2008.11.9
BBCまたもスキャンダル、ラジオ人気司会者の度を越したわいせつトーク
イギリスで若者の間に最も人気あるBBCラジオ2で問題が起きた。スターパーソナリティーのジョナサン・ロスと司会のラッセル・ブランドがスキャンダルを起こして降板、BBCの信頼が大きく揺らぐこととなった。
ジョナサン・ロスは10月18日放送のラッセル・ブランドショーの中で著名な映画俳優コメディアン、アンドリュー・サックスに電話したが、留守電だったためふざけ半分に「あんたの孫と寝たんだ」とメッセージを残した。そして二人のラップ調の掛け合いで、アンドリューの孫でモデルのジョージナ・ペイリーさんと肉体関係があったと取れるしゃべりをしたのだ。
明らかに放送倫理に違反する行為であり、視聴者からは2万7000件の非難の電話がかかった。ゴードン・ブラウン首相も「BBCは一体どうなっているのか、誠に遺憾な事態だ」と表明した。
BBCの倫理コードによると、これは放送での公の謝罪と25万ポンド(約42万ドル)の罰金の対象になる。
BBCトンプソン会長は10月30日ジョナサン・ロスをすべてのBBC出演番組から12週間出演停止とする措置をとった。さらにBBCラジオ2の役員で番組部門の責任者でもあるレズリー・ダグラス氏が引責辞職した。ダグラス氏はラジオ2の人気をここまで高めた牽引役であった。
ジョナサン・ロスの人気は抜群に高かったが、BBCがこのラジオ番組ほかテレビ出演をなどに対して1800万ポンド(3600万j、三年契約)に及ぶ超高額の出演契約をしていることはかねてから批判の対象になっていた。BBC関係者によればこれはBBCの職員1000人分に当たるという。
この番組は生ではなく、事前録音番組であったにもかかわらず、少女とのセックスをあからさまに公言するような放送が出てしまったことは、番組チェックに大きな穴があったことを意味している。視聴者代表で構成される監督機構BBCトラストはBBCに失望したという見解を表明している。
1970年代から80年代BBC2はイージーリスニングで人気を博したが、90年代半ば以降、やや過激ともいえるパーソナリティーを次々に起用、若者たちに大受けするラジオとしての評判を確立した。
BBCは1年前ケイタイと連動したテレビクイズ番組で、あらかじめ仕組まれた正解者、しかも制作関係者を当選者と偽って放映して批判を浴び、放送倫理順守を約束していた。
今回の問題はBBCが民放との視聴率競争に走って公共性を放棄しているという批判に油を注いだ。確かに今回の事件はいきすぎだとしても、そのために若者の心をとらえているBBC2ラジオが委縮してしまうのもまた問題である。
大衆文化としてのラジオ番組、テレビ番組のあり方について、あるいはこれまでとかく堅いとみられていたBBCのこれからのあり方についてイギリスがどのような答えを出すかが注目される。
注
ジョナサン・ロス
BBCラジオ2のほかBBCテレビの「トゥナイト・ウイズ・ジョナサン・ロス」、「イッツオンリーTV」など何本もの番組を持つ放送界最大の人気タレント。「ラジオ一の実力者」賞も受賞、軽妙なトークと博識で人気を博している。
日本通としても知られ、黒澤明、小津安二郎、大島渚、宮崎駿などをイギリスで消化する大ファン。しばしば日本にも訪れている一方日本のサブカルチャーを取り上げるJapanoramaという番組も持っている。BBCとは3年間1800万ポンド(3600万ドル)の契約を結んでいるが、民放各社がなんとかスカウトしようと狙っている。
BBCのステートメント
http://www.bbc.co.uk/pressoffice/pressreleases/stories/2008/10_october/30/statement2.shtml
問題になった番組で交わされた電話YouTubeより

