2014年04月02日

NHK内部で孤立する籾井会長、任期全う出来るか疑問視も

以下の記事は「宣伝と組織」 505号、4月号に掲載された

NHKの組織が混乱している。籾井会長や百田経営委員の発言をめぐって、視聴者の間からの批判が絶えない。投書は3万件以上に及ぶ。国会に喚問され、何度も野党の批判の矢面に立った。3月以降NHKの予算審議も始まったため、国会に釘付け、質問攻めの日々は続く。従来は全会一致だったNHK26年度予算も民主、社民、共産、維新、結い、生活が籾井会長の言動を批判し反対した。付帯決議では「役員の言動が国民の批判を浴びている、信頼回復に努めよ、報道は公正に」など注文がついた

NHK理事たちも離反か?
3月17日、日本経済新聞の電子版は「暗転する改革路線、NHK漂流再び」という記事の中で、「NHKの内部でも籾井会長の孤立が始まっている、2014年度の予算成立と引き替えに辞任するとの憶測も出ている」という記事を書いた。
状況証拠として日経があげているのは、理事の辞表提出問題だ。明るみに出たのは、メディアへのリークがあったとの説もある。2月25日、国会は会長と理事全員を参考人に呼び、事実関係を糺した。籾井会長は打ち合わせの席上「内部問題だから」とノーコメントで通すよう求めたが10人全員が会長に反旗、国会で「提出した」と答弁した。
籾井会長は就任以来NHK会長としての業務は全く行っていない。加えて、受信料不払いや銀行引き落としの返上が続出しており、経営に打撃を与える可能性も出て来た。
NHKは2012年(平成24年)10月、政府の要請を受けて受信料の値下げを行った。1契約年額1440円の減額で、震災/原発報道などある中で1106億円に及ぶ収入減を乗り越え、2014年(平成26年)度事業収支は14億5000万円の黒字を計上した。しかし、苦労して増やした受信料が減少すれば、経営は行き詰まる。3000億円必要な放送センターの建て換えの日程も迫っている。事実上のトップ不在でNHKは乗り切れるのか。

NHK会長これまで4人途中辞職、アメリカPBSでも
不祥事で会長が辞任した例はこれまでに4回ある。1976年郵政省からの天下り小野吉郎会長は田中角栄首相のお声掛かりだった。ロッキード事件で逮捕された田中氏をかばい、200万もの辞任署名で辞職した。1988年竹下登首相が送り込んだ財界出身の会長池田芳蔵会長(三井物産出身)は、言論機関にふさわしくない言動が重なり就任9ヶ月で辞任した。その後会長になった島桂次氏(NHK政治部出身)は強引な経営手法と女性スキャンダルで1991年辞任した。そして2005年、従軍慰安婦放送改変問題で事前に安倍晋三氏と会っていたことが明らかになった海老沢勝二会長は、従業員の不祥事が重なり、受信料不払いが激増、辞任した。
アメリカの公共放送PBSでも、同じことがあった。2003年ブッシュ政権は番組が偏向していると言いがかりをつけ、国策放送であるVOAの元会長でブッシュ大統領の友人でもあるケネス・トミルソン氏を送り込んだ。彼は「左翼偏向」番組を一掃しようと張り切ったが、「会長が番組内容に関与してはならない」という倫理規定に反するとして、外部監査委員会から辞任勧告をうけ、PBSを去った。

安倍囲む「四季の会」の談合
日経によれば籾井勝人氏を選んだのは、「四季の会」(安倍晋三氏を囲む財界人の会)の葛西敬之氏(JR東海)、古森重隆氏(富士フイルム)、石原進氏(JR九州)らであったという。会合の場所も港区の料亭「有栖川清水」だったと特定している。
このような談合でNHKのトップが決められているという事態は、日本の政治の腐敗を示すものであり、受信料を支払っている視聴者にとっては、我慢のならないことである。
籾井勝人氏は一刻も早くNHKの会長を辞任すべきだ。


posted by media watcher at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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