2014年05月02日

市民の反戦意識高まり見せる、集団的自衛権No. 63%、9条変えない64%、安倍政権は憲法無視、世論無視

 この記事は機関紙協会京滋支部、「宣伝と組織」 506号 2014年5月1日に掲載された

 「集団的自衛権」というわかりにくい言葉が今、日本の政治の焦点になっている。
 日本国憲法では国際紛争の解決に武力を使わないと定めている。ところが安倍内閣はこれまでの方針をがらりと変え、「同盟国など密接な関係がある国が他国に攻撃されたら武力で反撃することが出来る」としようとしている。戦争への道の第一歩を踏み出す意図を持っている。密接な関係がある国とはアメリカのことだ。ベトナム戦争、湾岸戦争、イラン戦争、アフガニスタン戦争等はみなアメリカが引き起こした。同じ事態が起きればアメリカ軍の指揮の下、日本が戦闘に参加し、武器も使うというのが安倍首相の考えだ。しかし最近の世論調査で日本の市民はこの考えには賛成していない。「アメリカと一緒に闘うべきではない71%、一緒に闘って良い16%」(朝日新聞4月4日)というのが市民の意向だ。
 集団的自衛権は憲法第9条違反だというのがこれまでの通説だ。歴代内閣も法務省もその考えを続けて来た。安倍首相は憲法が今のままでも閣議で政府が「合法だ」と解釈すればいいと主張している。これには保守派や、一部官僚のなかにも反発している人々が多い。
 大手メディアの中では読売とサンケイが政府方針容認を表明していて、朝日、毎日などの反対論とはスタンスを異にしている。4月12日NHKスペシャルで「いま集団的自衛権を考える」という特集番組を放送した。安倍政権の政策の是非を問うような報道番組がNHKで放送されるのは珍しいことだ。元法制局長官宮崎礼壹氏が反対の立場で出演したのが興味を引いた。番組の中では安倍内閣が持つナショナリズム(国家主義)と一体化して日本の安全保障を考えるのは、国際緊張を高めることになる、という批判も出された。元防衛官僚でイラクのサマワへの自衛官派遣にたずさわった当事者(柳沢協二、小泉政権官房副長官)が、紛争に巻き込まれず平和国家のイメージを保つことが大切だと発言した。サマワではあくまでもイラク市民を守る治安、給水に徹したことが、中東の人々の心に今も焼き付いている。
 この番組は出演者6人のうち3人が集団的自衛権に賛成だった。安全保障について国民の理解を得たいという政府の思惑が反映されていたともいえなくはない。しかし論議をすればするほど「集団的自衛権」で自衛隊を海外派兵し、武力を行使することは、世界の緊張に油を注ぐことになりかねず、日本にとっても危険であることが浮かび上がってきた。
 番組の冒頭で紹介された調査では集団的自衛権賛成は17%にとどまる。戦争に対して厳しい見方を持っている大多数の市民の声を反映する番組作り、面作りを大手メディアに要望したい。
改めて憲法9条の条文を心に刻もう。
 1. 日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


posted by media watcher at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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