2015年06月03日

ジャーナリズムの現状、NHK、テレ朝などの政府による取り込みは、民主主義の危機だ。市民討論会の講師に新妻義輔元朝日大阪編集長と、私、隅井孝雄

 以下は、討論会「ジャーナリズムの現状、NHKテレ朝の政府取り込みは民主主義の危機だ」(5月21日、京都、教育文化センター、主催NHKを憂う運動センター主催)での隅井孝雄発言要旨です。

 このところ政府、自民などからの、ニュース報道に対する介入が続き、憂慮すべき事態となっている。京都教育センターで、民主主義の危機を乗り越える手立てはあるのか、討論会が丸太町東大路の、教育文化センター開かれた。講師は新妻義輔さん(元朝日大阪編集局長)と私隅井孝雄だった。元日テレ報道記者、日テレインターナショナル社長という肩書き付きで、話した私の論点(要約)です。

 安部内閣成立以来、メディア対策は系統的組織的に展開されている
 秘密保護法制定、NHK会長に意のまま動かせる人物の送り込み、メディア首脳部と会食懇談、朝日新聞バッシング、そしてテレビ朝日報道ステーションへの干渉、自民党によるテレビ局への事情聴取、などが続いている。
 昨年の衆院選に際して、自民党はテレビキー局に対し、コメンテータの選び方、街頭インタビューの取り上げ方に偏りがあると注文をつけた。
 以前から指摘されていることだが、欧米では放送局免許、監督は政府与党から切り離し、独立した行政委員会に委ねられている。だから日本のように、政府や与党が放送に介入干渉することはない。
市民活動の活発なアメリカでは、公共テレビPBSへの共和党の干渉に対して、市民の電話やインターネットの反撃がPBSへの介入を阻んだこともある。
 イギリスBBCは、アイルランド紛争、イラク戦争などでの政権の干渉をはねのけた。そのイギリスには、VLV(視聴者、リスナーの声)、CPBF(新聞放送の自由委員会)などの強力な市民運動組織が活発で、市民が言論の自由を守っている。
 EUヨーロッパ連合では「報道の自由憲章」を制定、新聞、放送、ジャーナリストは民主主義の基礎だとして、各国政府にメディアや記者の取材の自由を徹底尊重することを求めている。
 日本でも、強力なメディア市民運動組織が必要だ。とりあえず、私たちが拠出する6,500億円で運営されているNHKの会長選出にあたっては、視聴者が候補者を推薦し投票できるよう、公選制にし、候補者の公約をテレビで放送する制度にしてはどうだろうか。またいい記事、番組を推薦し、問題ある記事番組を投稿する活動が活発化すれば、大きな効果を上げるだろう。

 資料1、EU報道の自由憲章
 1. 報道の自由は民主主義社会に欠かせない。報道の自由、政治的、社会的、文化的多様性を守ることは政府の責務である。
 2. 検閲は認められない、すべてのメディアの独立性は守られる、メディア、ジャーナリストを一切の刑罰、抑圧の対象にしてはならない。独立性を妨げる立法は制定してはいけない、新聞、出版、オンラインメディアは政府免許の対象にはならない。
 3. ジャーナリストとメディアの、自由に集まり、情報や意見を広げる権利を侵してはならないし、処罰の対象にしてはならない。
 4. ジャーナリストの情報源は保護される、ニュースルームやジャーナリストのコンピューターを監視し盗聴し、操作して、情報源を特定することは編集内容の秘匿を侵すもので認められない。
 5. すべての国はメディアがあらゆる法律や権威から保護されて、その任務を果たせるよう十分な保障を与えるべきだ。特にジャーナリストや、メディア従業員を精神的、身体的ハラスメントから保護することが求められる
 6. 政府または政府関係機関はメディアの経済的存立を侵す行為を行ってはならない。経済的制裁を加えることは認められない。民営会社のメディアはジャーナリズムとしての自由を尊重しなければならない。会社はジャーナリズムの内容についてコマーシャル的要素をミックスするようなことをしてはならない。
 7.国あるいは国の支配下にある機関はメディアやジャーナリストの情報へのアクセスを妨げてはならない。情報を提供し、ジャーナリストをサポートすることは国あるいは国に関連する機関の義務である。
 8.メディアとジャーナリストは、すべてのニュース、情報源に妨害されることなくアクセスする権利を持つ。それは海外のジャーナリストについても同様である。レポートにあたって海外ジャーナリストはビザ、クレデンシャルその他の必要な許可文書を与えられる。
 9.どの国の市民であっても、国内、海外メディアと情報源に自由にアクセスする権利がある。
 10。政府はジャーナリズムを職業として志望することにいかなる制限も設けてはならない。
 
 資料2、英欧米の視聴者団体
 アメリカ、プロメテウスキャンペーン、1998年誕生、市民グループの周波数免許獲得が目的。(デジタルで空いたLPFM)、労組、教会、消費者、平和などさまざまな市民組織は、2010年周波数免許に成功
 英国、Voice of Listeners and Viewers、1983年誕生、会員1500人、BBCの広告導入拒否がきっかけ、番組監視
 英国 CPBF新聞放送の自由キャンペーン1979年発足、フォークランド紛争、北アイルランド紛争、湾岸戦争、イラク戦争で報道の自由擁護、政府干渉阻止。会員、2000人、労組472、750万人
 ヨーロッパ、EURALVA,全欧リスナー、視聴者会議。1996年ロンドンで結成。デンマーク、フランス、ポルトガル、ドイツ、ハンガリー、ノールウエイ、スペイン、スウェーデンなど、ヨーロッパ報道の自由憲章を守る。





posted by media watcher at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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