2016年02月27日

テレビ番組批評 映像16「テレビの中の橋下政治〜ことば舞い散る」1/31/16 毎日放送

 テレビ欄コラム波動2月28日掲載 「テレビの中の橋下政治〜ことば舞い散る」隅井孝雄

 巧みな話術を武器に政治に旋風を起こした橋下徹元大阪市長、引退を機に、天敵とみられていた「毎日放送」がドキュメンタリー「映像16」で「テレビの中の橋下政治」を振り返えった(1/31深夜24:50 関西地区)。副題は"ことば舞い散る8年”。
 8年前、大阪府知事として登場した橋下氏の言動にテレビは魅了され、発言の場をひんぱんに提供、橋下政治と一体化していると批判された。その中にあって毎日放送は孤塁を守ってことばの魔術を打ち破ろうと努力したことで知られている。囲み取材の場で橋下市長と渡りあった女性記者(12年5月)、地下鉄民営化で食い下がった市政記者(13年10月)、大阪都構想の問題点指摘の先鞭をつけたワイド番組「ちちんぷいぷい」(15年4月)などである。
 番組は8年間3000本15000時間の映像記録から橋下氏の"ことば”を掘り起こした。前半は「引退へのご祝儀番組か?」と見まごうほどだ。市庁舎を笑顔で去る橋下氏を市民、主婦たちが盛大な拍手で送る。WTC庁舎移転は二転三転、東日本大震災もあって瓦解、市役所を壊すと宣言、市長に鞍替えしたが、都構想住民投票は敗北。だが「将棋で言えば詰んでしまった」のに、その都度立ち上がる希有な手腕がえがかれる。
 後半では、橋下氏の「ことばマジック」の手法を解き明かした。
 最大の失点として記録される慰安婦発言だが「慰安婦を容認していない。新聞、テレビの大誤報」と主張、「(争うなら)マスコミも選挙に出たらいい。わたしは選挙で支持されている」と強弁した。それは「立場を入れ替えて相手を追い込む、逆転の交渉術」だとの解説がされた。大阪府立大学の統合中止を求めて訪れた藤本義一氏(2009年12月)に対しては「改革とりまとめの長をやって欲しい」と煙に巻いた場面が印象的だった。
 4月から橋下氏がタレントとして出演する番組がすでに用意されている(テレビ朝日月曜午後11時15分、朝日放送は火曜日深夜0:30)。引退したとはいえ「大阪維新の会法律政策顧問」の肩書きを持つ彼の発言が政治的に公正だといえるかどうか。テレビ朝日の見解を問いたい。(すみいたかお)

 この記事はしんぶん赤旗 テレビ欄コラム波動 に2月28日掲載されたものです
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