2007年05月04日

EMIがコピープロテクションなしで音楽配信、販売に踏み切った

  隅井孝雄のメディアウオッチ No. 0712(通算149)
   EMIがコピープロテクションなしで音楽配信、販売に踏み切った 
   5/04/07 

著作権についての新しい動きが相次いでいる。

イギリス大手音楽会社EMIグループは43アップルAppleと提携しコピー・プロテクションなしでオンラインによって音楽を配信、販売すると発表した。EMIは他の音楽会社と同様に、海賊録画防止のためにオンライン販売の場合電子ロックをかけていたが、今回大きな方針転換を図ったものである。これによってiTunesストアーでコピーガードなしのオンライン音楽を購入した消費者は、iPodはもとより、それ以外のさまざまな機種のプレーヤーで音楽を聴くことができるし、それをコピーすることも自由だ。値段は一曲1ドル29セントとやや高めに設定されているが、アップル社によれば音質はガードがかかっているものより良いということだ。ちなみにコピーがかかっている曲であれば99セント入手できるとアップル社では言っている。さらにアップル社ではEMIアーティストのアルバムも海賊防止のソフトをはずした高音質のものを9ドル99セントで提供する。

このようなイギリス、アメリカの音楽産業の動きは、今のところiTunesEMIに限られているが、デジタル音楽ソフトが海賊防止機能をはずして売るようになる時代の最初のステップだと私は見る。

海賊コピーのプロの手にかかれば、生半可なコピーガードは簡単にはずすことができる。ところが一般の市民にとっては、機種によって聞けない、音楽をCD、テープ、デジタルプレーヤーなど他のメディアに変換したくてもできない、音にゆがみやひずみが出るなど不便なことばかりである。コピーガードのない社のものを買うという消費者心理は同然なことだ。さらにインターネットでの不正コピー防止システムDRMは音楽配信ビジネスの足かせにもなり、普及にブレーキがかかっているという問題もある。

一方同じ43日、EU欧州委員会は音楽各社に対して、居住国以外の地域ウエブからの購入が禁止されているのはEU競争法に違反しているとして、制限を撤廃するよう求める声明を出した。時代は早いピッチで動く。生活に欠かせない音楽を自由に聴ける道はあっという間に開けると思う。音楽業界は著作権の保護のためだというが、これまで業界の権益が優先、著作権を囲い込んできたツケが回ってきていると見るべきだろう。

デジタル時代の著作権は「障壁」を設けて防御するのではなく、自由化して多くの人に音楽を楽しんでもらう環境の中から新しい道を見出すことになるだろう。

レコード会社だけではなくアーティストの中にも、あえてコピーガードをつけないという方針で臨んでいるグループもある。

今回は詳しく説明する余裕はないが、デジタル時代に作品の共有を基本にしながら、国家ではなく個人やグループが個別に権利の度合いを決めていこうというNPO「クリエイティブ・コモンズ」(Creative Commons)

の提案と実践などが広がりをみせていることもあわせて視野に入れたらよいだろう。

posted by media watcher at 09:53| Comment(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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