2009.3.27 危ういインターネット情報源、ウエブ上のネタサイト、バンキシャ事件で明るみに
応募ネットサイトが情報源だった
日本テレビ「真相報道バンキシャ」の偽造証言事件が新たな展開となった。
この事件は番組内で発言した「岐阜県庁に裏金」という証言が真っ赤なウソだったというもので、出演した蒲保広容疑者は偽計業務妨害で岐阜県警に逮捕された。
日本テレビの調査によると蒲保広容疑者はインターネットサイトで番組に応募し、2005年3月にもバイアグラの体験者として「バンキシャ」に出演しているという。今回は謝礼を出していないが、2005年には一万円と交通費を得ている。この経緯は3月24日の番組審議会で報告された。一方日本テレビだけではなく、テレビ朝日も2005年にスーパーモーニングに2回出演、一万円の謝礼を受け取っていると公表した。
どうやらインターネットによるネタ提供の常連らしい。
今回の場合、蒲容疑者に謝礼は払われていないというのが日本テレビの説明だが、通常ネタサイトに対してテレビ局が情報募集料として一件3万円程度支払うことが慣行となっている。番記者がどのネタサイトに接触したのか、どのような形で支払いをしているかどうかも明らかにする必要があるだろう。またインチキネタが報道、情報番組で流されている可能性もあり、民放連として調査するとともにインターネット情報源利用基準の確立も望まれる。
隆盛極めるネタサイト
民放テレビには数多くの報道番組、情報番組が林立しているが、多くの番組がインターネット経由で情報を収集しており、テレビ局相手のいわゆる「ネタサイト」が隆盛を極めている。
もともとは「情報をお寄せください」という形で番組が直接視聴者にメール情報を送ってもらうルートをネット上に開くというのが定番だ。たとえばTBS「サンデーモーニング」の場合ホームページの中に「ご意見&ネタ募集」という案内があり、視聴者がメールで情報を寄せてくれば、早速接触し、取材、裏付けを行って番組に取り上げる仕組みだ。
しかし2005年頃からこうした情報提供がインターネット上のビジネスとなった。会員が20万人いるとうたう最大手のメディアパークの場合、サイトを開くとテレビ局や雑誌社が募集をかけているネタの一覧が締切日順にずらりと並んで出てくる。いわく「壮絶浮気バトル体験者」、「防犯プロ伝授します」、「カーネルサンダースが道頓堀川に沈んだ日目撃者」、「給与明細を見せていただける方」、「東京で派遣切りにあわれた方」・・・・。そして募集掲載料3万円と明記してある。
https://user.mediapark.jp/visitor/static/gEvent/service
アメリカでは、HARPOの場合
この手の情報提供はSNSなど情報交換サイトが盛んなアメリカが先輩格だ。ヘルプ・ア・レポーターズ・アウトHarpoは一種のメーリングリストで、会員登録をするのだが、日本の場合とは違い一切無料だ。私もフリージャーナリストとして登録しているが、調べたい項目を入力すると、関連する情報を会員から集めてメールしてくる。日本との最も大きい違いはあくまでの個人の記者をサポートするという考え方に基づいたウェッブ運営であることだ。このサイトの運営責任者はPRコンサルタントのピーター・シャンクマン。もともとはSNS情報交換ページとしてスタートしたが、メディアからの要望が多く、専門ページとした。財源はウエブページに掲載する広告収入である。登録者は5万人に上る。
このようなレポーター向け専門サイトのほか、SNSやブログにもメディアへの情報提供を目的としたものが多数あり、メディアの側でも専門的にウエブ・ウォッチ体制をとっている。APでは重要な情報をウエブ上で見つけると、ウエブアラートをメディアに向けて発信するのが慣例となっているほどだ。編集局内でブザーが鳴り、赤ランプが点滅し、記者が一斉に取材に走る。ドラッジ・レポートが報じたモニカ・ルインスキー事件の発端がそうだった。
アメリカではデーターベースで情報を探すだけだと、情報源に偏りが出るため、複数のメディアに同じ人物のコメントが出ることがよくある。広く一般の市民からの情報提供を主体としたHARPOが重宝される理由の一端もそこにある。
こうした新しい形での情報ソースについてアメリカでは情報源に直接当たりなおして正確性を期すことが当たり前にとなっているが、インターネット情報の扱いについて何らかのガイドラインが必要だという声も最近とみに強まっているという。
日本の場合個人情報保護法が施行された2005年以降、インターネット情報に頼る取材が増えたといわれている。最初はもっぱらワイドショー、情報番組だったが、最近では正規軍である、ニュース報道、報道番組でも無視できない情報源ともなっている。さらに朝日新聞など大手新聞メディアも活用するようになった。
今回の日本テレビ偽造証言事件の経験を踏まえ、インターネット取材源利用のガイドラインを早急に策定することが必要だと私は思う、


ICU四期生・ささきのぶひこ です.
JPCニュースレターで、お名前を拝見し、メールしています.
この記事に関して、コメントさせていただきます.
「危ういインターネット情報源」
この記事の事件は、「情報の裏づけを取らなかった、安易な話題主義に走った」ことが、本質であると思われます.
「裏づけ」を取らない、これは報道の責任です.
最近の民主党小沢代表関係での、検察のリーク. リークにより踊らされる報道.
この姿は、正しいでしょうか?
政治と金について言えば、この摘発は、何年も前におこなわれるべきでした.
企業献金の別の形、パーティ券についても同様です.
今回、「検察の後ろの力」が動いたのかどうか? おそらく動いたのでしょう.(推察として、そういうことが可能です)
このような仕組みを、推察ではなく、明るみに出すことが、報道の役割だと思います.
よろしければ、またメールを差し上げます.
ささき