2017年10月28日

隅井孝雄の衆院選総括、収まらぬ安倍不信、自民党は三選を再検討すべき

1711 NHK速報IMG_3857.JPG1711 小池IMG_3860.JPG1711 枝野IMG_3862.JPG1711 志位2IMG_3864.JPG
 以下の記事は、月刊「宣伝と組織」11月号に記載された。一部加筆されている。
 衆議院選挙は自民党の圧勝、立憲民主党の健闘、希望の党の失速という結果に終わった。NHKは午後8時開票速報の冒頭で、自公両党が過半数を大幅に超えると予測、「今後の憲法改正をめぐる動きが活性化するものと思われる」と司会アナがコメント、あまりにも軽い発言だと私は思った。
 自衛隊を憲法に明記することの是非
 選挙演説の中で安倍首相はアベノミックス、消費税を引き上げ、北朝鮮の「脅威」に絞りこんだ。憲法に触れたのは、安全保障関連法が憲法違反だと主張する野党を批判するときだけだった。例えば京都市内の演説(10/22)の街頭演説では20分のうち北朝鮮5分、中小企業支援4分、経済政策3分、消費税2分、候補の応援6分で、憲法には全く触れなかった。
 改憲に関して問われた安倍首相は、「国会で発議する、国民投票で決める」との説明に終始した。しかし今年5月安倍首相は「憲法9条に新たに自衛隊を明記する」という新提案をした。事実上憲法9条を空文化することによって、自衛隊の戦争行為を合法化するという提案だ。
 選挙は「民意を問う」が鉄則だ。しかし自民党はこれまでにも選挙中に触れることのなかった「秘密保護法」、「安全保障関連法」、「共謀罪(テロ等準備罪)」など憲法の外堀を埋める法案の強行採決を繰り返してきた。安倍首相が公に発言している「憲法9条の改定」に手を付けることについて「民意」は問われてはいない。
 選挙民を愚弄する不意打ち選挙
 今回の解散、総選挙はその行為そのものに疑義がある。森友、加計問題、南スーダン派兵、閣僚、議員の不祥事、重要法案の一方的強行採決などが重なり、内閣の支持率は、急落した。たまたまそのさなかに北朝鮮のミサイル発射、核実験が行われた。政府はJアラートを発して、「国難」という大仰な旗印で選挙に突入した。
自らの延命を計り、総裁三選を目指すという、個人的思惑であったことは、多くの識者の指摘するところだ。憲法の改訂を実行し「後世に名を残す」という個人的な名誉心も否定できない。解散を評価する20%、評価しない65%(報道ステーション10/1)が民意であったことを改めて安倍首相はかみしめるべきだ。
 リベラル排除を策した小池、前原両氏
 小池百合子都知事が党首となった「希望の党」も政治の私物化だ。内閣支持率低下を見て、国政に進出、都政を顧みることなく東奔西走、民進党の取り込みを図り、一時的ブームを呼んだ。しかし民進党リベラルを「排除」したことから失速した。
 就任したての前原誠司民進党党首が「希望の党」と連携、民進党の3分裂を引き起こし、野党陣営に混乱をもたらした。リベラルを排除で小池氏と同調、野党連合を崩壊に導いた責任は重い。市民連合を突き崩し工作には大きな背後での動きがあったものと推測する。
 急遽立憲民主党が旗揚げし、共産党の後押しもあって、健闘したことが唯一の救いであったといえよう。市民連合を重視して、67選挙区で候補を下した共産党が、そのために比例区当選者を減らしたことは痛恨の極みだ。民主、社民、自由、共産と連携していた市民連合は、共産党の閣外協力という暗黙の了解で、選挙に共同して臨む合意があったと伝えられる。小池、前原両者によるリベラルつぶしがなければ、自民に十分対抗できる議席の確保が予測されていた。
 世論望まぬ安倍続投
 選挙結果では自民、公明が3分の2を上回ったとはいえ、必ずしも安倍政権が信任されたわけではない。森友加計以来低下が続いていた内閣支持率は選挙直前にも止まらなかった(朝日新聞10/18、支持38%、不支持40%) 。安倍退陣を求める世論も強い(朝日新聞10/16、安部首相続投、望む34%、望まない51%)。また森友加計について納得できない(京都新聞9/26、64.3%) が多数だ。
 民意を正確に読み取るなら、自公両党は安倍続投三選の是非について熟考するとともに、安保法制、共謀罪など過半数の世論の支持を得ていない諸課題について再検討する必要がある。森友加計問題については野党や世論の求める証人喚問に踏み切るべきだ。


