2017年11月18日

メディアは権力と対峙しているか、元NHKディレクター戸崎賢二さん、森友、加計、共謀罪など、NHKの内情、実情を赤裸々に語る。京都、NHKを憂うる会主催

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 10月29日、「日本のメディアは権力と対峙しているか」というと講演と討論会が、京都教育文化センターで開かれた。講師はNHKで長年、教育番組、社会番組を担当してきた戸崎賢二さん。私が戸崎さんの紹介を兼ね司会役を務めた。後半は参加者、戸崎さんの白熱した討論が交わされた。主催はNHKを憂う会京都
 戸崎さんは、森友、加計問題を主要テーマとして講演を進めた。社会部が特ダネを得たにもかかわらず、放送を見送りした経緯を語り、依然としてニュース部門である政治部の政権忖度が続いていることを伝えた。その一方、クローズアップ現代の制作チームがねばり強く健闘していることも紹介、さらに今年20017年の8月には「731部隊の真実」、「戦慄の記録インパール」、「満蒙開拓団の女たち」、「原爆と沈黙、浦上の悲劇」など、貴重なドキュメンタリ―が輩出し、優れたジャーナリスト集団が存在していることも語った。
 NHK報道、制作部門の構造、日放労の中でも、制作者たちが所属している放送系列が、番組制作の自主性を主張し続けていることも明らかにされた。普段知ることのないNHK内部の構造、葛藤を聞くことができたのは、参加した市民にとって極めて貴重なことであったといえよう。
 参加者15名から次々に、活発な質疑討論が行われた後、戸崎氏は、これからの市民運動はメディアに関する学習、ニュースや番組の正確なモニター、そしてそれらをもとにしてNHKなどメディアに対するアクションが必要である、と述べた。

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2017年11月05日

憲法公布71年、京都では円山公園で2400、国会議事堂4万人が取り囲む、立憲、社民、共産野党党首そろい踏み、メディア報道は市民の声軽視、イヴァンカ報道に集中

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写真1.司会奥野恒久龍大教授と舞台、2.会場、3.「友よ」歌唱を呼びかけ、4.歌う参加者
 憲法公布71年目の11月3日、京都円山公園音楽堂で開かれた憲法集会に参加した。天気に恵まれ2,400人、空席無く席が埋まった。
 講演の憲法学者、山内敏弘氏。講演の冒頭、小選挙区で47.8%の得票率で74.8%の議席(全有権者比24.98)という乖離がある、と指摘、九条改正の発議に踏み切るかどうかが問われていると発言した。
 さらに9条に自衛隊を合憲する情報が盛り込まれれば、自衛隊は憲法上公共的存在となる。攻撃的兵器所有の制限が取り払われ、徴兵制も合法化される可能性があるとの考えを示した。
 その一方、NHK、朝日新聞、共同通信など主要メデイアはもとより、読売新聞(11月3日)でも9条改憲の反対が、賛成意見を上回ったと指摘、安倍自民の9条改憲は単純には進まないだろうという見方を述べた(ちなみに共同通信は九条に自衛隊明記反対52.6%、賛成38.3%)
 また、市民運動が展開している3,000万署名は意義ある取り組みだと発言、また日本はこの世論を拠り所にして、東アジア全体の非核化という国際世論の先頭に立つ必要があると述べた。
 国会議事堂前ではおよそ4万人、立憲民主、共産、社会など主要野党党首も勢ぞろいして、憲法9条への自衛隊明記の自民党案に焦点を当てて、阻止を呼びかけた。
 ところが、憲法問題はこれから政治の大きな争点になるというのに、新聞、テレビの扱いは地味だった。金曜日の夕刊、夕方ニュースであっさり報じるにとどまった。NHKは夕方6時のニュースで申し訳程度の報道をしたのみ。その日の夜の7時、9時では無視した。
 テレビメインニュースではNHK、TBSなどもイバンカ来日を大きく報じ、憲法集会は扱われなかった。テレ朝報道ステーションでさえ45秒にとどまった。
翌日は朝日、毎日、東京に加え、京都新聞など地方紙が憲法公布71年をテーマに社説を一斉に展開したが、「平和主義は壊せない」とのタイトルの東京新聞が歯切れよかった。
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2017年10月28日

