2020年03月21日

ビル・ゲイツ引退3/13、コロナウイルス対策に当面1億ドル拠出

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 ビル・ゲイツがマイクロソフト取締役を退き完全引退、今後は慈善活動に専念するというニュースが入った。また同時にワクチンの作成など、ウイルス対策に1億ドル(100億円)拠出したとブルームバーグ通信(3/19)が伝えた。
 私がアメリカのNTVインターナショナルを創設する仕事で、ニューヨークに行ったのは1986年。マイクロソフトが創設され、最初のWindowsが発売された一年後であった。
 私にとっても懐かしい80年代〜90年代に始まった、デジタル化時代の「ファースト・ランナー」であったといえるだろう。デジタル・ハイウエイ時代の先頭に立ち、道を切り開いてきた人物であることを、改めて思い起こした。
 私は13年にわたるニューヨーク在勤時代に、デジタル化時代初期の洗礼をたっぷり受けた。折から日本ではテレビのデジタル化に向けての取り組みが進行していたので、ビル・ゲイツの発言、動きには、さまざま触発された。 
 80過ぎた今でもかろうじてパソコンで作業ができるのも、80年代から90年代の終わりにかけてアメリカにいたせいだろうと思う。ビル・ゲイツは身近な存在であった。彼のおかげで「デジタル時代」の幕開けに立ち会えたことに感謝!
感染症対策に巨費、ワクチン、抗ウイルス剤の開発普及に積極協力
 ビル・ゲイツの資産は2017年の時点で推定860億ドル、世界一位の資産家である。2008年「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を創設、事実上慈善活動に傾注、貧困と飢餓の克服、感染症の絶滅などに巨額な寄付活動を注いでいる。
1912年ライオンズ財団と提携して、はしか撲滅に乗り出し、世界1億5,000万人のこどもに予防接種支援を行った。アフリカを対象にした汲み取り式トイレの支援を行い、コレラなど伝染病の除去作業を行っている。また20年にわたるポリオワクチンの開発普及にも貢献した。こうした医療関連への資金投入は100億ドルに達するという(1/18/19WSJ)
 新型コロナウイルスの対策にも大金を投じ、ワクチンの作成に尽力している。ビル&メリンダ財団は、「ワクチンと予防接種のための世界同盟」の一員であり、感染症対策のプロフェッショナルとして当面1億ドル(109億円)を拠出した。(東洋経済3/13)
ビル・ゲイツは「ワクチンを手にするためには10数カ月以上、数10億ドルが必要だ。6月初めにも大規模実験が行えるよう準備している、抗ウイルス剤は特定できれば、数週間以内に大規模臨床試験を実施できる」と語っている。
 日本の起業家で彼ほど大掛かりな社会貢献を恒常的に行う企業家を聞かないのは、残念なことだ。

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2020年03月18日

コロナ首相会見、2/29、3/14両日ともに短時間。記者たちの不満募る

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 コロナ首相会見、2/29、3/14両日ともに短時間。記者たちの不満募る
 コロナウイルス感染が広がり続けているさ中、3月14日安倍首相はコロナ特措法の成立を受けて2度目の記者会見を行った。前回(2/29)の会見がわずか34分で打ち切られたことを批判されたが、今回は18分増えて52分になった。進行役の長谷川栄一(内閣広報官)が約44分で会見を打ち切ろうとしたが、「これで記者会見と呼べるか」、「質問まだあり」など記者の声が飛び、会場は騒然とした。
結局安倍首相の「まあいいじゃないか」という一言もあり、最終的に12人が質問した(前回、質問記者は5人にとどまった)。しかし、首相が会見場を後にした時にも会見を続けるよう求める記者の声は相次いだ。
 今回の首相記者会見にあたっては、事前に官邸記者クラブの幹事社、東京新聞と共同通信が官邸報道室に対し、十分な時間を取り、多くの質問に答える要望していた。しかし、実際には多くの質問に答えることなく、今回も手を挙げる記者たちを残して、事実上の打ち切りだったといえる。
 なお、NHKはこの記者会見の中継したたが、途中で中継を打ち切った。その直後に長谷川報道室長が会見を打ち切りしようとした。このことから、NHKと長谷川室長の間で、事前に会見時間について密約があったのではないかとみられる。
2月29日、新型コロナウイルスへの政府の対応に関する安倍晋三首相の記者会見は突然の休校要請だったが、記者会見の時間はわずか34分。「まだ質問があります」という声を司会の長谷川栄一内閣広報官は無視して会見は打ち切られた。安倍首相は自宅へ。
「まだ質問があります」と声を挙げたジャーナリストの江川紹子氏は、以下の文面のツイッターを連続投稿した。
「安倍首相の記者会見、一生懸命「まだ聞きたいことがあります」と訴えたけど、事前に指名されて質問も提出していたらしい大手メディアの記者に対して、用意されていた原稿読んで終わりでした。」(江川紹子)
「専門家会議では議論してない全国一斉休校要請について、他の専門家に相談したのか、今回の判断した根拠やエビデンスは何か、それに伴う弊害やリスクとの検討はどのようにやったのか、期待される効果や獲得目標は何か…その他いろいろ聞きたいことはあったんだけど」(江川紹子)




