2009.3.19
紙からネットへ転換、新聞業界が注目
「シアトルインテリジェンサー」新聞発刊を停止、WEB新聞に全面移行
先日のブログで、「アメリカでは新聞が果たして紙という媒体のまま生き残れるのか、それとも電子媒体への転身を図ることになるのか、その行き先はまだ定まってはいない」、と書いた。
ところが3月17日、シアトルポストインテリジェンサー(シアトルPI)という名門紙が、新聞発行を停止し、インターネットに全面移行することになった。
シアトルPI紙はシアトルの人口が150人にすぎなかった南北戦争のころ発刊され146年の歴史を持つ名門紙で、ハーストグループの傘下にあった。地元ではPI(ピー・アイ)という愛称で親しまれてきた。シアトルPIのデイヴィッド・マカンバー編集長はインタビューに答えて「紙の新聞は発行しないがインターネット上のWEB新聞に転換する。価値がなくなるということではない」、と語った。
シアトルPIの親会社であるハーストグループはもとより全米の新聞経営者がこの実験的試みに注目している。新しいビジネスモデルとして軌道に乗るかどうかが問われているからだ。
シアトルPIは記者、従業員を165人削減しで20人のスタッフで再出発する。自前の記事もあるがコメンタリー、アドバイス、他のニュースサイトのリンクが大幅に増える。また元市長、元警察長官、元公立学校長などをウエッブサイトのコラムニストとして新たに契約、ふんだんに地元の記事を盛り込むという。
これまで5年間シアトルPIのウエブサイトのエディターだったマイケル・ニコロシーが新しい編集長に就任した。
シアトルにはシアトルタイムスとシアトルPIの二紙があったが、印刷やマーケティングをシアトルPI共同で行ってきたシアトルタイムスはパートナーを失って厳しい状況に立たされることになった。またアメリカ北西部一帯でウエッブニュースを展開しているシアトル本拠の非営利サイトCrosscut.comも新しい競争に立たされることになった。
シアトルPIは2000年以降赤字が続き、2008年には1400万jの赤字を計上、ハーストグループ本社が買い手を探していたが見つからず、今回の停刊に至ったものである。
このニュースを報じたABCテレビは「株価が連日上昇に転じている中、新聞産業の危機のニュースだけは止まらない」とコメントしている。
日本の新聞経営はまだ安泰とみられている。それは宅配制度や再販価格維持制度に守られてのことだが、新聞が読まれなくなっていることは事実だ。特に若い世代はほとんど読まない。早晩新しいビジネスモデルに転換する必要に迫られるのではないか。
参考
シアトルPIのウエッブサイト
http://www.seattlepi.com/
NYTの記事
http://www.nytimes.com/2009/03/17/business/media/17paper.html?th&emc=th
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