2013年04月30日

「アイアンマン3」中国ヴァージョン? 一部改作、ハリウッド容認

 4月下旬全世界で公開されたハリウッド映画「Iron Man 3」(アイアンマン3)だが、中国ではやや異なったヴァージョンが上映された。特徴は他国上映にはないファン・ビンビンという美女が登場している、観客が喜びそうな中国の景色の長いクリップなどが挿入されるなど一部修正が施されていることである。
 この映画はアメリカのヒーローたちが揃って出演した「アヴェンジャー」の主人公の1人「Iron Man」がテロリスト「マンダリン」の攻撃を受け、最後の戦いに望む、という究極のスーパーヒーロー映画だ。
 このところ爆発的に伸びる中国映画産業の存在を無視できず、こうした作品も次々と"中国ヴァージョン"を制作し始めている。特に最近の中国政治指導部が、暴力表現、セックス表現に厳しいことから、中国版で検閲をくぐり抜けるためにも、内容を手直ししているのだという。AP通信によると、ジェームスボンドの「Sky fall」はマカオでの売春取引の部分が検閲で一部削除、「World War Z」では中国からやってきたゾンビが世界の終わるような恐ろしい疫病を振りまくシーンはカットされた。
 アメリカ映画協会(MPAA)は映画を上映する国に合わせて多少手直しすることは許される範囲内だ、といっている。

 中国国内には12000の映画館があり、共産党中央の指導下にある検閲スタッフはおよそ40人。Quentin Tarantinoの「Django, Unchained」(ジャンゴ)は、上映直前、暴力シーンが過剰だとして中止された。中国マーケットから閉め出されたこの映画は経済的に大きな打撃を受けた。
 ちなみに中国の映画興行収入2012年は日本を抜いてアメリカに次ぐ世界第二位2416億円を稼ぎ出している。(アメリカ12年、108億ドル、約9700億円、日本1952億円)。
 アメリカと中国は、昨年当時副主席だった習近平首席が訪米、映画に関するWTO貿易協定で合意した。それによるとそれまで中国は年間のアメリカ映画輸入本数を20本から34本に増やすことで合意した。
ハリウッドにとっては中国との友好関係を保つことはビジネス上から大変重要であると見られる。
 マサチューセッツ大学、Amherst校のFrank Couvares教授によると30年代、40年代はアフリカのフランス領が厳しい状況にあるとして描く映画にフランスが反発、また植民地主義的だと描かれることをイギリスが嫌う、などの反応が多く見られたという。しかしいまや経済成長著しい中国に対してのハリウッドは著しい譲歩を重ねているようだ。
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posted by media watcher at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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