2018年08月09日

朝鮮半島非核化巡って、日本の責任、ジャーナルズムの責任、原水禁大会分科会での講演その1

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2018年原水爆禁止世界大会 2018年8月5日〜6日
8月6日は広島に原爆が投下されて73年目の記念日、慰霊式典が開かれた。その前日の8月5日、広島で非核、反核をテーマにした様々な世界大会分科会が開催された。私も「核兵器のない世界へ、ジャーナリストと草の根運動の役割」という会合で講演、参加者との質疑応答をした。以下に私の講演の草稿その1を掲載する。 隅井孝雄
写真 1.講演中の隅井、2.世界は非核へ、3.オバマ折鶴、4、工事中の原爆記念館
  その1、朝鮮半島と、東アジア全域の非核化
 北朝鮮、核禁条約に共感
 核兵器禁止国際条約、2016年10月、国連第一委員会(軍縮)核武装撤廃条約の多国間交渉を決めるという提案に対し賛成123、反対38、棄権16で採択された。私が注目したのは北朝鮮だ。この直前5月の党大会で金委員長は「世界の非核化を実現するため努力する」と述べている。その言葉通り北朝鮮は多国間交渉に賛成票を投じた。しかし多国間交渉には参加しなかった。なぜか?
そしてその1年後2017年7月正式に核兵器禁止条約は、賛成122で正式に採択された。オランダが反対、シンガポールは棄権した。北朝鮮は他の核保有国と足並みをそろえる形で反対したのだ。
 北朝鮮の反対の理由は保有国とは異なっていたことはあまり注目されなかった。国連総会第一委員会(軍縮、国際安全)の場で北朝鮮の国連駐在代表による次のような発言があった(17年10月6日)。
 「核兵器禁止条約について我が国は共感する。だが米国が条約を拒否する状況下ではこの条約に参加することはできない」
 北朝鮮の真意を探り得なかった失態
 この時期、2017年8月から11月にかけてミサイルを数回発射、また核実験も2018年9月に行った。しかし北朝鮮がこの条約の多国間交渉に賛成投票し、禁止条約に共感を表明したことはその後南北会談、米朝会談で朝鮮半島非核化を表明するに至った前触れであったとみられる。
もし、一連の北朝鮮の発言を真剣に受け止め真意を探り出す調査報道が行われていれば、米朝会談、朝鮮非核化を予見できたかもしれないと思う。
 私は10年前に板門店を北から訪れたことがある。その時私たちを案内してくれた陸軍中尉は「もし戦争になったらアメリカは核を使うかもしれない、われわれはそれに対して備えなければならない。われわれの真意はアメリカとの直接交渉で朝鮮戦争を終結させることだ」。10年後北朝鮮の狙いは、米朝会談によって達成されたかに見える。
 日本は以前蚊帳の外、拉致進展なし
 問題は核兵器禁止条約に反対した日本政府だ。安倍首相は拉致問題で交渉すると言っているが、話し合いの糸口はない。朝鮮半島の非核化には積極的関与を見せず、制裁を強化するという一点張りだ。6月15日平壌放送(国営ラジオ)「日本は解決済みの拉致問題を持ち出し、国際社会が一致している朝鮮半島の平和の気流を阻もうと稚拙な醜態を示している」
東アジア全域の平和、非核化目指すべきだが、米の核に依存する日本
 かつて「東アジア共同体」を推進しようとして挫折した鳩山由紀夫元総理は「東アジアの非核化」という方向に進むため、日本はこの機会に、積極的に行動する必要がある。現政権の態度は非常に残念だと語っている(JCJインタビュー、6/25)。
私は今年5月沖縄を訪れ、嘉手納基地にある古い核兵器格納庫を遠くから見た。中の核弾頭は沖縄返還時に撤去されたといわれているが、2009年の日米協議で新たな核兵器貯蔵庫を沖縄に建設する可能性について問われた日本の秋葉剛男公使(現外務事務次官)が賛同したことが最近報道された(赤旗3/5)。当時の首相は現在の副総理麻生太郎氏である。
これは米議会での核兵器諮問機関が行った議事概要の日本側参考人であった秋葉メモの発言だ。巡行ミサイルトマホークの引退のあと代替え核兵器の配備を要請、核近代化に賛同、もしている(7/18,26赤旗JCJ賞関連記事、該当記事3/4,3/5)。本来被爆国日本の政府は米核軍縮、非核化を要望すべきだ。
自民党は一貫して非核3原則を無視してきたことを物語る報道だ。
無用のイージスアショアに5000億円
米朝会談後、北朝鮮の非核化の費用はどうするかと,と問われたトランプ大統領は、こともなげに「日本と韓国が負担するだろう」と答えた。
報道ステーションの試算(6/13)試算によると査察費1000億円、解体費1000億円以上、解体後の補償2000億円合計4000億円以上といわれている。
トランプの意向を受けてか河野外相が北朝鮮の核廃棄費用を負担する用意があるという発言したことに対し北朝鮮は「やるべきことをやらない無分別なふるまい、笑止千万の醜態だ」と非難している(7/19)。
朝鮮半島の非核化に日本は真剣に向き合い、推進力として行動すべきだ。
 それなのに2680億円(維持、運用費などを含めると5000億円を超える7/30ロイター)をかけて、今や無用の長物となったイージスアショアをアメリカから2基購入する。日本は一刻も早く核兵器禁止条約に加盟し、アメリカに対し、核兵器近代化を取りやめ核軍縮に向かうように働きかけ、日本、沖縄への核再配備も行わないとの確約も取り付けるべきではないか。そのうえで、植民地支配に対する、謝罪賠償、日本も責任をまぬかれない朝鮮戦争の終結、北朝鮮への復興支援(制裁ではなく)の提言を行うべきではないか。
 米朝会談を繰り返し報道されるが、日本がどう関与すべきか、日本が担うべき責任は何かという課題を、メディアが積極的に取り上げ、3000万署名と連動することを望みたい。
 (別項で講演その2、見捨てられた高知の被爆船員たちを掲載します)
posted by media watcher at 13:15| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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