。国や中央銀行など保障はない。代わりに不正防止に暗号化技術が使われているとして、安全性が宣伝されてきた。しかし一瞬にして数十数百億円単位の仮想通貨が失われたり、儲かったりを繰り返し、その不安定性が問題となっていた。
 今回巨額の流出が発生したNEMは「新エコノミームーブメント」(新しい経済運動)を自称、安全性があり、自由で平等な国際的経済圏を生み出す「新通貨2.0」と喧伝されていた。ところが暗号解読のカギがネットに接続されたままになっていたことに加え、取引所であるコインチェックも暗号の秘密鍵(マルチブロックチェン)の管理も、安全性を欠いており、ハッカーに狙われてひとたまりもなかったとみられている。
 経済紙「日経」が推進役
 仮想通貨は日本では利用者が2017年に入って急増、日経新聞は2017年が仮想通貨元年だとして、金融庁の後押しもあって、大々的キャンペーンを展開した。18年1月8日の記事では、「日本の投資家は、90%が長期的観点から仮想通貨を投資対象としている」と解説、そして1月9日付の紙面では一面全部に「2030年には仮想通貨中心のフィンテック社会が到来する」と、カラーイラストのロードマップを掲載した(写真参照)。「認証は自分の体、ファンドマネージャーはAI、信用の担保は量子コンピューター」などのイラスト解説が列挙されている。
 一方、朝日新聞は、コインチェックの大量流出は北朝鮮のサイバー攻撃ではないかとの韓国での議論を伝えたが、根拠をまったく明示していない。仮想通貨そのものの問題点を追求する調査報道から、矛先をそらしたといわれても仕方がない(2/6)。
 テレビCMも仮想通貨を煽る
 テレビでも昨年11月以降出川哲郎が二役を演じる「なんでビットコインはコインチェックがいいんだよ」というテレビCMがプライムタイムにひんぱんに登場し評判となり、一挙に認知度を高めた。このCMは不正流出報道の後中止された。しかし、ビットフライヤー(成海璃子)、DMMビットコイン(ローラ)のCMは依然として続いている。
 安全性に問題がある以上、テレビCMは一切禁止すべきだ。CMを流したテレビ局や、次世代経済の核になるなどと宣伝した「日経」も責任を取るべきではないか。
 フェイスブックが仮想通貨広告を全面禁止
 2月6日には仮想通貨の最大手「ビットコイン」も昨年12月には最高値1ビット1万9000ドルだったのが、1ビット6000ドルを割るに至ったと各紙が報じている。仮想通貨全体では昨年末一時2800億ドル(30兆5千億円)高値だったものが一か月に3分の1に縮小している。
 こうした状況を受けてフェイスブックは全世界で仮想通貨ネット広告を全面禁止とした。「誠実に運営されていない企業が多く」との説明だ。ロンドンのロイズ銀行は2月5日から、同社関連のクレジットカードで顧客によるビットコイン購入を禁止した。また中国が仮想通貨の発行や取引を禁止、韓国もまた1月30日から匿名の銀行口座を仮想通貨取引に使うことを禁止、ドイツ、フランス、EUなども一斉に規制強化すると発言している。
 アメリカは肯定的、日本は仮想通貨天国
 アメリカでは仮想通貨を金融商品として承認することに証券取引委員会(SEC)が乗り気ではないといわれているものの、金融界全体としては新たな投資機会についてはオープンであるべきだと、仮想通貨について肯定的だ。日本もその流れに乗り、仮想通貨ブームが起きた。
 しかし被害が底なしに拡大する恐れがある。一時期中国で仮想通貨が急増したが、中国政府の規制で失速した。20代、30代前後の若者世代を中心に数百万人が仮想通貨取引をしているという日本は今や仮想通貨天国といわれている。かっこいい投資だとゲーム感覚で、SNS経由の仮想通貨に手を出して、被害が拡大した。
広告禁止が必要、持ち上げ記事は自粛すべきだ
 金融庁から業務改善命令が出ているコインチェックは2月13日、数千億円といわれる顧客資産の一部の出金を再開し、再発防止策も発表した。しかし、顧客の被害拡大を防ぐ方策がないことに変わりはない。
新聞、放送も、広告を一切禁じるべきだし、仮想通貨を未来的経済ツールなど持ち上げるような記事を紙面にのせるべきではないだろう。メディアの猛省を促したい。


posted by media watcher at 22:47| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月15日

