2016年06月02日

国境なき記者団の報道の自由ランキング、日本は世界で72位に落ちた、 国連、デービィッド・ケイ氏、人権 と穂道の自由の調査に

 以下の記事は機関紙協会京滋支部発行の 「宣伝と組織」 16年6月号 に掲載されたものです。隅井孝雄
 
 報道の自由ランキング、日本は世界で72位に落ちた、 その原因は?
 安倍政権のメディア支配が批判を浴びている中、パリに本部がある国際NGO「 国境なき記者団」が「日本の報道の自由は世界ランキング72位だ」と発表した(4/20)ことは。改めて,日本の深刻な言論状況を世界に印象づけることとなった。国連人権理事会の特別調査員も日本に派遣され,メディア介入に苦言を呈した。
もはや事態は日本の国内問題を超えて、国際的な問題だと考えられる。

 「国境なき記者団」ランキング、誰が決める?
発表された報道の自由度ランキングでは、日本は昨年61位より11位下がって72位になった(世界180の国と地域が対象)。
 「国境なき記者団」(Reporters without Border)はパリで1985年に発足した国際非政府組織NGO。困難な状況に置かれたジャーナリストの救出、支援、メディア規制の監視や警告、言論、取材の自由の擁護、などを任務とし、2002年以降は毎年「世界報道自由ランキング」を発表するなど、幅広い活動をしている。毎年14の国際団体と130人のジャーナリスト、法律家、人権活動家などがランキングの指標づくりに携わっている。

 「安倍二次政権」以降ランクの低下が著しい
 日本は2010年には11位と比較的上位にいた。当時民主党政権が,記者会見を外国メディアにも公開することを決めたことが、好感を持って迎えられた。ところが13年、22位、14年59位、15年に61位と年ごとに順位を下げている。奇しくも安倍第二次内閣が生まれて以降、「日本の言論不自由が拡大している」といえる。
「国境なき記者団」の発表によると、日本では「定義があいまいな国家機密法でジャーナリストが処罰の対象となり、裁判にかけられ、投獄される危険が生じている」「調査報道が後退し、記事の一部削除、掲載、放送の見送りなど、メディアの自主規制が著しく、独立性を失いっている」と手厳しい。

 国連人権理事会の特別報告者の来日,報道の独立性への警告
 ランキングの発表の前日4月19日,国連人権理事会、特別報告者デービッド・ケイ氏が記者会見し,ここでも報道の独立性に警告が発せられた。ケイ氏はカリフォルニア大学アーバイン校教授、人権法、人道法の専門家で、日本の報道の自由を調査して報告書を国連に提出する目的で来日した。
ケイ氏は政府機関、報道関係者、市民団体などを聞き取り調査の結果を、会見の席上発表したが、正式な報告書は改めて国連に提出される。

 強まる自己検閲に懸念
 ケイ氏は「メディアの独立」、「歴史教育と報道の妨害」、「特定秘密保護法」、「差別とヘイトスピーチ」、「市民のデモを通した表現の自由」の5つのテーマで調査、強調したのは報道に対する圧力が強まっている点であった。
 「(取材した)彼らの多くが,有力政治家からの間接的圧力により仕事を外され沈黙を強いられていると訴えていた。政府による”中立性”、“公平性”への圧力が高いレベルの自己検閲を生み出している」、「政府は所管大臣が放送法4条違反と判断すれば放送業務の停止の可能性があるといっているのは、メディア規制の脅しだ。自民党は14年11月の選挙中に報道の中立公平を求めるとの書簡を放送局に送った。また15年2月には菅官房長官が,特定のテレビ番組を名指しして放送法に違反していると発言した」と批判した。

 秘密法の記者罰則 デモ過剰警備は民主主義の危機
ケイ氏は,特定秘密保護法の「記者と情報源に対する罰則」を撤廃し,記者を処分しないことを明文化するよう要望、また放送法4条廃止し,政府がメディア規制から手を引くよう求めた。
 また、ケイ氏は、相次ぐヘイトスピーチの横行、国会前や、沖縄での市民デモ過剰警備に懸念を表明した。日本で基本的な民主主義の擁護が必要であることを表明したといえるだろう。
posted by media watcher at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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