2019年07月19日

放送メディア、政府からの独立を、市民連合と野党連合で統一要求、参院選に掲げる

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「安保法制の廃と立憲主義の回復を求める市民連合」が3月下旬、5野党・会派との間で「共通政策」に合意した。7月の参議院選挙に向けての重要な動きとして注目される。私はその第13項目に目を止めた。
 13. 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。
 免許付与をはじめ放送の監督権を政府(総務省)が握っている。最近ではNHKの重要人事に政府の意向が反映、NHKの独立が侵されているとの批判が大手紙に掲載された(5/23朝日新聞)。
安保法制の強行採決に批判が集中した2016年、国会で高市早苗総務大臣(当時)が「公共の電波で一方的な番組が流された場合、罰則を科すのは当然だ、免許停止もありうる」と述べてメディアを牽制した(16年2月)。
同じ時期、政府の報道を続けた古館伊知郎(テレ朝)、岸井成格(TBS)、国谷裕子(NHK)ら3人のキャスターが一斉に姿を消したことを覚えておられる方も多いだろう。
民主主義諸国ではで、政権が直接放送に介入しないよう、放送行政は第三者機関の手に委ねるのが常識だ。米国(FCC連邦通信委)、英国(Ofcom放送通信庁)、フランス(CAS視聴メディア評議会)、韓国(KCC放送委)などだ。政府が直接管轄しているのは中国、北朝鮮、ロシア、それに日本だ。
国連人権委員会は、放送法4条の公平報道条項を盾に政府が介入することがないよう勧告(17年)したが、いまだに履行されていない。メディアの独立性に懸念が残ると批判した(6/6朝日)。EUの「報道憲章」では「メディアの独立性は守られる、独立を妨げる立法は制定してはならない」として権力の干渉をいましめている。
1960年代半ばにベトナム報道などに対する政府の介入が始まり、以降、民放の娯楽化、NHKの政府追従が強まった。民放ドキュメンタリーが深夜か早朝にしか放送されていないのもその延長だ。
 公正な第三者機関の設置は多くの放送人の願いだ。今度こそ市民や野党の後押しがある。切に実現を望みたい。(すみいたかお、ジャーナリスト)
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悲劇的な日本の放送制度 日本だけが放送行政、政府直轄、他は中国、北朝鮮、ロシア、「知る権利擁護」市民運動、ジャーナリスト運動、活発化

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写真1.官邸前Mic「知る権利集会」で訴える東京新聞望月衣塑子記者。写真2.集会を主催した南 彰(新聞労連委員長、朝日新聞政治部記者)。
写真3.官邸前集会で「知る権利集会」ジャーナリストら結集 (以上、毎日新聞デジタル3/14より) 写真4. 4/5銀座の知る権利デモ(NHKスペシャル4/28情報革命より)
 
