2016年06月09日

ギャラクシー賞に、報道ステーション「ノーベル賞経済学者が見た日本」、「ワイマール憲法の教訓」が大賞を獲得、ニュース番組初、国谷裕子さんにも特別賞

以下の記事は6月6日FM797(京都三条ラジオカフェ)のワイド情報番組「おはようさんどす」で放送された。

 6月2日東京で開かれた「ギャラクシー賞」で受賞した作品を紹介しましょう。この賞は放送批評家や視聴者が報道番組、ドラマ、娯楽番組、ラジオ番組を対象に選ぶ、テレビの優秀作品に対する賞として、最も権威があるものです。
 テレビ部門大賞はテレ朝「報道ステーション」の二つの特集、経済学者ジョセフ・ステイグリッツ教授と古舘伊知郎とのインタビュー「ノーベル賞経済学者が見た日本」(スタイグリッツインタビュー)とキャスターが自らベルリンに飛んで調査した「ワイマール憲法の教訓」です。
 ニュース番組にこの賞が選ばれたのは初めてのことです。
 そのほか優秀賞に日本テレビNNNドキュメント「南京事件、兵士たちの遺言」、特別賞に「クローズアップ現代」のキャスターだった国谷裕子さんが選ばれました。
 私は放送批評懇談会の長年の会員です。4年間大賞を選ぶ審査委員をしていたことがあり、今回の受賞を大変歓迎しています。
 番組内容を紹介しましよう。
 スタイグリッツインタビューは、端的に言えばアベノミックス批判です。教授は日本では格差が拡大している、トリックルダウンが成功したためしがない、実質賃金が低下している、法人税減税には疑問がある、と主張しています。アベノミックスの破綻を予言し、消費税が実施されないことを予言しているといえるでしょう。教授はむしろ消費税は5%に戻すべきだと主張しています。このインタビューは視聴者に衝撃を与え、今後の経済動向を見事に予言しました。
 「ワイマール憲法の教訓」は安倍首相が憲法改正で真っ先に導入している「非常事態法」を取り上げ、かつてナチスがワイマール憲法で最大限活用した国家緊急権との共通点を取材し、世論に警告した渾身の取材レポートでした。
 国谷裕子さんが特別賞を受けましたが、長年にわたって視聴者に見せたインタビュー力は説明するまでもないでしょう。集団的自衛権についての政府の対応を国民の疑問を元に問いただしたことがきっかけとなり、退陣に至ったことは今や誰もが知っていることです。
 「南京事件、兵士たちの遺言」は陣中日誌を克明に調べ、集団虐殺があった事実を明らかにしたドキュメンタリーです(詳細略)。
 授賞式の冒頭、受賞作を決めた放送批評懇談会の委員長丹羽美之氏(東大大学院准教授)は挨拶の中で、古舘、国谷キャスターらの降板について、「自由に者がいえなくなる時代が来る恐れがある、言うべきことをきちっと言う番組を応援する」と述べました。国谷さんも「臆せず伝え続けようという決意が伝わる授賞式だ」と述べました。
 放送制作現場に重苦しい雰囲気があること、にも関わらず優れた番組が多数存在していることも事実です。優れた番組を顕彰し、制作現場を励ます、そして視聴者との回路を構築することが非常に重要であると、私は思いました。
posted by media watcher at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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