2018年09月11日

シリコンヴァレーの軍事協力にー石、グーグル従業員3000人、国防総省との提携に抗議声明

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写真1.グーグル社と社員たち、2. 米国防総省がシリコンヴァレーに設立したベンチャー型研究所DIUX、3.IT技術満載の沿岸監視用セイル・ドローン いずれも8/16, PBSより,

 NYタイムズ紙によると、IT大手企業グーグルで上級社員を含む3100人の社員が軍事技術の開発にかかわる政府との協力に抗議する声明にサインしたと伝えた(4/4NYT)。またネットニュースの「ギズモード」は、10数名のグーグル社員が抗議の意思を表明して辞職したとも伝えている(5/15Gizmode)。
 
 国防総省、軍事ドローン画像認識ソフト開発
 米国防総省はプロジェクト・メイヴン(Project Maven)と名付けられた、AI画像認識技術を軍事ドローン映像の解析に活用するソフトウエアー開発を行っている。グーグルがこのプロジェクトに参加していることを批判した従業員の声明(CEOサンダー・ピチャイ宛て)は次のように述べている。
 「我々はProject Mavenの中止を求め、グーグルやその関係者らが、いかなる軍事テクノロジー開発にも関わらないとの姿勢を明確に求める」。
  米国防総省は先端技術の軍事導入にきわめて熱心だ。特に世界中あらゆるところの動きを24時間監視する小型衛星開発のため、ジェームス・マチス長官自身がしばしばシリコンヴァレーを訪問して、AT企業との連携を図っている。地上の動きを空から数百万枚にも及ぶスキャニングで監視、雲があってもスキャンできることが可能な技術を開発中だ。
沿岸地帯を航行するヨット型の海上ドローンも開発されている。
 ドローンのAI画像認識で、正確に攻撃対象が捉えられれば、「軍事目標だけに限定して遠隔攻撃することが可能となり、誤爆が避けられる。また味方の人的損害をゼロにすることが可能だ」と国防総省では考えているとみられる。

 防衛先端技術ユニットDIUX開設
 国防総省自体もシリコンヴァレーにDIUX(防衛先端技術実験ユニット)を開設した。企業の能力を活用することが目的だ。すでにいくつかの小さなベンチャー企業が国防総省から資金を得て、60社ほどのベンチャーが軍の新型衛星開発に協力している。
 アメリカの公共テレビPBSニュースアワーの報道によればDIUXと連動するベンチャー企業、オービタル・インサイド社はすでに、世界中のあらゆる都市の自動車の走行台数、人の動きなどを瞬時に把握できるシステムを開発したという。人間の能力ではリアルタイムで解析しきれない映像情報を解析しているという(8/16PBS)。核爆弾を誘導できる、「核兵器の近代化」の開発も進行している。
 これまでアメリカでは国防高等研究計画局(DARPA)が国防研究の中心組織だったが、あまりにも巨大組織化したため、決定に時間がかかり、シリコンヴァレー系のベンチャー企業との連携もままならなかった。今後は小回りの利くDIUXが小規模ベンチャー企業との連携の中心となるものとみられる。
 
 グーグル、国防総省との契約中止
 従業員の抗議を受けたグーグルは国防省との契約をしないことを決めたと伝えられている。傘下の「グーグルクラウド社」のCEOダイアン・グリーンが、社員の前で「プロジェクト・メイブン」の契約は中止すると発言したものだ(6/4)。
しかしグーグルの元会長エリック・シュミットは「国防イノベーション委員会」の一員にとどまったままだ。抗議に参加した社員たちはグーグルの社会的信頼に関わる問題であり、「Don’t be evil」という社是通り国防技術にはかかわらないことを明確にすべきだと言っている。
 
 この記事は、9月6日、リベラル21(Web News)に掲載された。
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