隅井孝雄の衆院選総括、収まらぬ安倍不信、自民党は三選を再検討すべき

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 以下の記事は、月刊「宣伝と組織」11月号に記載された。一部加筆されている。
 衆議院選挙は自民党の圧勝、立憲民主党の健闘、希望の党の失速という結果に終わった。NHKは午後8時開票速報の冒頭で、自公両党が過半数を大幅に超えると予測、「今後の憲法改正をめぐる動きが活性化するものと思われる」と司会アナがコメント、あまりにも軽い発言だと私は思った。
 自衛隊を憲法に明記することの是非
 選挙演説の中で安倍首相はアベノミックス、消費税を引き上げ、北朝鮮の「脅威」に絞りこんだ。憲法に触れたのは、安全保障関連法が憲法違反だと主張する野党を批判するときだけだった。例えば京都市内の演説(10/22)の街頭演説では20分のうち北朝鮮5分、中小企業支援4分、経済政策3分、消費税2分、候補の応援6分で、憲法には全く触れなかった。
 改憲に関して問われた安倍首相は、「国会で発議する、国民投票で決める」との説明に終始した。しかし今年5月安倍首相は「憲法9条に新たに自衛隊を明記する」という新提案をした。事実上憲法9条を空文化することによって、自衛隊の戦争行為を合法化するという提案だ。
 選挙は「民意を問う」が鉄則だ。しかし自民党はこれまでにも選挙中に触れることのなかった「秘密保護法」、「安全保障関連法」、「共謀罪(テロ等準備罪)」など憲法の外堀を埋める法案の強行採決を繰り返してきた。安倍首相が公に発言している「憲法9条の改定」に手を付けることについて「民意」は問われてはいない。
 選挙民を愚弄する不意打ち選挙
 今回の解散、総選挙はその行為そのものに疑義がある。森友、加計問題、南スーダン派兵、閣僚、議員の不祥事、重要法案の一方的強行採決などが重なり、内閣の支持率は、急落した。たまたまそのさなかに北朝鮮のミサイル発射、核実験が行われた。政府はJアラートを発して、「国難」という大仰な旗印で選挙に突入した。
自らの延命を計り、総裁三選を目指すという、個人的思惑であったことは、多くの識者の指摘するところだ。憲法の改訂を実行し「後世に名を残す」という個人的な名誉心も否定できない。解散を評価する20%、評価しない65%(報道ステーション10/1)が民意であったことを改めて安倍首相はかみしめるべきだ。
 リベラル排除を策した小池、前原両氏
 小池百合子都知事が党首となった「希望の党」も政治の私物化だ。内閣支持率低下を見て、国政に進出、都政を顧みることなく東奔西走、民進党の取り込みを図り、一時的ブームを呼んだ。しかし民進党リベラルを「排除」したことから失速した。
 就任したての前原誠司民進党党首が「希望の党」と連携、民進党の3分裂を引き起こし、野党陣営に混乱をもたらした。リベラルを排除で小池氏と同調、野党連合を崩壊に導いた責任は重い。市民連合を突き崩し工作には大きな背後での動きがあったものと推測する。
 急遽立憲民主党が旗揚げし、共産党の後押しもあって、健闘したことが唯一の救いであったといえよう。市民連合を重視して、67選挙区で候補を下した共産党が、そのために比例区当選者を減らしたことは痛恨の極みだ。民主、社民、自由、共産と連携していた市民連合は、共産党の閣外協力という暗黙の了解で、選挙に共同して臨む合意があったと伝えられる。小池、前原両者によるリベラルつぶしがなければ、自民に十分対抗できる議席の確保が予測されていた。
 世論望まぬ安倍続投
 選挙結果では自民、公明が3分の2を上回ったとはいえ、必ずしも安倍政権が信任されたわけではない。森友加計以来低下が続いていた内閣支持率は選挙直前にも止まらなかった(朝日新聞10/18、支持38%、不支持40%) 。安倍退陣を求める世論も強い(朝日新聞10/16、安部首相続投、望む34%、望まない51%)。また森友加計について納得できない(京都新聞9/26、64.3%) が多数だ。
 民意を正確に読み取るなら、自公両党は安倍続投三選の是非について熟考するとともに、安保法制、共謀罪など過半数の世論の支持を得ていない諸課題について再検討する必要がある。森友加計問題については野党や世論の求める証人喚問に踏み切るべきだ。


