2018年06月26日

一人出版「リベルタ出版」の田悟さんが店じまい、後楽園で「ご苦労さん会」、出版文化の衰退を憂うる人々80人以上が集まる。

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 一人出版社で30年間こつこつと「良書」を出し続けてきた「リベルタ出版」の田悟恒雄さんが出版事業から手を引くことになった。友人、知人、著者たちが寄り集まって卒後式と銘打つ「ご苦労さん会」を開くというので私も出席した。(5月30日、後楽園涵徳亭)
 厳しい出版界で良書を独力で出版
 田悟さんはチェルノブイリ以降の原発事故、環境問題、メディアリテラシー、ジャーナリズムなどの著書を出し続けてきた。しかし最近中小出版社はアマゾンに押され、経営への圧迫が強まる一方だった。
 集まったのは合わせて80人以上、盛会だった。お互いに出版文化の衰退を食い止めたい、日本の出版文化を守りたい、という認識を共有した挨拶が続いた。私は田悟さんに「卒業証書」を送る役割だった。卒業を認定したのは上智大の石川旺(さかえ)教授。
 私と田悟さん
 私はかつて田悟さんが編集に携わった大月書店から「ニューメディア最前線」を1983年に出版、また1986年「マスメディア講座」を出したことから知り合いになった。
 田悟さんが独立し「リベルタ出版」を設立したころ、私はニューヨーク勤務となった。そして在米中、アメリカのテレビメディア情報をまとめた「アメリカTVスコープ」、「マンハッタン、テレビのぞき窓」など2冊を出版してお世話になった。クリントン/ゴアコンビの政権のもと、デジタル化が一歩進んでいたアメリカの情報が、日本で求められていた時代だ。
また最近では3.11以降のメディア状況、安倍政権の干渉をまとめた「隅井孝雄のメディアウオッチ」を2016年に出版していただいたため、講演依頼が続出した。
 会場は小石川後楽園「涵徳亭」。久しぶりに後楽園を歩こうかと思ったが、あいにく雨だった。
 アマゾン、取次店を飛び越え、大日本印刷や凸版が直接納入
 ところで、出版界を席巻しているアマゾンが、最近、新刊書も出版社や取次(日本出版販売)通さず、大日本印刷など印刷会社から直接送る体制を取った。すでにアマゾンと直接取引する中小出版は300社にのぼるといわれるが、今回、中堅、大手でも20社がこのルートに参加したといわれている。印刷会社からの直接仕入れにより、アマゾンは在庫確認が円滑になり、発送遅れがなくなる。
 また雑誌も「文芸春秋」などが、増刷になる場合取次を飛び越して、アマゾンが凸版印刷から直接仕入れるという。話題の雑誌がアマゾンからは手に入りにくい現状が改善されると喧伝されている。
 一連の印刷会社→アマゾンルートに乗り遅れた出版はますます厳しい状況に直面すると思われる。
posted by media watcher at 22:54| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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