2017年04月24日

311から6年、原発を考える

 この記事はラジオカフェ報道番組「おはようさんどす」で2017年3月13日に放送されたものです。遅ればせのメディア・ウォッチ、アップです。記録に残すためです。
 311から6年、原発を考える

 3.11から6年、忘れられないまま時が過ぎていく。
私はこの日近くの堺町画廊で開かれた、気仙沼の画家、相沢一夫展の会場にいた。相沢さんのアトリエは気仙沼の高台、街を一望する場所にあり、被災をまぬかれた。相沢さんは、津波のうねりのなか流される町、同時に起きた火災、流出した重油で真っ赤に燃える海などを目撃した。その後2か月間、毎日坂道を下って、歩き回り、ボールペンやクレヨンで、破壊されてがれきとなった街並、建物の上に乗り上げた大きな漁船などをスケッチした。
 そのオリジナルのスケッチや、スケッチをもとにした作品を制作し続けてきた。展覧会ではそれらが展示され、夜7時からは震災にちなんだコンサートが開かれた。息子の恭行さんがギターで歌った。イラクの支援活動を続ける恭行さんによれば、戦争で破壊されたイラクやシリアの瓦礫の町と、津波や原発の被害を受けて廃墟となった東北の町は、共通しているという。東北のまた震災にちなんで津軽三味線の演奏もあった。
 サンデーモーニングの原発被害特集、難しい帰還
ところで、昨日(3/12)は、サンデーモーニングの、原発被害特集を見て、大いに触発されるところがあった。当時、全電源喪失後、爆発が3回にわたって起き、2号機から大量の放射能が放出された。しかし正確な情報は伝わらず、東電は二か月間にわたってメルトダウン「炉心溶融」という言葉を使わなかった。
 放射能は風に乗って北西方向に流れたが、住民にはそれが知らされず、多くの人が、その北西方向、飯館村を目指して避難した。
 6年にわたって除染が行われ、政府は安全だとして帰還を促しているが、帰還率は1割を斬る地域もある。報道ステーション(3/9)では、3月31日に避難指示が解除される飯館村の現状を伝えた。毎時0.23マイクロシーベルトが安全基準だとされるが、今も毎時1.2〜1.3マイクロシーベルトが随所に見られ、まったく除染されない山林地帯から流れ込んでくる、という。一般の年間の被爆限度は年間1ミリシーベルトだが、飯館村など、避難解除地域の安全基準は年間20ミリシーベルトと定められた。国の調査では飯館村は10ミリシーベルトだと算定されたことから、避難指示解除が決まった。しかし、帰りたい人3割、帰らない人3割、決めかねている人3割と別れた。安全になったとは言えない現実に住人の漂流は今後も続く、と問題を伝えた。
 迫る日米原子力協定改定、日本は世界原子力産業の中心を担ってる
 サンデーモーニングで語った寺島実郎さんは次のように指摘した。
 「福島原発はアメリカの原子力会社GEによって建設されたものだ。日本側が十分な対応策をとれなかった原因の一端はそこにある」。
 現在1,2,3号機から燃料デブリの取り出しが行おうとしているがいつ取り出しが完了するのか、メドはついていない。
事故後の世論調査では原発直ちに廃止、将来的に全廃するが85%だったが、政府は、14年4月エネルギー基本政策で原発を重要なベースロード電源と位置づけ、2015年8月、再稼働を開始した。川内、伊方で6基が稼働、高浜では認可された7基が地裁の稼働禁止仮処分で停止中である。まだ稼働していないが再稼働が許可されているのは玄海、美浜、高浜の13基ある。
東芝原子力事業の破綻の持つ意味
 最近になって、アメリカの原発会社上スティングハウスを買収した東芝が7000億円の負債となり、日立の原発部門も700億円の赤字となっている。世界では原発受注のキャンセルや延期が相次ぎ、フランスの大手アレヴァも経営難となっている。
 台湾では福島事故後、現初に対する市民の批判が高まり今年1月2025年を目途に脱原発とすることを議会で決定した。ドイツでは政府が脱原発を表明、シーメンスが原発から撤退し、再生エネルギーに力をいれる方針だ。
 日本で1930年代に原発ゼロを目指すという民進党は、原発大手の組合を抱える連合の圧力に揺れている。
 たとえ原発ゼロに向かっても。廃炉や使用済み燃料の問題が残る。どうやって福島事故を乗り越えで行くのか向き合う必要がある。
 原子力に詳しい寺島実郎さんは、2018年に日米原子力協定が改定されることを指摘した。日本は東芝がウエスティングハウスの親会社、日立とGEが提携し、三菱重工とフランスアルバの提携もあり、日本が世界の原子力産業の中心点となっている現実を見据え、日米協定改定を契機に、真剣に向き合うべきことを強調している。
 私は即刻再稼働を停止し、廃炉技術、資料済み燃料の安全な廃棄などの技術を日本が中心になって開発する責任があると思う。


posted by media watcher at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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