2014年02月04日

海外メディア、秘密保護法、靖国参拝を相次いで批判、平和主義憲法放棄に警戒感表明

 この記事は「宣伝と組織」503号(2月1日)に掲載された。

 ところ世界のメディアの日本、安倍政権に対する批判が続いている。
昨年12月26日の靖国参拝と、その直前12月5日の秘密保護法強行採決に海外メディアは強い関心を示しているのだ。
 1月21日東京で開かれた外国特派員協会の記者会見では、たとえばシンガポール紙の特派員から「通常の取材活動は処罰されないというが、通常という言葉はあいまいだ」として取材の自由が侵されることを強く批判するなど、出席した森雅子秘密保護法担当相に鋭い質問が相次いだ。

 目的は攻撃力持つ軍隊、そして憲法改正
 秘密保護法については、日本政府は、「秘密保護のシステムは世界の主要国が持っている」などといっている。しかし世界各国のメディアは安倍首相の意図に疑いの目を注いでいる。
 アメリカのニューヨークタイムスは法案の審議が終盤にさしかかった11月28日、「この法案は、日本の戦後の平和主義からの離脱という政治アジェンダの一環だ」とする厳しい論評を掲載した。そして「(秘密保護法)はアメリカ型国家安全保障会議(NSC)との双子の制度だが、安倍首相の意図は、戦争反対をうたう憲法を変え、純粋に防衛のみを目的とするものから、全面的な能力を備えた軍隊を保持する、というところにある」。と解説している。
 こうした考えは秘密保護法成立の3週間後にも表明された。12月26日のニュース記事の見出は「靖国参拝によって日本のリーダーは平和主義からの転換を確認」というゴシック文字が躍った。この日アメリカの日本大使館と国務省は「日本が近隣諸国との関係悪化の行動を取ったことに失望した」との声明を公表したが、同じ日の論評欄では「安倍首相の終局的目的は、アメリカが戦後占領下に作ったといわれる、日本の戦争参加を阻む平和主義の憲法を書き換えることだ」とコメントした。

 英紙、独紙も「国家主義的政策」推進に危機感
 同じような指摘は、アメリカ以外にも世界の主要紙が共通して見られる。12月5日付けのイギリスの新聞「ザ・ガーディアン」は秘密保護法の問題点を詳細に報道した。「安倍首相は自ら発案した国家安全保障会議が機能するためには、秘密保護法が欠かせないと主張した」、「(この法律は)日本の防衛能力を強化しようという安倍首相の保守政策の一環をなすものだ」、「今後三年にわたり、宿願の国家主義的政策を推進するものと見られている」、「日本の軍事能力を完全に防衛にのみ限定している日本国憲法の改定が、安倍首相の目的だ」。
 靖国参拝を報じたドイツの「デア・シュピーゲル」(1月17日)は「軍国主義の系譜、古い火種に再び火を付ける日本の首相」という見出しを付けた。記事の中で「彼が嫌悪するものは、平和憲法、戦後民主教育、(日本がアジアを侵略した)という歴史認識だ」。

 国際世論に耳傾ける必要
 日本のメディア報道では「言論、報道の自由が侵害される」ということが主に論じられた。しかし平和憲法を改訂する第一歩として「秘密保護法」の制定が行われたという指摘は少なかった。
世界では、安倍首相が「第二次大戦の歴史を書き換え、戦時中の中国、朝鮮への侵略を認めようとはしない」ことを批判している。そして平和憲法を変えて、軍事力を強化、攻撃力を持った軍隊を海外に送ろうとしていることに強い警戒感を持っている。
 私たちはそうした国際世論に耳を傾ける必要があるのではないか。
posted by media watcher at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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