2018年03月09日

マルタに続きスロバキアでも、政治腐敗追及ジャーナリストの殺害、波紋広がる、昨年死者26人、今年に入ってすでに8人

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写真 1. スロバキアでジャーナリスト殺害(3/1NHKニュースより)、2. スロバキア首都プチスラバでの追悼集会(3/2CPJ特集より)、3. 車もろとも(10/18/17CNN)、4.殺害されたダフネ・カリジアさん(10/18/17CNN)
 最近政治腐敗を追求するジャーナリストが銃撃などで殺害されているケースが頻発している。今年に入ってからの事件は2件目、東欧スロバキアと南米ブラジルで起きた。
 政界と犯罪組織の癒着追及取材で、記者殺害、スロバキア
 2月25日、東欧のスロバキアでジャーナリストのヤン・クツィアクさんが自宅で婚約者の女性とともに銃撃されて死亡した。クツィアクさんはスロバキアで人口(550万人)の半分近く200万人の人々が視聴する人気ニュースサイト「アクトゥリアSK」で調査報道を担当する記者だった。特に最近ではバギ内相とデベロッパー企業の癒着、脱税問題、与党スメル党と起業家の関係などを精力的に取材していた。警察は事件が取材に関係しているとみて捜査していたが、3月1日、実業家らイタリー人3人を含む7人を拘束した。
 クツィアク記者は、拘束された一人、実業家のアントニーノ・バダラ容疑者がイタリアの犯罪組織「ヌドランゲダ」と共謀、スロバニアの政府要人と癒着して、数百万ユーロに上るEUの補助金を不正に取得したという疑惑を追及しており、記事は未完であったが2月28日のサイトに掲載された。
 フィッツォ首相は事件を非難し、犯人につながる情報提供に対し100万ユーロ(約1億3千万円)の報奨金を出すと表明、野党は記者が脅迫されていることを知りながら、守る手段を取らなかったとしてロベルト・カリナク内相らの辞任を要求した。メディア分野を所管するマレク・マダリック文化相は責任を取って辞職した。
 ロイター通信によると、クツィアクさんの死を悼んで、3月2日首都プラチスラバ2万人の市民による追悼集会が開かれ、婚約者は花嫁姿で埋葬されたと伝えている。
 ラジオ番組で政治腐敗追及、ブラジル
 銃によるジャーナリスト殺害は今年に入って2件目。一件目はブラジルで1月17日に発生した。ブラジルの中部、ゴイアス州のラジオ記者、ジェファソン・プレッザ・ロペスさんがオートバイに乗った二人の男に銃撃され死亡した。「CPJ(プロテクトジャーナリスト委員会)」によると、ロペスさんはラジオ番組で、地方政治の腐敗を舌鋒鋭く批判し続け、これまでの何度も脅迫を受けていたという。ロペスさんの番組を放送しているローカル局、ベイラ・リオFMの局舎が2017年11月に放火されたことと今回の事件は関係があると、地元警察は見ている。犯人は不明のままだ。
 乗用車運転中に車ごと爆殺、マルタ
 昨年10月16日にはマルタでパナマ文書に関連して、首相、官房長官、首席補佐官らの汚職疑惑を追及していた調査報道ジャーナリスト、ダフネ・カルーアナ・ガリジアさんが、自宅近くで運転中、自動車に仕掛けられた爆弾の爆発によって死亡した。ガリジアさんは9月初め以降「命を脅かされている」として、警察に相談していたという。
 10月22日マルタでは市民たちが「正義のための国家的デモ」を敢行、司法の厳正な裁きを求めた。マルタ警察は12月4日、容疑者ら10人を逮捕した。
 2017年、ジャーナリストの死者は65人
 国際的な救援組織「プロテクトジャーナリスツ(CPJ)」によると、2018年に入ってのジャーナリストの死者は、シリア、イエメンの空爆による3人を含め8人に上っている。
 またパリに本部を置く「国境なき記者団(RSF)」によると、2017年に殺害されたジャーナリストは65人。シリアで戦闘取材中が12人、メキシコでの殺害が11人、フィリピンでは銃撃で死亡した記者4人、などとなっている。(隅井孝雄)

 リベラル21、2018年3月6日に掲載された
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2018年03月07日