写真
1. 開票速報の冒頭で改憲言及、NHK10/22
2. 小池希望の党立ち上げ党首に テレ朝9/25
3. 枝野立憲民主立ち上げ テレ朝10/23/17
4. 67選挙区で立憲民主応援を訴える共産党志位委員長 テレ朝10/20
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2017年10月22日

雨の中、東大寺と春日大社へ。世界平和と書いた瓦を寄進、春日大社の修復直後の「本朱」塗りの赤い柱を目の当たりにした

東大寺DSCN0726.JPG瓦DSCN0716.JPG春日2 DSCN0728.JPGアトキンソンIMG_3855.JPG春日IMG_3853.JPG
 10月13日、雨の中奈良の東大寺と春日神社に行った。立誠女性会のご厚意でバスに同乗させていただいたのだ(時々勉強会の講師をしている)。
 大仏殿では大仏殿の瓦寄進を受け付けていたので「世界平和」と書いた。やや月並みだが、家内安全という昔ながらの願いを、地球全体に広げて四文字にしたのだ。
 春日大社は式年造替が終わったばかり。昔ながらの高貴な深みがあるとされる「本朱」で塗り替えたのだという。その鮮やかな色合いを目の当たりにした。
 朱には本朱の他、鉛丹(えんたん)、弁柄(べんがら)があるが、本朱が最も高価で深みがある。年月にも耐える。
 春日大社は平城京遷都当時、768年に造営され、藤原家の守り神が祀られている。現在の本殿は江戸末期1863年(文久3年)に建造された。
 塗り替えを担当したのは「小西美術工芸」。イギリス人のデービッド・アトキンソンが社長をしているという独特の会社だ。かつて金融アナリストだった彼は、日本の工芸美術について深い専門的知識を持つ。東照宮の修復を手掛け、文化財保護について積極的な発言を続けている。
 新たに修復された朱塗りの社殿を目の当たりにしたのは、望外な幸せだった。
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日本テレビ報道OB会、プレスセンターで開催、10月7日

 
 1710 OB会DSCN0710.JPG1710 OB会DSCN0712.JPG10月7日、日本テレビ報道OB会が開かれた。2年に一回のイベント。麹町の旧社屋が再開発中なので、今回は日比谷公園前のプレスセンターで開かれた。
 その席上で、民進党参議院議員の真山勇一氏に会った。 彼はニューヨーク特派員をした後、ニュース番組の記者、キャスターなどを長年務めた後、政界に転じた。議員の任期はまだ3年ある。民進党が混乱のさなかにあるので、今後どうするか聞いた。答えは、「衆院選が終わってから、身の振り方を決める」ということだった。特に悩んでいる様子もなかったので、おそらく決めているのだろう。
 司会の久保晴生氏と真山氏の対談が面白かった。久保氏は長年ニュースアナとして活躍、後に国際局長になった。
私は40代で報道に転入したので、多くの先輩、後輩にテレビニュースを1から教えてもらい、短期間で、原稿を書き、映像編集し、ニュースの生出演をこなすまでになった。「遅れてきた新人」を温かく迎えてくれた当時の先輩、同輩には今でも感謝している。
今日の私があるのは、今はOBとなったテレビ草分け報道マンのおかげだ。