放送独立行政委員会、市民連合と野党が要求
5月29日国会内で市民連合の山口次郎氏、広渡清吾氏らが、5立憲野党会派(立憲民主、国民民主、共産、社会民主、社会保障を立て直す国民会議)の党首、代表らと会談、市民連合が提起した13項目の政策要望に調印、野党勝利とその政策実現に向けてともに闘うことを誓い、調印した。
合意を受けて、市民連合の広渡氏は「市民と野党をつないで、安倍政権以外の新しい選択肢を作りたい」と語った。7月の参院選に向けた動きである。
合意した政策は改憲発議阻止、安保法制と共謀罪の廃止、防衛予算の精査、削減、辺野古基地建設の中止、再生エネルギー政策の確立、脱原発、消費税引き上げの中止、森友、加計解明など13項目にのぼる。
その第13項目に次の一文があることに私は大いに注目した。
13.国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。
 政府直轄は中国、北朝鮮、ロシア、ベトナム
 ジャーナリズムとしての放送は公共性にかんがみて、政府が直接管理、運営しない、国から独立した行政委員会の手に委ねる、というのが世界の常識だ。
 アメリカFCC(連邦通信委員会)、英国Ofcom(放送通信庁)、フランスCAS(聴視覚高等評議会)、フィリピンNTC(電気通信委員会)、台湾NCC(電気通信委員会)、韓国、KCC(放送委員会)などだ。イスラム国家であるイランも、放送の管理監督は立法、行政、司法の3分野の代表6名が放送評議会を構成している。
 わたしの知る限り、国が直営しているのは中国、国家新聞出版ラジオテレビ映画総局、北朝鮮、国家ラジオテレビ委員会、ロシア、通信マスコミ省、ベトナム、文化情報省、ラオス、情報文化省。ベトナムは社会主義国、ラオスは人民革命党による一党独裁。これら5か国と日本は肩を並べている。
 1960年代中頃から続く政府の介入、干渉
 1960年代半ばから70年代にかけて、日本のラジオテレビ放送は興隆期に入った。しかしそれとともに政府の干渉、介入が強まり、社会的テーマに挑んだドラマや、ベトナム戦争批判報道などが次々と中止となった。こうした状況のもと政府の直接管理から欧米並みの第三者委員会にゆだねるべきではないかという「放送改革試案」が民放労連によって提案されたが、残念ながら実現されることはなかった。
 実は戦後しばらくの間、日本にも「放送委員会」が存在していたことがある。委員は荒畑寒村(作家)、島上善五郎(労働運動家)、加藤シズエ(活動家)、宮本百合子(作家)、土方与志(演出家)、聴涛克己(ジャーナリスト)、矢内原忠雄(経済学者)ら17人の委員が戦後の新生NHKの会長に高野岩三郎(政治学者)を選んだ。しかし後継の電波監理委員会が民放の設立を認めた直後の1957年、郵政省の一部に組み込まれるに至った。以降62年にわたって国が放送を掌握する事態は続いている。
 政府によるNHK掌握
 「知る権利NHKの重要人事に政府の意向が反映している」。今年5月、NHKで板野裕爾専務理事にあ裕爾の返り咲きにあたって、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞などの主要紙がNHKの独立性が侵されているという記事を書いた。
 安保法制の強行採決に批判が集中した2016年、国会で当時の高市早苗総務相が「公共の電波で一方的な番組が繰り返し流された場合、罰則を科すのは当然だ。免許停止もありうる」
と述べメディアを牽制した。新聞と放送は日本の場合一体に近い経営状態にあるため、放送免許停止は新聞経営にも打撃を与える。
 同じ頃、古館伊知郎(テレ朝)、岸井成格(しげただ、TBS)、国谷裕子(NHK)の3人の人気キャスターが一斉に姿を消したことも、安倍政権の介入であるとされている。
安部首相は就任以来メディア対策を主要な政策と位置付けた。2014、特定機密保護法は新聞記者も対象にしている。主要メディア幹部との会食を繰り返し、個別記者、出演者の排除が繰り返された。
EUの報道憲章と国連人権委員会
欧米の自由主義諸国ではありえない日本政府のメディア政策である。2009年に制定されたEUの報道の自由憲章は10項目にわたる。そのうち最も重要な最初の3項を紹介しよう。
1. 報道の自由は民主主義社会に欠かせない。報道の自由、政治的、社会的、文化的多様性を守ることは政府の責務である。
2. 検閲は認められない。すべてのメディアの独立性は守られる。メディア、ジャーナリストを一切刑罰、抑圧の対象にしてはならない。国家はメディアの独立性を妨げる立法を制定してはいけない。
3. ジャーナリストとメディアの、自由に集まり、情報や意見を広げる権利を侵してはならないし、処罰の対象にしてはならない。
(この後ジャーナリストの権利保障などについての7項目が続く。)
 EU加盟諸国はこの10項目の憲章に違反した場合、制裁が科せられるということだった。
 国連人権委も新たな勧告検討
国連人権委員会では2017年に特別報告者デービッド・ケイ氏を日本に派遣、日本で政府に言論の自由への侵害があるとして改善勧告を行った。特定機密保護法がジャーナリストを対象にする条項があること、放送法4条(公正報道)を理由としてテレ朝やNHKなどの特定番組に対して行政指導による改善を指示したことを問題としている。しかし改善が見られないとして、今年6月初旬から、メディアの独立性を尊重するよう新たな勧告を検討している。
メディアに対する市民運動、新展開
3月14日マスコミ文化情報労組会議(MIC)が官邸前で異例の抗議行動を行い、「記者の質問制限をするな」、「知る権利を守れ」と訴えた。官邸では菅義偉(よしひで)官房長官と東京新聞望月衣塑子(いそこ)記者の攻防が続いている。集会には朝日新聞南彰記者(政治部)、中国新聞石川昌義記者(加計学園取材)ら現役記者が多数参加した。また望月記者自身も集会に参加、官邸記者クラブの運営が「知る権利」に応えていないと批判の声をあげた。現役記者らが望月記者支援のため官邸前で声を上げるという行動は史上初だ。また4月5日には「知る権利守れ」をスローガンに、MICは銀座をデモ行進した。
NHKは政府からの独立を、批判相次ぐ
今年3月22月の放送記念日、NHKのニュース報道が19団体、有識者ジャーナリスト46人、NHK退職者47人が、NHKに対して政府から独立したニュース報道を申し入れた、また6月26日は主要人事が政権の手で左右されているとして20団体400人が、新任の板野裕爾専務理事を解任すべきだと申し入れをおこなった。板野氏は籾井勝人会長の下で辣腕を振るった人物で、籾井会長退任の際NHKエンタープライズの社長に転出した。クローズアップ現代の国谷裕子キャスターの首を切った人物としても知られる。
いずれも、メディアに対する権力の介入干渉に対する市民の怒りの行動の高まりを示している。アメリカ、イギリスをはじめヨーロッパ諸国では、強力な市民運動がメディア、報道の自由、市民の知る権利を支えている。日本でもそれに肩を並べる報道の自由擁護の運動の高まりが見て取れる。心強い限りだ。
ネットメディアと既存メディア、共存の動き
問題は既存メディアだけではない。フェイクメディアの舞台となるインターネットの情報に真実、事実を取り戻すことが大切だ。
ネットとメディアの融合が進んだ。新聞や放送各社もネット上でデジタル情報を拡大している。ネット情報専門のYahooニュース、スマートニュース、ライブドアユース、Niftyニュース、ニコニコニュース、MSNニュース、ハッフィントンニュースなどが既存メディアと並列している。5月にインターネットメディア協会(JIMA)が誕生した。ネット経由でニュース送出を活発に行っている朝日デジタル、毎日デジタルなど、既存大手メディアもこの組織に加入した。フェイクニュースに対抗し、記事や情報の質、信頼性、透明性を高めようとする動きは急速に拡大している。
最近では既存メディア大手にネット上の情報を即時に流すJX通信社、Spctee社もなども活発化し、次第に垣根が取り払われつつある。
インターネット、既存メディアが媒体の壁を越えて、一体化を進める新しい時代に入った。