クールでハスキーなクリス・コナーの歌を楽しみました。FM79.7(京都三条ラジオカフェ)の音楽番組、LPレコードで放送。

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 写真、最盛期、1950年代の写真、レコードジャケット、
 音楽番組ミュージックナウ(FM79.7京都ラジオカフェ)、2/28の歌はクールジャズの名手、クリス・コナー。1927年生まれ、ミズーリ州カンサスシティー出身。1948年に歌手を目指してニューヨークにやってきた。前回はやはりクールジャズのジューンクリスティだったが、そのクリスティーの推薦で1952年にスタンケントン楽団に入り、活躍し始めた。今回放送の歌は、彼女が独立して、ニューヨークの有名ジャズクラブで演奏し始めた、比較的初期の歌、1956年の録音。33回転のLPレコードで放送した。
 白人ジャズ歌手として1950年代初頭にクールな歌声を響かせた御三家ジューンクリスティ―、アニタオデイ、そしてクリス・コナー。三人があまりにも好評だったため、クールジャズといえば白人と誤解されているが、もともとはマイルス・デイヴィスのアルバム「クールの誕生」や「Kind of Blue」がきっかけだった。コード進行に基づいてアドリブを展開する手法がマンネリ化した後、マイルスはコードに頼らず、モードによる旋法で使って演奏しました。そのため、ジャズはより洗練された音楽となり、多くの白人が演奏に参加するようになった。
 クリス・コナーの勇気をたたえるような歌を選んだ。
 1. Get a kick out of you、コールポーターのミュージカル、「Anything Goes」の中で歌われた曲、私はあなたに首ったけ、シャンペンもただのお酒、飛行機が高く飛んでも怖くない私、でもあなただけには首ったけ。
 2. Anything Goes, 同じミュージカルの主題歌。時はぐるりと回って過ぎて行く。ストッキングがショッキングだった昔と、今はすっかり違う。同じ歴史は歩まない、今は何でもありだ。
 3. Way Out There, ジョージ・ウォーリントンがクリスのために作った明るいスウィング調の曲。そこを抜け出しておいでよ、銀河を歩いて渡ろう、あなたと一緒にいればこの上ない上天気よ。
4. When the wind is green, まもなく春がやって来る、そうしたら私の左側から緑の風が吹いてくる。夏が来れば風は私の口紅の色になり、秋には風が揺らぎ、冬は窓を閉ざす。
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2018年02月27日

書評「戦争と放送」竹山昭子著、吉川弘文館、膨大な資料を駆使、戦時下の放送(NHK)の実相を明かす

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 書評「戦争と放送」竹山昭子著、吉川弘文館
 NHKの歴史を追い続けてきた竹山昭子が研究の総まとめとして書いた著作である。大戦中NHKは、軍国政府の強烈な宣伝機関として機能した。関連する膨大な原史料を発掘し、放送の実態を浮き彫りにした労作である。
冒頭の「序」は、作者が追い続けてきた「"公共放送”の名のもと、NHKが戦時下に果たした役割」が集約的に活写されている。
 第1章「戦争プロパガンダの実相」はナチスドイツのラジオ政策の研究とその実践的活用が語られる。「調査時報」(NHK内部誌)がいかに熱心にドイツ事情を調査したかは驚嘆すべきものがある。
 第2章は「放送への国民の反応」。NHKのラジオ放送に対する、国民の圧倒的賛美と、終戦直前から現れる批判の両面を描きながら、民意の反映が希薄だったことが立証される。情報局が最も重視した政府要人軍人の講演集「国民に次ぐ」に対する聴取者の反応の冷やかさは注目に値する
 第3章は「㊙敵性情報と原爆投下」。外国放送傍受によって正確に事態を把握、内閣情報局に提供したにも関わらず、敗戦への動き、原爆投下とその被害について、報道ではほとんど伝えられることがなかったことも明らかにされた。そして第4章「戦争の終結と放送」では、「玉音放送」の計画から実践に至る詳細に語られる。筆者は多数の文化人の証言から、その放送が「戦争を終結させる儀式だった」と結論づける。戦後NHKは180度転換し、民主主義を鼓吹した。しかし「上からの指示待ち」の姿勢は温存され現在に至る。
 膨大な資料を駆使して戦時下の放送の実相を明らかにした本書は、ジャーナリストが座右の銘とすべき力作である。(隅井孝雄)
ジャーナリスト719号 2018.2.25.に掲載された。
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2018年02月26日