韓国KBS放送、高社長退任確定、141日の越年ストライキ終結へ

1802 KBS社長解任IMG_4082.JPG
 写真 高社長解任の方に喜ぶ、KBS労組組合員
 記事はリベラル21、2018年2月5日に掲載された
 韓国の公共放送KBSは1月22日に開催された理事会で、コ・デヨン(高大栄)社長の解任を決めた。解任を提案したイ・インホ(李仁浩)理事長は理事会後辞職した。
 昨年9月4日以降、社長退陣を求めて140日以上にわたって続いていたKBS労組の全面ストライキは、解任決定を受けて終結する見通しとなった。しかしコ社長は「公共放送としての中立性が損なわれる」と反発している。
 KBSには産業別の韓国言論労組傘下のKBS新労組と企業内のKBS労組の二組合があるが、今回のストライキでは両労組が足並みをそろえた。両労組ともに、コ社長の態勢の下で、パク・クネ(朴槿恵)政権を批判するニュースが抑えられ、逆にパク政権を擁護する報道が行われたとして、報道の自由を求めて、経営首脳部の一掃を求めてストライキに入ったものである。KBSでは2008年のイ・ミョンパク(李明博)政権誕生以降、パク政権退陣(2017年)に至るまで、9年間にわたって続いた保守政権がKBSの主要人事を握り、政権擁護の報道機関だとの汚名を受け続けてきた。
 特にパク政権の下では、政府批判の報道を行った記者の配置転換、解雇があったほか、2014年のセウル号沈没事件で、政府からの報道差し止めを社長が受け入れたことも、問題となった。北朝鮮の核実験という大きなニュースがあったが、記者たちは取材を拒否した。また、ニュース、時事番組の放送休止や、時間退縮が相次ぎ、ニュースが録画で放送されるという事態にもなったという。人気娯楽系番組も一部休止となった。そのため、放送本部の部長、デスクなど25人が、社長は責任を取って辞職すべきだとの共同声明を出した。視聴者からは「受信料返せ」など、批判的なメールも多数寄せられていた。
 社長解任を報じた「ハンギョレ」新聞は、「国民の念願だった公営放送の正常化の第一歩だ」(1/23)と歓迎している。
 理事会はこれまで前保守政権(現野党)系の理事が多数を占めていたが、保守系の一部理事が公金不正事件で辞任したことから、与党系理事が多数となり、社長解任が決まったといういきさつもある。
 韓国の放送は大統領が保守系か革新系かで政権が変わるごとに揺れ動いてきたが、今回ばかりは、「権力からの独立性と公共性が課題だ」(ハンギョレ新聞1/23)という世論にどう対応するかが問われている。
posted by media watcher at 17:33| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