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改正特措法成立でNHKが指定公共機関に、民放も規制ありうると副内閣相、のち撤回

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 3月13日改正新型インフルエンザ等対策特別措置法が成立した。その第二条に「日本放送協会その他の公共機関、および医療、医薬品、輸送、通信など公益事業(一部省略)の法人で政令の定めるもの」、三十三条に「指定公共機関に、必要な指示をすることができる」という条項がある。これに関連する衆議院法務委員会で、3月11日、宮下一郎内閣府副大臣は次のように発言した。
 「(NHKはもとよりだが)民放を指定して今この情報を流してもらわないと困る、と指示を出す、そして放送内容について変更、差し替えをしてもらうことはありうる」。
 野党の側は“言論統制だ”と政府・与党を追及、13日の衆院法務委員会で宮下氏自身が11日の法務委員会答弁を撤回、謝罪した。さらに同じ13日の法務委で西村康稔経済再生相が「NHKや民放への放送内容に対する総合調整や指示は、放送法により行うことはできない」と答弁している。
 しかし内閣官房室の感染症対策調整室は3/6ツイッターでテレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」を名指しして批判を投稿、首相自身「正しい情報発信をお願いするのは当然だ」(3/10朝日、毎日)と語っている。また同じ番組でマスク不足に対する国の対応のまずさを指摘され(3/4)、厚生労働省も反論をツイッターしている(3/5)。
 NHKはどうか? 特措法に指定公共機関として明記されている。首相や都道府県知事の指揮のもとにある「対策本部」は“総合調整”や“必要な指示”する権限を持っている。
 NHKの「インフルエンザ等対策業務計画」(2014年3月)では、「困難な事情や正当な理由がなければ、これに応じる」と明記されている(週刊金曜日3/20号)。
この姿勢だとNHKが政府機関の一部となることが憂慮される。
 
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2020年03月13日

ペギー・リー ミュージックナウ コミュニティーラジオの音楽番組、Music Now 2020.3.11 水曜日

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 ペギー・リー ミュージックナウ Music Now 2020.3.11 水曜日
 コミュニティ放送の音楽番組、今回(3/11)の放送はソフトな歌声で知られるペギー・リーPeggy Leeです。
1920年アメリカ、ノースダコタ生まれ。田舎町、貧しい家の育ちだったがその頃実用化が始まったラジオ放送に夢中になった。アメリカで商業放送をウエスティングハウスがラジオを始めたばかり。KOVOという地元のラジオを聞いていたが、まもなく自分の番組を持ち、ラジオから彼女の声が流れるようになった。局がくれた給与はお弁当というのどかな時代。ペギーはいくつかのローカル局を掛け持ちした。
(ラジオ放送は彼女が生まれた年1920年に始まった。最初のラジオ局はペンシルバニアのKDKA、最初の放送は第29代ウォレン・ハーディングの当選を伝えるものだった)。
 幸運だったのは、ベニー・グッドマンと知り合い、1941年にグッドマン楽団に参加したことだ。1942年チャートのトップ「Somebody Taking My Place」を生み、人々に知られるようになった。そして映画にも出演、グッドマンとの共演で映画の中でも演技だけではなく、グッドマンと一緒に歌った。Why don’t you Do Right, 1942
 そして1948年、ペギーはペリー・コモ、ジョー・スタッフォードとともにNBCの音楽番組の司会者になった。映画Pete Kelly’s Bluesではアルコール中毒の歌手を演じ、その迫真の演技で、アカデミー賞候補になった。グラミー生涯賞にもノミネートされたことがある。
 1952年にはかつてアル・ジョルソンの名作、「ジャズシンガー」のリメイクに出演するなど、映画と歌手としての活躍両方が目立った。
 グラミー賞には12回もノミネートされ、1969年「Is that all there is」で女性ベスト賞を受賞した。

曲目
1. Goodbye Again, B-1, 2:33
2. Sing, B-2, 2:33
3. Losing My Mind, B4, 2:43
4. Help Me Make It through, A3, 2:45
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2020年03月12日

コロナウイルスとデマ情報、香港情報が発端、ファクトチェックが有効、WHOもインフォデミック警戒、便乗詐欺排し、英知傾け乗り切ろう

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 写真、1.紙製品トイレペーパー在庫多数を報じる 報道ステーション 3/2
    2.イラン政府要人(ハリルチ副保健相)会見中に咳込む サンデーモーニング3/1
3. 詐欺、悪徳商法も横行、ワイド・スクランブル テレ朝 3/6
4. 感染者10万人越える NHKニュース9、3/7
5. インド発のコレラ、江戸にも来た、サンデーモーニング  2/9

