アメリカ新聞協会(NAA)がニューヨークタイムスに意見広告
新聞は元気だ?????? 七つの疑問に答える
私のフログでアメリカの新聞危機が続いていると何回か書いたが、最近ニューヨークタイムス紙上に、アメリカ新聞協会の全面広告がのった。
掲載されたのは5月22日付の「ニューヨークタイムス」。その全国ニュースページの20ページ目だ。一連の新聞危機報道に対して、新聞協会(NAA)のジョン・F・スターン会長が「新聞についてのリアリティ―」と題して反論している。
「ここ2年来かつてない経済的困難に直面、さらにアメリカ経済のメルトダウンで広告不況という打撃を受けた。しかし印刷であろうとデジタルであろうと新聞メディアはしっかりとした基盤を持っている。さらにマルチメディアプラットフォーム力でさらに強さを持つメディアになる」、と述べた後、7項目の質問に答えている。
「読まれていないのでは」に対しては、読者は毎日1億400万(日曜1億1500万)、スパーボウル(9400万)よりも、アメリカンアイドル(2300万)よりも、テレビニュース(6500万)よりも多い数字だ、と反論する。
「若者が読んでいないのでは?」、1週間に若い世代(16歳から34歳)の65%が新聞を見るか新聞のウエッブサイトを訪れている、「読者が減っているのでは?」、2007から2008の落ち込みは1.8% に止まる、2004年比較でテレビ視聴者は10%減ったが新聞は7%だ。新聞のウエッブ読者は2004年比で75%増えて、月間ビジターは7300万人に達した、と数字を上げて健在ぶりを強調している。
「新聞事業はなりたたないのでは」という意見に対しては、いやそんなことはない、以前より落ちたとはいえ経営基盤は健全だという、「ジャーナリズムレビュー」誌の記事を援用した。広告についてはグーグルの調査データーを使って、新聞を見て商品を購入する人は56%に達すると紹介、また新聞広告はデーターベース・マーケッティング、行動ターゲティングなど新しい広告の開発を行い、これまでになかった、スキャン広告。蛍光広告などなど、新広告手法も次々に生みだしていると自賛している。
締めくくりは「新聞がなくなったら?」。ここでは新聞が様々なメディアのニュースソースになっているし、ブロッグやテレビと比較し記事の深さや広さは他の追従を許さない、決して他のメディアは新聞にとって代わるものではないと説明した。
新聞は変化しつつあり、あらゆるメディアを統合した情報手段であり、広告手段だというのが結論。
この広告は新聞がネットを取り込んで領域を拡大しつつあるという趣旨のように聞こえるが、配達される紙の新聞としての命運についてはほとんど語っていない。
NAAの調べによると2009年の第1四半期の広告収入の落ち込みは前年同期比−29.7%に達し収入は59億j(07年同期98.4億ドル)に止まったということだ。まるで自動車産業並みの落ち込みである。注目されるのはこれまで増勢を続けてきたインターネットからの広告収入も、2008年4月以降減りはじめ、09年第1四半期では前期比−13.4%、6 億9000万jに止まった。
新聞は依然としてジャーナリズムの雄であり、基幹的メディアだと私は思う。新聞がなくなればテレビやインターネットも基本的情報ソースを失うことになる。新聞を核としてジャーナリズムが健全さを保つということは民主主義社会にとって欠かせないものだ。
世界的経済不況の波を受ける新聞産業は、苦闘の中で活路を切り開いてほしいと思うが、今のところその決め手は見つかっていないのが現実だ。

