2016年10月07日

ネットで横行、テレビ報道巡って「貧困バッシング」、発端ネット記事が「ねつ造」だった

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 以下の記事は月刊誌宣伝と組織10月号に掲載された
 NHKニュースの特集「子供の貧困」(8/18放送)で、女子高生を顔出し、実名で報道したことに対し、ネット上でバッシングが巻き起こった。「普通以上の生活をしている、アニメグッズやiPhoneも持っている」など彼女の暮らしぶりを非難、「それなのに生活保護を受けている」と激しく攻撃した。ところが「NHKにねつ造疑惑がある」と報じた(8/19)バッシング元、webニュース「ビジネスジャーナル(サイゾー社)」が「事実を確認できなかった」と記事を取り消した。ネット上にはびこる「貧困バッシング」の言動にこそ問題があることが浮き彫りになった。
 「相対的貧困」に苦しむ
 番組で取り上げられたのは母親と二人暮らしの女子高校生。神奈川県が8月上旬に開いた「子供貧困対策月間」のイベントで発言した。最近問題となっているのは「相対的貧困」に苦しむ子供たちだ。学費なくて進学できない、部活の合宿や修学旅行にいけない・・・みんなと同じような暮らしができない。
日本には所得の平均値(年収125万円)を下回る「貧困世帯」が16%、6人に1人(The Big Issue1/25/15)。ひとり親世帯では54.6%に達する。 
 番組内では、家計が苦しくパソコンが買えない、だから1000円ほどのキーボードだけ買って指使いを練習する、将来アニメーターになりたいなどの夢も語ったが、アニメ専門学校の入学金50万円は払えない。
インタビューの背景にアニメグッズやイラストペンが写っているなどをとらえ、「貧困とは言えない」との批判がネット上に渦巻いた。そのうえ、本人のツイッターが探し出され、「Exileのコンサートに行った」、「One Pieceグッズを買っている」など個人攻撃がエスカレートした。
 片山さつき議員(自民)参戦も、ネット記事は取り消し、謝罪
 そこへ、自民党の片山さつき議員も加わった。ブログ上で「おしゃれな店でランチをしている、節約すればパソコン買えるでしょう」などと批判、「NHKにも説明を求める」と発言した(8/20)。片山議員は以前から「生活保護キラー」と言われ、“ホームレスで糖尿病の人がいる”との発言もある。
 騒動の火元「ビジネスジャーナル」は謝罪記事(8/31)で次のように述べた。「“取材映像で少女の部屋にはものであふれ、ないと言っていたエアコンらしきものがしっかり写っている”との記事は確認できなかった。“NHKからの回答”なるものも、架空だった」、「記事は外部の契約記者が書いた。編集部は確認を怠った」。同社は社長、編集長、編集部員を減給処分にしたという。バッシングに加担した片山議員は責任を取らなくていいのか。
 NHKは「クローズアップ現代」、「ハートネット」、「関西熱視線」などの番組で繰り返し児童、生徒の貧困問題を取り上げている。その努力を多とするが、勇敢に問題提起したがゆえにバッシングにさらされたこの少女をどう守るかという方策を提示するべきだ。今後も日本の貧困問題と追及の手を緩めることなく報道してほしい。
posted by media watcher at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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