 災害の度にSNSなどネット上に偽情報が現れる。今回のコロナウイルス拡大に際しても、SNS上にマスクとともに「トイレットペーパーが無くなった」、という情報が勢いを持ち、スーパーやコンビニの棚から消えた。同じ現象が、類似のキッチンタオル、ティシュペーパーにも及んだ。
 香港情報が発端、メディアのファクトチェックが有効
 トイレットペーパーについてはSNS上では「製造元が中国だ」という根拠のない情報が拡散した。日本家庭紙工業会では「日本のトイレットペーパーの98%は国内生産であり、在庫は十分ある」と言っている(3/2報道ステーション)。
 「香港で品切れが起きた、原因は買い占めによるものだ」と最初に報じられたのは2月26日。日本でスーパー、コンビニで品切れになったのは翌2月27日だった。
 トイレットペーパー不足に対する新聞、テレビなどの対応は迅速だった。3月2日以降、主要新聞、テレビニュース、ワイドショーなどで、写真、映像を含めて多くのメディアが取り上げスーパーに入荷する状況や、膨大な在庫を報道していることから、鎮静化に向かった。NHKニュースも調査報道で2500円のマスクが5箱10万円、トイレットペーパーが12個1袋、7000円でネット販売されていることを明らかにし、視聴者に注意喚起している(3月6日)。しかし一部コンビニ、スーパーなど一端途切れた入荷が回復していない。
 偽ニュースの付け入りやすい自然災害などが頻発する昨今、「Fact Check」という言葉がしきりに叫ばれ、主要新聞各社、テレビニュースなどで意識的に偽ニュースを打ち消し、事実報道を活発化させている。今回トイレットペーパー不足という、SNSニュースに対してはこの「Fact Check」意識が、効果があったとみるべきだろう。日本では「ファクト・チェック・イニシアティブ」(FIJ2017年発足)という組織が偽ニュースに対抗する事実報道の拠点として活動している。
 WHOも偽情報(インフォデミック)警戒呼びかけ
 チェーンメールに「武漢のウイルスは耐熱性がない、26〜27度の温度で死ぬ、お湯を飲んで予防できる」が届いた。ウイルス対策のほとんどがデマ情報だ。
各種のファクトチェックでSNS上散見される「花崗岩の粉」、「アオサ」「お茶、紅茶」などに抗菌、予防などの効果があるなどの民間療法はすべて否定されている。「コロナウイルスは中国の生物兵器が流失したものだ」という説も一時存在したが、アメリカの研究者たちが偽情報だと声明を出したことにより終息した。
新型肺炎をめぐりWHO(世界保健機構)は「インフォデミック」(デマや誤った情報が急速に拡散する状況)について警告を発した。その中に世界各地での偽情報を例示している。
「生理食塩水での鼻すすぎ」、「うがいする」、「ニンニク食べる」、「ゴマ油塗る」などすべて根拠はない。WHOは予防薬、治療薬はまだ実用化されたものはないとしている。ワクチンはまだ開発されていない、抗生物質は細菌に対して作用するが、ウイルスには使えないと断言している。
 見逃せない便乗詐欺、悪徳商法
 新型コロナウイルスに便乗する、詐欺、悪徳商法も注意が肝心だ。在宅率が高く、人と出会うことの少なくなっている状況の中で、詐欺目的の電話が急増している。例えば厚生省の職員だと偽り高齢者にPCR検査の受診をすすめ、個人情報を聞きだす。「新型コロナウイルス対策本部です。あなたの家の近くで感染者が出た」と偽り、詐欺に結びつける電話など、人々の不安に付け込んで、カード番号等を聞き出そうとする悪質詐欺が急増しているという(3/6ワイド・スクランブル)。
 SNS上に飛び交う誤った情報や、見知らぬ人や組織からの働きかけ、情報提供には気を付けたい。「情報源がわからない場合にはうのみにしない」というのは情報通信工学の専門家、神戸通信大学の森井昌克教授だ(3/2朝日)。メディアはコロナウイルスに関連するファクトチェックをもっと積極的に読者、視聴者に提供する必要がある。
 感染が大規模になればなるほど、市民は衝撃的な話題に注目する。米マサチューセッツ工科大学の調査によれば、偽ニュースのリツイート(再投稿)は正しいニュースに比べ70%高かった。
 人類の英知傾け乗り切ろう
新型コロナウイルスの感染者は100カ国・地域、10万人超えた(3/7)。
 人類はこれまでにも感染症と闘ってきた。古くはローマ帝国で天然痘やマラリヤが猛威を振るった。14世紀にはペストがヨーロッパで大流行した。当時の世界人口の1/4(推計5000万人)が死亡した。19世紀には、産業革命で世界化が進展し、移動する人々と共にインドから発症したコレラが世界に広まった。20世紀にはいるとスペイン風邪と言われたインフルエンザが地球全体に拡大し、第一次大戦中だったため、参戦しなかったスペイン以外の各国は情報を開示しなかった。21世紀、SARSやエボラ出血熱が発生したが、いずれも野生動物が感染源だった。そしてコロナウイルスも野生動物の介在が疑われ、人類の危機を招いている。しかしこれまで人類は試練を乗り越え、文化、文明を発展させきた。過剰な危機意識ではなく、合理的思考と英知を傾けて、人間社会の繁栄を取り戻すことが肝要だ。

 機関紙協会京滋 宣伝と組織 4月号
 
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