2017年07月08日

神戸少年Aと和歌山カレー事件、真実追及続けた2局(読売テレビ、毎日放送)、19年〜20年にわたり

 1707 少年A毎日IMG_3632.JPG1707 少年A毎日IMG_3634.JPG1707 カレー事件読売IMG_3631.JPG
 写真、1.「母は死刑囚」毎日放送映像17、「A少年、事件20年」読売テレビ
 1997年神戸で、1998年和歌山で、相次いで世間を震撼させた二つの凶悪犯罪をめぐるドキュメンタリーが、奇しくも同じ日(6月25日)、同じ時間帯(深夜0時台)に放送された。前者は読売テレビ、後者は毎日放送、いずれも、地元局として、事件を19年〜20年に長きにわたって追い続けている。
 「少年A、〜神戸児童連続殺傷事件、被害者と加害者の20年」(NNNドキュメント’17)は、読売テレビの堀川雅子ディレクターの作品だ。少年A の歩み、仮退院後の動静と被害者家族の動きをたどった。改めて事実を検証することを主眼とした。事件の指揮にあたった兵庫県警深草刑事部長(当時)と共に事件の現場への再訪から番組は始まる。審判を担当した神戸家庭裁判所井垣判事(当時)、送致された医療少年院杉本院長(当時)などが次々に登場する。さらに2004年仮退院にあたって、身元引受人として8ヵ月間、暮らしを共にした男性が、初めてカメラも前で語った。実現するのに13年かけた特ダネである。
 Aは15年、遺族の了解なしに手記「絶歌」を発表した。番組の一貫したテーマは「償いと謝罪」の行方だが、それは実現していない。遺族たちは、Aの偶像視が始まる恐れがあると危惧、改めて被害者家族が十分保護される法制度の確立に動く。
 「母は死刑囚〜息子が語るもう一つのカレー事件」(毎日放送映像‘17関西圏で放送)は新しい角度からの問題提起だ。事件当時10歳だった長男は29歳。今は一人暮らししているその男性に初めて密着取材することで改めて「カレー事件」に残る謎に挑んだ。19年を経ても、毎日放送の取材は続く。今回の番組でも、警察が極秘に捜査協力を依頼した病院の医師や、警察のヒ素鑑定に疑義があるとする大学教授ら、これまで浮上しなかった証言を集め、徹底検証した。
 テレビ報道は一過性。ニュースは瞬時で消え、新しい話題を求めて走る。だがこの二つの番組は、事件の検証を続けることを重要視、現在の視点から問題を提起している。
フェイクニュースが横行する中、両番組ともとことん真実、事実を追求する姿勢をとったことは、他の報道番組への教訓といえよう。(すみいたかお)
(この記事は7月3日、赤旗ラジオテレビ欄コラム、「波動」に掲載された)
posted by media watcher at 17:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
Media watch.gif

隅井孝雄のメディア・ウォッチブログ