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2017年10月15日

「ニュース女子」その後、インターネットの真偽、テレビ制作スタッフが見極める力を

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 沖縄の基地反対運動を誹謗する偽ニュースを放送したとして批判された東京メトロポリタンテレビ(MXテレビ)が、沖縄テーマの特別報道番組を放送した。(「沖縄からのメッセージ、基地・ウチナンチュウの想い」9/30,PM7:30放送 )。
 批判された番組は「ニュース女子」(MX1/6放送)。「座り込む人にお金が出ている、本土の人や韓国、中国人が多い、救急車の通行が妨げられた」など事実と異なり、中傷に近い内容だったことが問題となり、放送倫理検証委員会(BPO)も審議中だ。
 今回の特番は、同局の番組審議会が「多角的視点から再取材を求めていた」ことに応えたものだという。「ニュース女子」はDHCシアターの制作だったが、今回はジャーナリスト吉岡攻氏に制作を依頼した。琉球王国時代、沖縄戦、戦後、返還、基地存続、と歴史を踏まえて、現状を描いた。
批判された部分を意識した表現が随所に見られ沖縄の苦難が描かれた。その一方、自民党沖縄県支部翁長正俊副会長が返還時の佐藤栄作元首相をたたえた発言や、辺野古商工組合元役員が米軍と共存した経験を振り返るなど、基地の必要性を訴える部分もあり、交錯する番組構成だった。改めて偽情報の経緯をただす検証番組を望みたい。
 BPOは、「ニュース女子」の審議に際し、救急車妨害などいくつかの部分が、インターネットで流れた偽ニュースの引き写しであったことに関心を抱いているとみられ、テレビ番組制作者に対し「インターネットに頼る番組制作」に注意喚起する声明を発表した(9月14)。BPOではフジテレビの二つの情報バラエティー番組「ワイドナショー」と「ノンストップ!」の一部でネット上の虚偽の情報をうのみにして流されたことについて検討、「検索利用はあっても、真偽を見極めるリテラシーを制作者が持つ必要がある」と呼びかけた。番組に取り込まれるネット情報は危険性を伴う。
 「メディアリテラシー」(報道を見分ける力)という言葉は、これまで受け手、視聴者に向けられてきた。しかしネット情報に依存する番組が大幅増した今、制作スタッフ自体が真偽を見極める力を持ち正確な情報を送り出すことが重要になったといえる。(すみいたかお、ジャーナリスト)
記事は10月9日 赤旗ラジオテレビ欄コラム「波動」に掲載された
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日本国憲法を市民が自由に語る、コミュニティーラジオ(ラジオカフェFM797 「憲法語り合いラジオ番組」100回記念。全記録掲載のパンフレット出版

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 京都のFM79.7で放送中のラジオ番組「憲法サロン京都」が10月12日で100回を迎えます。様々な分野の人々が、自由に「憲法」について語り合った記念として、これまでの100人が語った放送内容を網羅した、パンフレットを出版します。その冒頭の一文をこの番組のスタッフの一人として私が書きました。お読みください。写真はその冊子の表紙です

 隅井孝雄(憲法9条京都の会世話人)
 私が小学校6年の時(1947年)でした。「あたらしい憲法のはなし」という副読本を担任の先生が教室でくばり、説明をしてくれたことを、今でも鮮明に覚えています。大きな窯に、戦車、飛行機、大砲、軍艦などが投げ込まれ、下の方から、ピカピカの電車、船、自動車、高層ビルが出てくる挿絵は衝撃的でした。
「日本は二度と戦争はしない、世界中の国と仲良くすれば、攻めてくる国はいない」、その思いが今の私を支えています。「憲法9条京都の会」、そして9条の会が制作している憲法を語るラジオ番組「けんぽうサロン京都」の制作スタッフの一人となりました。
 放送は2013年8月22日に始まりました。毎月2回の放送ですが、このほど100回目を迎えました。学者、文化人、学校の先生、学生はもとよりですが、京都市内や近在に住む、お寺さん、主婦、染職人、西陣織関係者、シンガーソングライター、狂言師、障害のある方、指人形師、元自衛隊員等々、さまざまな人々が憲法についての思いを語り継いできました。
 私は京都では大学で教える立場にありましたが、その前には東京やニューヨークで、テレビジャーナリストとして働いてきました。その私から見て、安倍内閣の下で、報道の自由が急速に狭められているような気がします。そのため、憲法について市民の一人一人が持っている考えを、紙面で、放送で自由、闊達に語り合う機会が少なくなっているように思えます。
 幸い、私たちが電波を出している京都三条ラジオカフェ(Fm79.7)は市民が作り、市民に開放されているコミュニティーラジオです。誰でもが、制約もなく自由に発言できるラジオ局です。また、パソコン、iPhoneなどSNSをワンクリックで開けば、全国、全世界に届きます。
 1710 100回表紙IMG_3844.JPGお届けする小冊子は、これまでの100回の放送の内容をまとめたものです。お目通しをお願いします。またこれからも続く放送を是非ともお聞きください。
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