2018年03月30日

北朝鮮問題平昌五輪後急展開、好機生かせぬ日本

1804 北の応援団IMG_4179.JPG1804 焦りIMG_4170.JPG1894 親書IMG_4171.JPG1804 南北正恩IMG_4173.JPG1804 核放棄?IMG_4174.JPGIMG_4175.JPG
 写真1.すべての始まり平昌冬季五輪、北の応援団(クローズアップ現代2/26)
 写真2.焦って、金永南人民会議委員長にすり寄った安倍首相(クローズアップ現代2/26)
 写真3.金正恩からの親書を文大統領に手渡す金与正(クローズアップ現代2/26)
 写真4.韓国特使をもてなす金正恩(サンデーモーニング3/11)
 写真5.金正恩は核放棄すら口にした(サンデーモーニング3/11)
 写真6.北朝鮮との「米朝会談」を即答したトランプ大統領(サンデーモーニング3/11)

 韓国平昌(ピョンチャン)の冬季五輪(2/9~2/25)が、南北合意、米朝会談のきっかけになった。スポーツの感動が政治に直結することに驚きを覚える。オリンピックの舞台で南北の融和を目指した韓国文大統領の慧眼と執念の努力が奇跡的な事態の進展に貢献した。
 電撃的転換のはじまり
 3月5日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)労働党委員長は、訪朝した韓国大統領府の鄭義溶 (チョンウイジョン) 安保室長らと会談、韓国文在寅(ムンジェイン)大統領と金委員長との首脳会談を4月末に開催することで合意した。さらに北朝鮮側は、米国との非核化協議、米朝関係正常化の対話の用意があること、対話が続く間は核実験、ミサイル発射を凍結する意思を表明した。3月8日には、鄭安保室長が訪米、米朝首脳会談を望むという金委員長のメッセージを伝えられた米トランプ大統領は、対話に臨むことを即決した。金委員長は「米国の軍事脅威は取り除かれ、体制の安全が保障されれば核保有の理由がなくなる」とも述べ、非核化交渉の可能性さえ出た。
 日本は蚊帳の外
 安倍首相は韓国の対話路線を苦々しく眺めて、「対話のための対話は意味ない」、「圧力をかけ続ける」と言い続けた。トランプ大統領が日本に打診することなく金委員長との対話に臨むことは考えてもいなかったに違いない。
 安倍首相の動揺が見られたのは2月9日の平昌五輪開会日のレセプション席上であった。終了間際、内ポケットからメモ用紙を取り出して一瞥した後、同じテーブルの向かい側にいた金永南(キムヨンナム)北朝鮮最高人民会議常任委員長のもとに歩み寄った。「すべての拉致被害者の帰国を実現してほしい、日朝平壌宣言に基づき拉致、核、ミサイルなど、すべての問題を解決すべきだ」(クローズアップ現代2/26)と発言した。
 安倍首相はこの時、米ペンス副大統領が北朝鮮と会談する予定になっていることを知らされており、焦りの立話だったとみられる。翌日に予定されていた米朝会談は、直前になって北朝鮮側に断られ、実現しなかった。孤立する日本はすべて蚊帳の外だ。
 終わっていない朝鮮戦争、日本の役割は?
 私は2010年、北京経由でピョンヤンを訪れ、北側から板門店に入った。38度線は、朝鮮戦争の休戦ライン(1953年)であり、65年間戦争状態が続いている。この際たまたま知り合いになった、元北朝鮮軍の将校は「我々の究極の目的はアメリカと交渉し、戦争状態を終わらせることだ」と熱く語った。それは今も変わっていない。
 韓国が対話に乗り出し、北とアメリカとの交渉が始まろうとする今、日本が担う役割は大きい。まずは拉致問題の解決を図るための積極的な好機をどう生かすかだ。その上で唯一の被爆国である日本が、真剣に核廃棄を説得すれば、北朝鮮を含む東アジアの非核化へ進むことが可能だ。疲弊している北朝鮮の民衆を経済援助することも目標に入れる必要がある。朝鮮半島の分断は日本の植民地支配の結果でもある。
 北朝鮮に対する日本の根本的な政策転換が必要だが、その力は安倍政権にはない。対話の意志を持ち、説得の能力がある政治家による新しい政権の誕生が必要と思う。
 
機関紙協会、宣伝と組織、4月号原稿 隅井孝雄 1300字

posted by media watcher at 21:57| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
Media watch.gif

隅井孝雄のメディア・ウォッチブログ