2014年03月05日

視聴者からのNHK会長批判広がる、受信料支払い停止も、公共放送の存亡かかる、会長、経営委員の「御用放送」発言続く。

以下の記事は「宣伝と組織」(機関紙協会京滋)2014年3月号に掲載された文章に加筆したものです。

NHKの視聴者センターには電話、メール、投書などが寄せられ2月10日までにその数は15000件を超えた。批判的意見は6割以上、そのうち籾井会長の辞任を求める声が3300件を数えたという。
3月3日には大阪弁護士会の坂口徳雄弁護士、神戸学院大学の上脇博之教授ら弁護士、学者グループによる「NHKのあり方を考える弁護士、研究者の会」が会長の辞任の要求書を提出した。辞任しない場合は一時的に受信料を停止するとしている。また「NHK視聴者コミュニティー」、「放送を語る会」、などの視聴者組織6団体が会長と経営委員二名の罷免要求署名を始めた。ネット上では「Change Org」 が会長らの辞任のネット署名を展開している。

NHKを安倍ジャック。
籾井会長が就任会見で、「政府が右といえば左というわけにはいかない」、「従軍看護婦は他の国にもあった」、「韓国が補償しろといっているが、日韓条約で解決済みだ」などと発言し、内外から批判を浴びたのは1月25日だった。
それに続き2月3日、経営委員の百田尚樹氏が、東京都知事候補の田母神俊雄氏の応援演説で「東京裁判はごまかしだ」、「他の候補はクズだ」などと発言、もうひとりの経営委員長谷川三千子氏も「朝日新聞を脅迫し拳銃自殺した右翼をたたえる文章を書いていた」ことが明るみに出た。二人の経営委員に対する批判も2000件に上っている。この二人の人物はもともと安倍晋三氏の取り巻きで、安倍氏がNHK経営委員に送り込んだ。NHKの前任会長だった松本正之前会長も任期一期で安倍首相が自らの腹心である籾井氏にクビをすげ替えたわけで、さながらNHKは安倍ジャックとでもいうべき異常な状況が続いている。
2月12日には、NHKの意志決定機関である経営委員会の会合で百田、長谷川両氏の発言について話合いが行われ、浜田健一郎経営委員長は「容易ならざる事態、経営委員も自らを律すべきだ」と述べるに至った。

海外メディアからも右傾化批判
この問題は日本国内だけの問題にとどまらない。海外からも「異常事態だ」としてNHKの正常化を求める声が寄せられている。2月2日のアメリカ、「ニューヨークタイムス」は「世界でもっとも権威のあるメディアの一つNHKに対して安倍晋三首相とその支持者たちが、右翼的政策を強要しようとしている」と批判した。またイギリスの「ファイナンシャルタイムス」は「NHKの一連の問題は右傾化に向かう安倍政権の一環として捉えられる」と論評した。アメリカ、ワシントンポスト紙は「籾井会長や、百田経営委員の発言を、なぜ日本政府は明快に非難しようとしないのか」と驚きを伝えている。

NHKワールド、政府のお先棒?
国際放送であるNHKワールドについて、籾井会長は、「領土問題など日本の立場を主張するのは当然だ」(1月25日就任会見)と述べているが、国際的な報道メディアである以上、公正な報道を心がける必要がある。イギリスのBBCはイラク戦争当時、イラクが大量破壊兵器を保有していることを開戦理由に挙げた政府に対し、開戦の根拠はないとの報道を曲げなかった。NHKがもし従軍慰安婦がどこの国にもあったと伝え、第二次大戦中の侵略を正当化すれば、報道そのものが批判対象となり、国際摩擦を引き起こす。戦後史を歪曲する安倍政権にNHKがすり寄るのはゆゆしい事態だ。

NHKのニュースは安倍内閣登場以来、矛先が鈍っているといわれる。しかしNHKの経費のほぼ全額6270億円が国民の負担する受信料でまかなわれる。NHKが国民の知る権利に奉仕する存在であり続けることを強く求めざるを得ない。
posted by media watcher at 12:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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