2009.6.21
揺れるNHKその1 台湾植民地化の歴史認識が争点、抗議の嵐吹き荒れる
NHKが揺れている。きっかけはNHKが始めた「Japanデビュー」の第一回として放送された「NHKスペシャル、アジアの一等国」(4月5日放送)。台湾を植民地にし、皇民化政策を推し進めたことがテーマだった。この番組に対してNHKの自虐史観だ、売国放送だとの批判の大合唱が起きているのだ。
毎日新聞によると6月11日、この番組が偏向しているなどとして、自民党国会議員有志が「公共放送のあり方を考える議員の会」を開いたという。設立総会には安倍晋三、中川昭一氏ら60人が出席した。「歴史教育を考える議員の会」(会長中山成彬氏)もNHKに質問書を出した、と報道している。事実なら、またか、といいたい。
スカパーにある日本文化チャンネル桜(219)ではNHKの偏向問題として、ニュースで大々的に取り上げ、桜井よし子さんの講演なども録画中継している。そして番組やホームページでNHKの抗議する国民大運動を6月27日に全国展開すると呼びかけている。ちなみに「チャンネル桜は」日本人の心を取り戻すチャンネルだと説明されている。ニュースワイドが中心だが、番組の中には「田母神塾」(月曜)、「自衛隊スペシャル」(土)「防人の道、今日の自衛隊」(月金)などがある。一日4時間の放送だ。
6月12日に公表された5月度のNHK経営委員会では小林英明委員(弁護士)から「放送法上問題になる部分がある」との発言があった。経営委員会で番組の是非が論じられることは極めて異例だ。
このような状況の中で6月17日NHKはこの番組のホームページに批判への反論を掲載した。アドレスは次の通り。http://www.nhk.or.jp/japan/pdf/asia.pdf 一読されたい。ところでこれに追い打ちをかけるように6月13日NHKがニュース7で放送した満蒙開拓団のニュースにも抗議が殺到している。このニュースは羽田澄子監督が制作した「嗚呼満蒙開拓団」という映画の試写が岩波ホールで行われたという単純なニュースだ。映画そのものは羽田監督が満蒙開拓団の生き残りの人々にインタビューを重ねた記録である。抗議の多くは、「開拓団の数十万の犠牲は、八路軍とソ連軍のせいだ」というやや見当違いなもののようだ。 従軍慰安婦を扱った2001年のETV特集改変問題の余燼はくすぶったままだ。今回の抗議の嵐をどのようにNHKは乗り切るのだろうか。
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