2017年08月13日

映画評「ヒットラーへの285枚の葉書」

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 2017.8.1
 ナチスに抵抗する映画はこれまでたくさん見てきたが、ドイツ国内でヒットラーに抗議の行動を起こした人物を描いた映画は初めてだった。
 映画は冒頭でパリ陥落を描くがそれ以外はすべてベルリン市内中心部ヤブロンスキー通り55番のアパートが舞台になっている。軍需工場の職工オットー・ハンペル(ブレンダン・グリーソン)、その妻でナチ女性同盟のメンバーでもあったアンナ(エマ・トンプソン)、そして姿の見えぬ二人の影を追うゲシュタポの警部(ダニエル・ブリュール)の3人が主役だ。
 オットーは一人息子ハンスが戦死したという知らせを受け、父親として怒りを覚えた彼は「あなたは私の息子を殺した、あなたの息子も殺されるだろう」とはがきに書き付けた。それを市内のあるビルの階段にそっと置いた。
 オットーとアンの葉書を置く行動は、次第に大胆になる。エッシャリヒ警部は置き去られた葉書の回収と犯人の捜査に懸命になるが、アレクサンダー通近くに住む人物だと見当をつけたものの、葉書は100枚、200枚と増え続ける。
 劇中、アパートに住んでいたユダヤ系の住人たちが次々に姿を消しというエピソード、ゲシュタボ警部が、親衛隊幹部に怠慢をとがめられ殴り倒されるシーンなどのエピソードも緊張を高める。
 ゲシュタポの残した記録から、実話をもとにドイツ人作家ハンス・ファラダの「ベルリンに一人死す」が原作。映画は独、仏、英3ヵ国の共同制作であり、台詞はすべて英語で語られる。原題はAlone in Berlin。この方が内容にふさわしい。日本語題名はあまりにも説明的過ぎる。
 ナチの圧政に対し、ベルリンの町中で繰り広げられた抵抗する庶民の姿に感動を覚えた。ラストシーンで285枚の葉書が、ベルリンの中心街を舞うシーンは圧巻だ。
posted by media watcher at 16:20| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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