2015年03月12日

低下するNHKへの信頼度、収まり見せない会長辞任の声、市民視聴者の意向を反映する制度への転換が必要

 以下の記事は2015年3月5日、赤旗しんぶんラジオテレビ面に掲載された。

 2月20日、京都の「NHKを憂うる会」という市民団体が四条河原町でNHKについてシール投票を行った。NHKニュースは政府に批判的2人、中立公正7人、政府寄り49人という結果だった。これまでに築かれた信頼感が失われつつあるように思える。NHKの会長に籾井勝人氏が就任して1年、公共放送にふさわしい人選だったのかがいまだに問われている。最近でも戦後70年の番組で慰安婦問題をどう取り上げるかを質問された際「政府のスタンスがまだ見えない。放送するかどうかは慎重に考える」と発言(2/5)して批判をうけた。また民主党に年度方針の説明に訪れた(2/18)際、「理事全員に辞表を出させたことの是非」を問われ、議員と怒鳴りあい、会長としての品格が問われた。
 国会や、NHK経営委員会に提出された会長辞任を求める市民からの署名は、「放送を語る会」の集計によると72,388筆にのぼる(2/7現在)。NHKに公正な報道を求める市民グループは秋田、茨城、岐阜、奈良など各地でも新たに生まれ、12都府県、17団体に達した。
 NHKとほぼ似た構造を持つイギリスBBCは、政府との距離を保ち、独立していることで知られている。2016年末に10年期限の特許状が更新されるため、そのあり方をめぐっての論議が始まっている。監督機関であるBBCトラストのローナ・フェアヘッド議長が2月3日、「受信料を払い、BBCの番組を愛する真のオーナーである国民が議論に参加する必要がある」として、広く意見を募集すると発表した。
 NHK経営委員会にあたるBBCトラストは政府から完全に独立、BBC本体の会長選出に政府が関与することはあり得ない。その上でBBCの運営に視聴者が参加する仕組みを拡大しようとしているのだ。また番組監視や市民の意見反映のための「視聴者の声」(VLV)、「新聞と放送の自由を守る市民運動」(CPBF)など全国的な市民組織が1970年代以降活発な行動を展開している。
 日本で望まれるのはNHKの人事や番組への政府の関与をなくすため、独立した委員会機構の元に置くことだ。受信料で支える市民、視聴者の意向を年間方針や番組編成に反映させ参加度を拡大するなど、構造の抜本的な変更も必要とされる。とりあえず、会長や経営委員の選出に受信者が投票権を持つことを検討してはどうか。また市民運動をより強力に展開するためには、イギリスのような全国的なセンターが求められていると思う。(すみいたかお)
posted by media watcher at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
Media watch.gif

隅井孝雄のメディア・ウォッチブログ