2016年11月13日

象牙密輸の中継地は香港、台湾、東京, ワシントン条約国会議で、日本に象牙取引密輸疑惑(10/4)

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 目立たないニュースだったが10月24日、象牙を加工販売している男二人が、登録票のない象牙をネット販売した容疑で書類送検された。容疑はネットのオークションサイトで登録されていないアフリカゾウとアジアゾウの象牙各1本を計14万4300円で譲りうけたというもの。
 ワシントン条約国会議が南アフリカ、ヨハネスブルグで9月24日から10月4日まで開かれた。今回は特に日本も関連する議題として象牙が俎上に上った。
 象牙は日本では印鑑、三味撥など必需品として取引されている、だが違法取引もあるという。
象牙の国際取引は1990年に禁止されたが、90年以前のものは認められていることが抜け穴になっている。象牙密輸問題の中心地は香港だといわれているが、日本もまた活発な象牙取引が存在しているとして問題になった。出席した山本公一環境相が「日本は、違法取引はない」と発言したことが逆に各国の反感を買った。
 香港の場合377店もの象牙店があり、3万点もの象牙が流通、10トンもの象牙がいつでも手に入るといわれている。昨年2.2トンが密輸入された違法象牙として押収されたが、ほんの氷山の一角。高い値段を付けた、仏像、人形、器、麻雀パイは中国本土からの旅行者が買っていく。
 イギリスBBCニュースの追跡調査によると、日本はこの6年で2000本の牙が登録された。業者は、90年の禁輸以前に買い求めたものが、遺産として相続され登録に至ったと。説明されている。しかしそれは一種の抜け穴で、密輸といえる国際取引は、一向に止まってはいないという。(BBC4/29)
 日本での象牙ビジネスは、印鑑、装飾品のほか三味線の撥にも使われている。象牙製品は中国人にも買われていく。2006年大阪南港で3トンの密輸が摘発されたこともある。
 今回は国内市場の全面禁止ではなく、「密輸や違法取引の原因となる市場」の閉鎖となったので、日本国内での印鑑や三味線の撥などの取引は継続できることになった。だがまだ加工されていない象牙の本体をひそかに日本に持ち込み、中国に転売する業者が日本にも存在していると、海外のNPOは指摘している。
 近年は経済発展中の中国で需要が高まったほか、テロ組織が資金源にしているとも伝えられる。保護団体が飛行機でケニヤ、コンゴ、南アフリカ、タンザニアなどアフリカの草原を調査したところ、2014〜2015、生息している象は35万頭、07年から3割に当たる14万4000頭が姿を消した。象牙は貧しいアフリカの遊牧民などにとって1キロ15000円以上の収入になるため、密猟が絶えない。2000年以降各国で押収された象牙は217トン、3万頭に及ぶ
 密輸禁止はアメリカ、フランス、アフリカ10か国などが監視強化している。
 今回の会議では、違反があった場合国内市場が閉鎖されることが決まった。日本も密輸に対して厳罰で臨むと表明しているが、疑惑の一掃のためにも適切な処置が望まれる。
 日本での象牙消費の7割は印鑑だという。また三味線の撥は目に見えない小さな穴が汗を吸収、しなりによる音色も象牙に勝るものはないという。アフリカからの象牙の仲介地という汚名がかからぬように、違法取引を根絶する必要がある。

 今回はウナギの資源保護も議論 された。EUが乱獲を懸念して国際取引の調査を提案したからだ。日本ウナギは、河口や沿岸で取れたウナギを養殖しているが、近年、台湾、香港などからの稚魚の輸入が増大している。世界各地での乱獲を防止するためには国際取引の実態を、監視調査し、資源管理を適切に行う必要がある。日本政府代表は「日本はウナギの持続的な利用について責任を負う。調査に協力する」と発言して、提案に賛同した。しかし、ウナギ稚魚の海外との取引には不透明な状況があり、調査次第では3年後のワシントン条約国会議で、絶滅種に指定される可能性がある。日本のウナギ業界の存続がかかる事態だ。

 この記事は10月3日のラジオ報道番組「おはようさん」(FM79.7)の放送に加筆した。
posted by media watcher at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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