政治に挑むドラマ「相棒」と「民衆の敵」

1802 相棒TITLE_info.jpg1801 民衆の敵download.jpg
 以下の記事は月刊「宣伝と組織」2018年2月号に掲載された
 ドラマ「相棒」、監視社会の裏側が見える
過日、知り合いのN弁護士から、「元日早々見ごたえのあるドラマを見た、権力による悪の新しい形をあぶりだした注目すべき作品だった」というメールをもらった。そのドラマは「相棒、元日スペシャル」。実在の高級官僚をモデルにしたと思われる人物が、事件の「黒幕」として登場、監視社会の現状に対し主人公の杉下右京(水谷豊)、冠城亘(反町隆)が挑むというあらすじだ。脚本は太田愛
 「相棒」(テレ朝、水曜9時)といえば2000年6月に始まった長期シリーズ。警視庁で窓際の「特命係」に追いやられた刑事杉下右京が、同じ左遷組の相棒(現在は4人目)と組んで、難事件を独特なひらめきで解決していく。警視庁の内部の不公正にも遠慮なくメスが入る。15%〜20%と高視聴率が続いている一方、2006年からは、毎年元旦に2時間の特別番組を編成している。
 今回のストーリーは、年末イベントで起きた発砲事件。銃の持ち主の警官は自殺。右京と亘がこの事件に乗り出したが、公安関係者とみられる「安田」という人物に接触される。背後には黒幕として内閣情報室の影がちらつく。また政府高官や要人もハッキングされ、共謀罪や権力の側の監視社会の構造が明らかになる。
 メールを寄せてくれたN弁護士によると、「シナリオは加計問題で、前川元文部科学省事務次官のプライベートな行動が報道された事件にヒントを得たと思われる」という。情報Webの「リテラ」によれば、「公安警察出身のエリートとして知られる内閣情報室K 調査官を思わせる人物も登場する」とのことだ。
 ドラマ「民衆の敵」は地方議会の腐敗がテーマ
 昨年10月から12月まで10回にわたってフジテレビ月9の枠で放送された「民衆の敵、世の中おかしくないですか!?」(篠原涼子主演)は、昨年6月から12月にかけて起きた富山市議会大量辞任事件がヒントになっているものとみられる。多くの議員が政務活動費を不正に使い、それを北日本新聞やチュッリップテレビ(TBS系列)がねばり強い調査報道で実態を克明に伝え、14人もの議員が一挙に辞職するに至った。
 ドラマでは思わぬきっかけで議員に立候補した一主婦が、地方議会と"民衆”との関係を糺そうとする。繰り上げ当選で晴れて議員となってさっそく、汚職問題に直面、それが市長の辞職に発展する。
 黒沢久子など三人のライターの脚本はなかなかうまくできていて、現実の地方政治と比べながら思わず引き込まれる。しかし残念ながら平均視聴率は4.5%、フジテレビの月9枠として最低を記録してしまった。
 実はこの番組の初回は10月16日に予定されていたのに一週遅れの23日にずらされてしまったことにあるといわれている。衆議院選挙は10月10日公示、22日投票だったことを忖度したフジテレビ上層部命令で見送られた。ライバルのエリート世襲候補を向こうに回して、新米主婦候補が「わたしは高校中退、時給950円で必死に働いて来た…」など庶民の気持ちを代弁して感動的に訴える。「もし予定通り選挙中に放送すれば視聴者は現実の選挙と重ねたはずだ」とスタッフが悔しがった、と伝えられる。
 過去の「半沢直樹」などを引き合いに出すまでもなく、テレビドラマもまた時代とともにある。最近では特に現代社会と切り結ぶ脚本家主導の秀作が多く放送されている、「ドクターX、外科医大門未知子」(中園ミホ他)、「緊急取り締まり室」(井上由美子)、「陸王」(池井戸潤/八津弘幸)「やすらぎの郷」(倉本聰)など見ごたえがある。
 読者の皆さんにたまにはドラマ選んで見ることを勧めたい。



posted by media watcher at 22:01| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月26日

小正月伝統行事、小豆粥の会に行きました、花びら餅もいただきました、平安の昔に帰った気分です。

IMG_4059.JPGIMG_4068.JPGIMG_4081.JPGIMG_4067.JPGIMG_4072.JPGIMG_4076.JPG
 写真、1.小豆粥の御膳、2.花びら餅、3.礼儀正しく、4.お正月のしつらえ、5.小島家
 1月21日、京町家の小島邸(新町錦上がる)で「小豆粥の会」が開かれた。明治30年代に建てられ、百数十年を生きながらえている町家だ。
 古来より、小正月の1月15日に健康と長寿を願って小豆粥を食する伝統がある。紀貫之の「土佐日記」にも記述がある。
炊きこんだ粥の上に小豆が5、6粒のっていて、香ばしい匂いを漂わせる。昔から客をもてなすための漆のお椀、お膳でいただいた。
 そのあとは抹茶に「花びら餅」。淡い桜色の牛皮に白みそ餡と横長の牛蒡がはさみこまれている。
 源流は平安時代の宮廷年始行事を模したものだが、江戸時代に正月料理の後付けとして広まり、明治以降は茶道裏千家の初釜のさい、抹茶に添えられ、菓子として定着した。
 牛蒡はその昔使われていた餅雑煮の鮎をかたどったとの言い伝えがある。牛蒡の堅牢さから家内安全、歯固め、長寿の象徴だという人もいる。
 しかし「花びら餅」の牛蒡は、しんなりと柔らかく煮込んで添えてある。
posted by media watcher at 16:38| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
Media watch.gif

隅井孝雄のメディア・ウォッチブログ