ジャーナリズムの権力からの独立を主張する市民運動とジャーナリスの諸組織、諸団体が強い連携で結ばれる必要が生まれてきているように思う。
NHKに改革を迫るとともに「知る権利と報道の自由擁護」の、強力な市民運動が21世紀に入って広がり、力を持つようになったが、その動きを放送全体、ジャーナリズム全体に広げる必要が痛感される。

以下の記事はメディア総研、設立25年記念シンポジウム(7月6日土、京都)で行われた基調講演、市民とメディアの三角関係を診断する(隅井孝雄)に加筆したものです

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2019年07月17日

ドビュッシーと型絵染のコラボ、若いヴァイオリニストeRrikaのコンサート、コミュニティーラジオ「京都三条ラジオカフェ」の音楽番組、2題

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ドビュッシーと型絵染のコラボで「音楽の祭日」国立近代美術館6/12
6/12日はフランスの「音楽の祭日」に因んで京都国立近代美術館で開かれた「観て!聴いて!ドビュッシー」の紹介。ドビュッシーの音楽のピアノ演奏を聞きながら、曲のイメージで制作された伊佐利彦さんの型絵染を鑑賞するという京都日仏会館主催のイベントだ。
「音楽の祭日」とは1981年、フランスの当時の文化相ジャック・ラング氏が提唱、「音楽はすべての人のもの、平和の願いを込めたもの」として6月21日に毎年、世界各地で音楽や芸術に因んだイベントが行われる。
イベントは6/21開催された。演奏は近代美術館ロビーで、展示は講堂で行われた。
「音楽の祭日」の京都イベントでドビュッシーを演奏された福井尚子(同志社大)さんと、型絵染とのコラボイベントを企画した伊佐工房の渡辺ルリ子さんをゲストに招いた。
演奏した曲は、1.アナカプリの丘、2.亜麻色の髪の乙女、3.霧、4.花火、
いずれも長いクラシック曲なので、途中でBGに音を落として、ゲストの話を聞いた。

