2011年02月14日

エジプトのネットヒーロー、ワエル・ゴニーム  米報道番組60ミニッツに出演、「ネット切断はムバラクの誤算だった!」

隅井孝雄のメディア・ウオッチ No. 11-02 (通算198)
 2011.2.14

エジプトのネットヒーロー、ワエル・ゴニーム
 米報道番組60ミニッツに出演、「ネット切断はムバラクの誤算だった!」

アメリカのCBSテレビが昨夜2月13日日曜日夜(日本時間今日2月14日朝)放送の報道番組60ミニッツ(60 Minutes)で、今回のエジプト政変のヒーローとみられている30歳の若者ワエル・ゴニーム(Wael Ghonim)のインタビューを放送した。
ゴニームはエジプトグーグルの幹部社員。CBSテレビによると親友のカルード・サイード(Khald Said)が治安警察に路上で殺害されたことから、フェイスブックに追悼のページを立ち上げたことが今回の大規模デモのきっかけになったという。サイドが殺された現場の模様や彼の写真を掲載、警察への抗議のデモをネット上で呼びかけ、その映像も流した。ゴニームのフェイスブックへのアクセスは急速に広がり50万人にもなったという。このサイトに反ムバラクデモの行われる場所や時間などを掲載、タハリール広場のデモはあっという間に膨れ上がったという。彼自身はネットで大衆を扇動したという理由で1月中旬治安警察に逮捕され、目隠しされたまま拘留が続いてという。
ゴニームは12日間拘留された後、釈放された。その足で人気局Dream TVのテレビ番組に出演、友人の死について聞かれるとカメラの前で号泣しながら政権への抗議を語った。この番組はエジプト全土で放送されたことは言うまでもないが、衛星電波にも乗ってアラブ全域に広がり一躍ムバラク体制への抵抗のシンボルとなった。
CBSのアンカー、ハリー・スミス(Harry Smith)になぜ君は釈放されたのかと問われたゴニームは、ジョーク混じりに「 (ムバラクの早期辞任を要求した) オバマ大統領のせいかもしれない」と答えた。また番組の中で政権側がフェイスブックなど一連のネットメディアを遮断したことについて「インターネットを非常に恐れていることをエジプト国民に見せたという意味でムバラクは大きな間違えを犯した」と語った。
エジプトテレコムがネット接続を切断したのは1月28日午後10時12分。その後10時30分までに政府命令によってイギリスVodafone、フランステレコムなどが相次いでネット接続を切った。比較的ネット回線が普及しているエジプトにはLink Egypt, Internet Egypt, RAI, Etisalatなど国内系あるいは外国系のプロバイダー80社がひしめいているが、それがすべてサービスを停止した。
回復したのは2月2日。まず証券取引所、アメリカ大使館などが午前9時30分ごろつながった。午後1時30分ごろからはGoogle, Face Book, Twitterなどのアクセスが可能になった。エジプトのインターネット利用者は政府統計によると6550万人、普及率21%。フェイスブック普及率5.1%。アフリカ、中東諸地域の中では比較的高い普及率を示しているとえいよう。人口(8300万人)に占める若い世代が3分の2に達しているという事情もある。
もともとエジプトでは政府の言論規制が厳しく、国営放送や新聞の信頼度は極めて低い。民衆の間には口コミの地下ネットワークが発達、ネットとの連動がきわめて効果的に機能していたとみられる。ネットが切れた後は口コミが最大限機能を発揮し、また直接動きを確かめようと人々が広場に集まったことから、群衆が膨れ上がった見られる。
posted by media watcher at 19:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 隅井孝雄のメディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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