2013年03月28日

鬼才の画家、演出家、千住博についての情報満載、芸術的感興には至らなかった、「千住博の疾走!NY発・日本画の新たな地平」3月16日テレビ東京


ニューヨークを舞台に世界で活躍する日本画家、演出家千住博を描くドキュメンタリー。大いなる期待で見た。情報満載だが芸術的感興を呼び起こすには至らなかった。日本で上演される舞台、カミカゼの舞台演出で重要なラストシーンに登場する三春の滝桜と、10メートルの高さに引き延ばしてビルの大画面を飾るはずのソメイヨシノの二枚の原画を、ニューヨーク郊外のアトリエで描くシーンからから始まる。わくわくするような後継だ。これがどのように結実するのか、その過程と結果に興味を持った。
しかし番組は直島のインスタレーション、軽井沢の千住博美術館、千住が使う筆や絵の具、和紙などの紹介、オペラ夕鶴、ゲスト江崎玲於奈など著名人との交流、京都造形芸術大の卒業式・・・・あまりにも多彩な彼の芸術行動が次々と描かれる。滝桜の壮大なフィナーレは付け足しになってしまった。おそらく、終戦時の特攻の悲劇と、福島の滝桜を取り巻く大震災の悲劇が重なっていると思うのだが、番組ではそのことにふれない。またビルの壁面を飾る前に多くの「普通の人たちが筆を加える」思いがけない制作手法、それに至る芸術意識の内面も知りたかった。
めまぐるしく展開しあれもこれも千住博のすべてを詰め込もうとしたこのドキュメンタリーは、番組の芯とも言うべき部分を失ったまま無機的に展開された。残念と言うほかはない。しかしそれでも千住博という人物の大きなスケールを観客は知ることが出来た。芸術的感覚を与えるよりは、情報番組という作りであった。
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posted by media watcher at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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