写真
1. 開票速報の冒頭で改憲言及、NHK10/22
2. 小池希望の党立ち上げ党首に テレ朝9/25
3. 枝野立憲民主立ち上げ テレ朝10/23/17
4. 67選挙区で立憲民主応援を訴える共産党志位委員長 テレ朝10/20
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2017年10月22日

雨の中、東大寺と春日大社へ。世界平和と書いた瓦を寄進、春日大社の修復直後の「本朱」塗りの赤い柱を目の当たりにした

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 10月13日、雨の中奈良の東大寺と春日神社に行った。立誠女性会のご厚意でバスに同乗させていただいたのだ(時々勉強会の講師をしている)。
 大仏殿では大仏殿の瓦寄進を受け付けていたので「世界平和」と書いた。やや月並みだが、家内安全という昔ながらの願いを、地球全体に広げて四文字にしたのだ。
 春日大社は式年造替が終わったばかり。昔ながらの高貴な深みがあるとされる「本朱」で塗り替えたのだという。その鮮やかな色合いを目の当たりにした。
 朱には本朱の他、鉛丹(えんたん)、弁柄(べんがら)があるが、本朱が最も高価で深みがある。年月にも耐える。
 春日大社は平城京遷都当時、768年に造営され、藤原家の守り神が祀られている。現在の本殿は江戸末期1863年(文久3年)に建造された。
 塗り替えを担当したのは「小西美術工芸」。イギリス人のデービッド・アトキンソンが社長をしているという独特の会社だ。かつて金融アナリストだった彼は、日本の工芸美術について深い専門的知識を持つ。東照宮の修復を手掛け、文化財保護について積極的な発言を続けている。
 新たに修復された朱塗りの社殿を目の当たりにしたのは、望外な幸せだった。
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日本テレビ報道OB会、プレスセンターで開催、10月7日

 
 1710 OB会DSCN0710.JPG1710 OB会DSCN0712.JPG10月7日、日本テレビ報道OB会が開かれた。2年に一回のイベント。麹町の旧社屋が再開発中なので、今回は日比谷公園前のプレスセンターで開かれた。
 その席上で、民進党参議院議員の真山勇一氏に会った。 彼はニューヨーク特派員をした後、ニュース番組の記者、キャスターなどを長年務めた後、政界に転じた。議員の任期はまだ3年ある。民進党が混乱のさなかにあるので、今後どうするか聞いた。答えは、「衆院選が終わってから、身の振り方を決める」ということだった。特に悩んでいる様子もなかったので、おそらく決めているのだろう。
 司会の久保晴生氏と真山氏の対談が面白かった。久保氏は長年ニュースアナとして活躍、後に国際局長になった。
私は40代で報道に転入したので、多くの先輩、後輩にテレビニュースを1から教えてもらい、短期間で、原稿を書き、映像編集し、ニュースの生出演をこなすまでになった。「遅れてきた新人」を温かく迎えてくれた当時の先輩、同輩には今でも感謝している。
今日の私があるのは、今はOBとなったテレビ草分け報道マンのおかげだ。

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