2018年08月12日

ギャラクシー大賞「教育と愛国」再放送で広がった視聴者層、見やすい時間帯にドキュメンタリーを放送してほしい

 波動 7月23日 隅井孝雄

「教育と愛国〜教科書で何が起きているか」(毎日放送)が再放送された(6/16)。毎日放送の報道番組は多くの受賞経験を持つが、放送界で最も権威ある「ギャラクシー賞」で初めて大賞を受賞した(5/31)ことを記念してのことだ。初回放送(7/30/‘17)は日曜深夜だったが、土曜午後の再放送(午後3時〜4時関西地区)は視聴者の層が大きく広がったようだ。
授章理由の中で「本作のような忖度のない報道番組が必要とされている」という言葉がある。報道番組への警告を含んでいると思いつつ改めて番組を見た。
 番組は今年から正規教科になった「小学校道徳教科書」の検定がきっかけで制作された。「国や郷土を愛する心」項目で地元のパン屋に立ち寄るシーンが不適切だとの検定意見で、和菓子屋に書き換えられた。
検定による書き換えは多発している。従軍慰安婦の記述がある歴史教科書(中学)を採択した学校に「反日教育をやめろ」という大量の抗議葉書が舞い込んだ。第二次大戦中の「加害の歴史」を盛り込んだと批判され、採用自治体が激減、倒産した教科書会社もあったのは驚かされた。沖縄戦の集団自決の記述(高校歴史教科書)では、「軍の命令や関与」との記述が「沖縄戦について誤解するおそれがある」との検定意見で削除された。
 一方「(教科書採択権を持つ)教育委員を入れ替えていくべきだ」と檄をとばす野党時代の安倍晋三氏(2012年2月)も登場。また今も教科書の大部分が「自虐史観」「反日」であるとの見方から、保守系I社の歴史教科書の執筆代表者へのインタビューでは「歴史から学ぶ必要はない」との発言が飛び出した。
 近現代史だけではない。中学校の歴史教科書で、保守系とみられる教科書が国の誕生を「神話」と関連させ、伊勢神宮、出雲大社など神道の歴史を詳細に記述している。
 日本の未来を担う児童たちが学ぶ教科書が、歴史の歪曲へと動き出す現状は由々しい事態だ。
 ところで「映像18」(毎日放送)の放送時間帯は、毎月最終日曜午前1時50分〜午前2時50分だ。民放系ドキュメンタリーは優秀作が多いが、放送は深夜か早朝だ。視聴者にとって見やすい時間帯に放送時間を変更するよう願いたい。(すみいたかお、ジャーナリスト)
posted by media watcher at 12:07| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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