2015年09月08日

日本政府もアメリカの盗聴の対象だった, 秘密保護法+安保法制は日本版「ブッシュ愛国法」だ

 この記事は次の月刊誌に掲載された機関紙協会京滋 隅井孝雄のマスコミ時評34 2015.9.1
 またコミュニティーラジオFm79.7「京都三条ラジオカフェ、の情報ワイド"おはようさんどす"」隅井孝雄のコラム(9月7日)でも取り上げられた。
 
 ウイキリークスの特ダネ
 7月31日インターネット上の内部告発サイト「ウイキリークス」はアメリカ国家安全保障局(NSA)が2007年以降、日本政府の経済、貿易に関連した部署や日銀、企業の盗聴を行っていたという記録を公開した。電話番号は一部伏せられているが報道によると35回線。内閣府の交換台、官房長官秘書官、財務省、経済産業省、日銀のほか、三菱商事や三井物産のエネルギー部門が含まれているという。
 また「ウイキリークス」はNSAが2007年から2009年にかけて作成した機密文書も公表した。これには第一次安倍内閣の温暖化防止対策、世界貿易機関(WTO) の貿易交渉にかんする日本政府の方針、米国からのサクランボ輸入をめぐる日米交渉などが含まれている。

 フランス、ドイツ、ブラジルなども首相、外相を盗聴
 アメリカによる外国への盗聴は「ウイキリークス」によりしばしば明らかにされている。2015年6月フランス政府幹部、7月ブラジル政権幹部、ドイツ外相らへの盗聴スパイ活動が明らかになり、ドイツ、メルケル首相の電話やフランスの歴代首相の言動も米情報機関の盗聴の対象になった。いずれの国も、正式な抗議を行い、メルケル首相は電話で直接オバマ大統領に抗議の意を伝え、ブラジルのルセフ大統領は訪米をキャンセルした。日本は安倍首相が国会の質疑で「事実とすれば遺憾だ」と発言したが、抗議すらしていない。

 アサンジとスノーデンと
 そもそも「ウイキリークス」は政治や企業の内部情報公開することを目的に創設されたインターネット上のサイトだが、投稿者の匿名性が保たれる独特なシステムとして2007年公表された。
 創設者のジュリアン・アサンジはオーストラリア出身だが、スウェーデン滞在中の2010年性的別件逮捕されたのち、ロンドン警視庁に拘禁された。そして保釈中の2012年にエクアドルのロンドン大使館に亡命したまま今に至る。だがウイキリークスの活動は止まることがない。2011年9月、入手した機密政府文書25万通を公開したが、リークは今も続いている。
 一方NSAの通信傍受記録を持ち出して告白を続けているもう一人の人物、元CIA, NSA職員の経歴を持つエドワード・ジョセフ・スノーデンもウイキリークスと連携していると伝えられる。

 愛国者法は2015年6月失効したが
 9.11の直後、ブッシュ大統領によって2001年10月に「愛国者法」(USA Patriot Act)が制定されたことから、令状もなく盗聴を行うことが日常的に可能になった。また国外に対する「外国情報監視法」(FISA、2008年改正)もあり、テロ防御の範囲を無制限に超え「米政府が知りたいことを何でも調べることができる」ことに拡大した。愛国法は2015年6月失効したもののアメリカの外国政府に対する盗聴が止むという保障はない。

 秘密保護法は日本版「愛国法」
 日本では2013年13月、秘密保護法が成立、「国家安全保障会議」が誕生した。秘密保護の機能の一つである「自衛隊、情報保全隊」が実働部隊として存在する。国家秘密を探り、監視する体制がすでに整備されているのだ。現在審議中の安保法案が成立すれば、さらに実効性を増す。
 アメリカのように、日本政府が米軍機密漏洩など口実に情報網を張り巡らせ、国内はもとより海外まで情報収集の対象とする可能性が大きい。日本政府がアメリカに対して毅然と抗議しないことには理由があると私は思う。アメリカ政府による日本政府盗聴は人ごととはいえない。
posted by media watcher at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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