仮想通貨TVCMは禁止するべきだ

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 仮想通貨CMは禁止に
 写真、1.中止になったNemのCM(出川哲郎)、2.CM続々、Zaif(剛力彩芽)、3.ビット・フライヤー(成海璃子)、DMMビットコイン(ローラ)
「なんでビットコイン取引はコインチェックがいいんだよ、兄さん」、「兄さんが知らないはずないだろう」、……こんなCMを何のことかと思いながら目にした方が多いと思う。昨年11月から、テレビに繰り返し登場した仮想通貨の宣伝だ。コメディアンの出川哲郎が兄と弟の二役を演じて評判を呼び、出川自身の人気も急上昇したという。
 ところが、1月26日コインチェックの仮想通貨「NEM」が不正流出、580億円に達するという不祥事が報道されたあと、コインチェックはこのCMを中止した。
 2009年に登場の「ビットコイン」が最初の仮想通貨だが、現在ではリップル、ETH、ステラ、NEMなど1000種類以上にも及ぶという。昨年末1ビットコイン200万円と大幅値上がり、時価総額が一時5200億ドル、56兆円に達した。
 円、ドルのような法定通貨と異なり、価値の裏付けがない。それなのに金融庁が未来の新しい経済活動だと推進の旗を振ったため、日本は仮想通貨天国といわれ、購入者が激増した。しかし中国で政府が発行や取引を禁止、また韓国、インド、ドイツ、フランス、EUも規制を強化しているため、仮想通貨の相場は昨年末に比べ1/4近くに急落した。もちろんこれらの諸国でテレビCMを目にすることはない。
 フェイスブックと子会社インスタグラムは仮想通貨とその資金調達の広告を全面禁止とした(1/30)。「詐欺的行為を助長しかねない」と判断したという。折から日本では警視庁が「仮想通貨が犯罪収益の資金洗浄に使われた疑いのある取引が急増、昨年10月から3か月に499件あった」と公表した(2/22)。
 民放連の広告に関する基準には「利殖を約束し、暗示して出資を求める広告は扱わない」、「投機性のある商品、サービスの広告は慎重な判断を要する」(放送基準第17章、金融、不動産広告)とある。
 にもかかわらずビットコイン撤退後も「ビットフライヤー」(成海璃子)、DMMビットコイン(ローラ)、Zaif(剛力彩芽)など仮想通貨のテレビCMが大手を振ってまかり通っている。民放各社は放送基準にのっとり、仮想通貨CMを即刻禁止すべきだ。(すみいたかお、ジャーナリスト)
 赤旗ラジテレビ欄コラム、「波動」、2018.2.26掲載
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2018年02月23日

FM79.7の音楽番組「ミュージックナウ」、ヴァイオリン、小品名作集、マリア・テレジア・フォン・パラディス、フリッツ・クライスラー、ヴィバルディー、チャイコフスキー

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 ミューシックナウ 2018.1.24
 FM79.7の音楽番組、今回のテーマはクラシックヴァイオリン小品、名曲集、アルテュール・グルミオーのヴァイオリンと、イシュウットヴァーン・ハイデュのピアノ。
18世紀から20世紀にかけて、人々に愛されたヴァイオリン曲を特集した。
 ヴァイオリンといえば16世紀以降ヨーロッパ各地でしきりに演奏されるようになりました。元はイスラム圏で使われていた弦で弾く楽器、ラバープといわれています。17世紀から18世紀にかけて、ストラスバリー、グァルネリーなどのヴァイオリン制作者が輩出して、音質に磨きがかかりました。
 1. フリッツ・クライスラーはオーストリア出身のヴァイオリニスト。美しきロマンス、愛の喜び、愛の悲しみ三部作で親しまれている。ウイーンやベルリンで活躍していたが、ユダヤ系のため、第二次大戦中はナチスの迫害を逃れてフランス経由アメリカに渡ってアメリカ国籍を取得。1962年ブロンクスで死去した。
 2.  マリア・テレジア・フォン・パラディスオーストリアの女性作曲家。父はヨーゼフ・パラディス、皇后マリアテレジアの宮廷顧問官、商務庁長官。本院は子供のころ視力を失ったが、作曲家、ピアニスト、ヴァイオリニストとして活躍、モーツアルトは、彼女の才能をたたえ、ピアノ協奏曲第18番を支えたといわれる。のちに彼女はザルツブルグのモーツアルトの家を訪れるなど親交を結んだ。さらに、彼女は、パリロンドンベルリンなど演奏旅行を行って喝采を受けている。活躍した時期は1700年代後半。シチリア舞曲は細やかな感情をたたえた優雅な旋律で彼女の代表作
 3. ビヴァルディ―、ヴェネチア出身の作曲家、ヴァイオリニスト18世紀に活躍。協奏曲作品3の一部だが、ヴァイオリンのみで演奏されるこの部分は独立した小品として抒情的な美しさで知られている
 4. チャイコフスキー、もともとはピアノ曲だが、ヴァイオリンに編曲され、しばしば演奏されるようになった。哀調を帯びた旋律の名曲。19世紀以降ヴァイオリンでひんぱんに演奏される

 1 フリッツ・クライスラー 「愛の喜び」
 2 マリア・テレジア・フォン・パラディス 「シチリア舞曲」
 3 ビヴァルディ― 「シチリアーノ」
 4 チャイコフスキー 「感傷的なワルツ」

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