2015年08月22日

「マスコミ懲らしめる」、「沖縄紙売国的」、そして戦争法案強行可決、安保法案にたてつくもの排除する、政府、自民

 以下の記事は機関紙協会京滋支部「宣伝と組織」2015年8月号に掲載された

 言論封殺、自民DNA、半世紀前から
 7月14日、京都放送労働組合が、53年前に制作された幻のテレビドラマの上映会を開いた。「ひとりっ子」(監督家城己代二)、1964年福岡のRKB毎日放送の制作、日曜日午後8時から東芝日曜劇場の単発ドラマ枠で芸術祭参加作品として放送される予定だった。ところが放送直前スポンサーの東芝がこの作品を提供しないとTBSに通告した。
 主人公の高校生(山本圭)が防衛大学に進学するかどうか、青春の進路に悩み、結局「防大へは行かない」と決意する。安保闘争があり、ベトナム反戦運動が勢いを増している時代のはざまで、日本の取るべき道を考えようとした意欲作だった。総理になる前の佐藤栄作通産大臣と料亭で会談中の右翼三浦義一がその場で石坂泰三東芝会長に電話したあと中止が決まった。
 「マスコミを懲らしめるには広告収入がなくなるのがマスコミに一番応える」(大西英男衆院議員)。6月26日、自民党の会合での発言である。さらに、講演した作家の百田尚樹氏は「(マスコミは)反日とか売国とか日本をおとしめる目的の記事が多い。沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と発言した。
 自由民主党のDNAは50年以上綿々と受け継がれている。百田尚樹氏はもともと安倍晋三首相の熱烈な応援団だ。小説「永遠のゼロ」がベストセラーになり、映画もヒットしたことから、”売っ子作家"として自民党はことあるごとに重用している。この作品については早くから作家の冷泉彰彦が批判している。「特攻隊員への畏敬の念を、日本全体が戦ったことへの畏敬の念にしていきたい、という主張は日本を国際的孤立に追いやる。自爆攻撃を作戦として命じた日本軍の行為は肯定できない」。(ニューズウイーク日本版2/7/'15)。また零戦を描いた「風立ちぬ」の宮崎駿監督は「戦争肯定の百田氏と一緒にされたくない」(8/19/’13映画雑誌CUT)と批判した。

 メディアと世論の徹底的抵抗が必要だ
 自衛隊がアメリカ軍の一部となって戦うための一連の戦争準備法案が7月15日、強行採決された。憲法に違反し、認められないという国民の思いは日に日に高まっている。新聞各紙の世論調査では否とする声が圧倒している.(日経56%対22%、6/29、産経57.7%対21.7%、6/29、共同56.7%対29.2%、6/20~21)。これまでになく若者たちの発言、デモ、集会などが目立つ。安倍内閣不支持が支持を上回った。(支持39%、不支持42%、朝日新聞7/11~12).
 「十分説明されていない」と考える国民は84% に達している(共同通信)。「マスコミを懲らしめる」という発言は、安倍首相主導の「戦争への道」に対し世論が逆風となりつつあることへの右派の焦りだ。
 「沖縄の二紙をつぶせ」、「スポンサーに圧力をかけろ」という自民党のメディア抑圧論に対して、「琉球新報」、「沖縄タイムス」二紙は共同抗議声明を紙面に発表した(6月26日)。山形新聞は「言論封殺の暴挙許すな」との社長名での緊急声明を一面に掲載、他に地方紙、ブロック紙26紙が社説や声明を出した。「自民の驕り」(読売、27日)など大手五紙も足並みを揃え、新聞協会、民放連、ジャーナリスト会議、外国特派員協会なども、抗議声明を出した。
 安倍内閣、自民、公明両党は、市民とメディアが足並みを揃えての圧倒的世論表明にまともに答え、安保法制は撤回すべきだ。
posted by media watcher at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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