おなかの赤ちゃんにも音楽を聴いてほしい ヴァイオリン、eRikaさん
6/26日は若いヴァイオリニストeRikaさんがゲスト。中学卒業後単身渡米、ニューヨークのマネス音楽大学を卒業後、パリ、エコールノルマル音楽院で研鑽、ルーマニア国立オーケストラではしばしばソリストを務めた。
現在は京都を拠点に、日本各地はもとより、ニューヨーク、パリ、ソウルはじめアジア各地での演奏会を開くなど、活動範囲を広げている。
 7月21日(日) 13:30から堀川音楽ホールで「真夏の猫ふんじゃった舞踏会」というコンサートを開くので、宣伝を兼ねて出演してもらった。こども、500円、おとな、1,500円、お腹にいる赤ちゃん(無料)にも聞いてほしいそうだ。
 聞いていただいた曲は1. サラサーテ、チゴイネルワイゼン。2.バッハ、アリオーソ、3.ピアソラ、オブリビオン、4.ヴィヴァルディー、四季、夏
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2019年07月15日

水穂会書展に百人一首五首出品、岡崎公園、京都市美術館別館 ちはやぶる、住ノ江の、今来んと、月見れば、吹くからに、など

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 水穂会書展
 19年6月、毎年一回岡崎(平安神宮)の京都市美術館別館で開かれる書道展(水穂会書展)に今年も百人一首を出品した。17番「ちはやぶる、神代も聞かず、龍田川、からくれないに、水くくるとは」(在原業平朝臣)から、23番「月見れば、ちぢにものこそ、悲しけれ、わが身一つの、秋にはあらねど」のうち五句をえらんで、五葉に書き分けた連作である。出品したのはほかに、「住之江の岸による波、よるさえや…」、「今来んと、言ひしばかりに、長月の・・・・」、「吹くからに、秋の草木の・・・・」の3句も添えた。娘と妻が見に来てくれた。
百人一首に挑戦して4年、前途遼遠、道は程遠い。
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2019年06月29日

嵐電に乗って、太秦広隆寺へ、人かげもまばらで、静かなたたずまい、弥勒菩薩半跏思惟像をゆっくり、たっぷり鑑賞、込み合う嵐山の竹林とは対照的。

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京都最古の太秦広隆寺、嵐電に乗って訪れる、やさしい半跏思惟像にこの世の喧騒忘れる
 6/22日、新作映画で話題の嵐電(嵐山電鉄)に乗って、太秦広隆寺へ。電車は一両きりだが、嵐山方面に行く観光客で満員のぎゅうぎゅう詰め状態。妻美沙子と、娘直子との三人旅。
 広隆寺といえばなんといっても有名なのは弥勒菩薩半跏思惟像。左側のほほに人差し指と中指をかすかに触れたかにみえる弥勒菩薩に、久しぶりに会いたくなった。このお寺には12神将(12体)、十一面千手観音、阿弥陀如来坐像など、17体の国宝仏像がある。
 しかしなぜか参拝客4〜5人ほどで、人影もまばら。時間をかけ、ゆったりした時を素干した。
 京都の西側一帯で勢力を振るっていた秦河勝(朝鮮半島からの渡来人といわれる)が聖徳大使から賜った仏像を祀るため寺院を開いたという記述が日本書記にある。寺伝では広隆寺は推古天皇11年(603年)に建立された、京都最古の神であるとされる。
 太秦駅に隣接して京富といううどん、そば店があり、鱧の天ぷらそばを食し、市街地をトコトコ走る一両編成、紫色の嵐電で帰路に就いた。
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