2018年11月21日

アメリカ中間選挙を隅井流に総括する。2018年11月9日FM79.7(京都三条ラジオカフェ報道番組「グリーン・コミュニケーション」で放送、聞き手、松岡千鶴

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2018年11月9日FM79.7(京都三条ラジオカフェ報道番組「グリーン・コミュニケーション」で放送、聞き手、松岡千鶴
写真、29歳オカシオコルテスさん当選、ソマリア難民(イスラム教徒)、アメリカ原住民に初議席、下院は民主党多数、いら立つトランプCNNアコススタ記者の記者証取り上げる。
大量の女性進出、先住民議席獲得は歴史に残る
96人の大量の女性(多くが民主党)が当選、そのシンボルとなったのは、予備選で民主党の大物を破り、共和党候補にも競り勝って議席を手にした29歳の女性オカシオ・コルテスさん(ニューヨーク)だ。Me Too運動による女性差別に反対する運動の積み重ねだ。
イスラム系女性(イルハン・オマル、ソマリア難民)、原住民系女性(デブ・ハーランド、ニューメキシコ、シャリス・デイビッヅ、カンザス原住民)もアメリカの新たな歴史となる。

下院がトランプの手を縛る
米中間選挙の結果が出た(11月9日)。上院、民主46/共和51。下院、民主225/共和199、 知事、民主23/共和26という結果だった(11月9日現在)。正直言って私自身には、ほっとした感がある。トランプのやりたい放題に歯止めを加えられるからだ。民主党にとっては大きな成果だ。トランプには痛手になった。
知事選は共和党が6州を落とし、民主党が7州を増やしたことは、トランプにとっては2年後を考えると痛手になる。
しかし選挙戦当初、民主党は上院や知事選で肉薄の可能性があり、下院では大勝すると予測していた。しかし差はそれほど広がらなかった。「華氏119」のマイケル・ムーアはこの結果を予測していたのではないか。

強烈なトランプの巻き返し
トランプの巻き返しは強烈だった。テネシー州、インデアナ州で共和党が民主党から議席奪還、南部テキサスで民主党の期待を一身に集めた、ベト・オルークが共和テッド・クルーズに僅差で敗れた。トランプ自身はこの結果に大成功だったと満足気にツイートした。次期大統領選の足がかりをトランプは残したといえるが、今後の政権運営はさまざまな難関が待ち構える。
中米からアメリカを目指す北上行進が、アメリカ市民の一部に恐怖感を与え、トランプを利したという側面がある。
その代り、前回トランプに思わぬ完敗を喫したラストベルト(ウイスコンシン、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア)は、今回は民主党が手にした。トランプ再選を阻む要因となるだろう。中国と貿易戦争でこの地域の原材料不足を招いたことが原因とみられる

女性、若者の躍進
躍進したのは女性だった。彼女たちは、Me Tooの初期から運動に参加し、トランプの大統領就任後、行動を加速させ、次々に立候補し、時には旧来の民主党員を飛び越えて、政治に参加した。女性の当選は上院13人、下院100人、過去最高となる(非改選含めると123、23%、共和党も含む)。
そして二年前の大統領候補だったバーニー・サンダースの感化を受け若者も、今回の選挙に数多く参加した。彼らは以前からウォール街の座り込みに参加した若者もいる(2011年)、またテイラー・スウィフトの呼びかけで投票した若者もいる。その数は20万人近くに上ったと推計される。
ソマリア難民、パレスチナ移民、カンザスやニューメキシコの先住民などが民主党議員となったことは、反トランプの象徴でもある。
今回中間選挙で初めて投票者が1億1300万人に達した(CBS)。投票率は47.3%(近来になく高い、アメリカは投票するための登録制度がある、自動的には投票用紙は来ない)。郊外に住むサッカーママも民主党に投票した。
18歳から29歳の67%が民主党に投票したという。民主党の側に未来が開けていると私は見る。

 進むアメリカの分裂
実は共和党は衰退しつつある政党だ。現在の人種構成は、白人48.5%, 黒人13%, アジア系7.5%, ヒスパニック, 28.5%である。
しかしにもかかわらず、白人優位を固執する共和党は、トランプという強壮剤で盛り上がり、アメリカの分裂が進んでいる。今回の共和党当選者の中にミニトランプが多い。穏健、中道保守は姿を消した。
それと対極に、民主系の若者たちの間には、格差や分断を許さない、資本主義の欠陥を社会主義の手法で補おうとし、平等な社会を目指す、「プログレッシブ」の傾向が進んでいる。若者の中には社会主義を目指すものさえいる。
彼らは民主党の色に因んで「ブルー・ウエーブ」と総称される。
ミニトランプとブルー・ウエーブの両極に世論が分かれつつあると見ることができる。

トランプは外交に活路か?
トランプにとって内政は厳しくなる。オバマケア―、移民、壁建設は難しくなる。納税疑惑の追及、ロシア疑惑の追及もある、
下院委員会は27すべて民主党が握る。
上院を持つトランプは、閣僚、大使、最高裁など人事承認はできる。条約などの承認も出来、外交、通商でのアメリカファーストがトランプの主戦場となる。

アメリカの正常化2年後までに
アメリカは温暖化のためのパリ協定から離脱し、中距離核全廃条約(INF)破棄し、国連人権理事会から脱退し、中国に貿易戦争を仕掛けている。そのアメリカが一刻も早く、国際協調主義に戻ることを強く望みたい。
posted by media watcher at 13:27| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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