2021年01月11日

総務省、プライムタイムに大量の「マイナポイント」CM、バックに菅政権のデジタル化推進政策

2012 マイナポイント2万ポイントIMG_0514.jpg2012 マイナポイントIMG_0507.jpg   
写真1. マイナポイントのTVCM、深川麻衣、舘ひろし、飯尾和樹。
写真2. 家族4人で2万ポイントになると宣伝されている。
「マイナポイント」という名のスポンサーによる番組提供、あるいはスポットCMが高視聴率の時間帯(プライムタイム)に連打されている。一連のCMの実際のスポンサーは総務省だ。今登録すると5000円相当のポイントが付くと宣伝されている。
 菅政権マイナカードの普及促進の巨費
 菅政権の目玉政策の一つデジタル庁創設に368億円という巨費が計上された(21年度の政府予算)。さらなる目玉はマイナンバーカードの普及。普及促進には1001億円が割り当てられた。
 国民のマイナンバーカードに対する拒否反応は根強い物がある。20年12月現在約3002万枚(人口の23.6%)の交付に止まっている。22年末までに全国民に行き渡らせたいと菅政権は考えているのだが、現実には不可能だ。
マイナンバーカードは裏面に個人を認証できるICチップを搭載し、オンラインで本人確認ができる。「マイナンバーカードは安全安心で、利便性も高い、『デジタル社会のパスポート』だと認識いただきたい」と平井卓也デジタル改革担当相は国民に呼びかけている(東京新聞11/22)。
 マイナポイント TVCMジャンジャン流す
 政府はカード普及策として、カードを取得した人を対象に食事や買い物に使える5000円の「マイナポイント」を還元する申し込みの受付を昨年7月から開始した。100種類以上の決済サービスと連動、21年3月31日まで使える。
そこで登場したのはTVCMだ。舘ひろし、深川麻衣、飯尾和樹(お笑いコンビずん)などが白いぬいぐるみで登場して、「子供も対象、4人家族で2万円」などと宣伝しえいる。未成年でもキャッシュレスレスサービスに登録さえすればマイナポイントをもらえることなどを売り物にしているのだ。
 マイナポイントのTVCMには、広報費53.8億円のうち2020年7月から10月までの3ヵ月間に18億円が投入された。この間に「マイナポイント」として流されたCMは朝から深夜まで115回に達したという(11/19赤旗)。
 手軽な電子決済の安全性は?
 政府の説明では、マイナンバーカードは利用者にとって、個人としての身分証明になるほか、健康保険証として利用され(2021年3月から)、スマホにも搭載できるようになる(22年度中)。そして全国民がマイナーバーカードを取得すれば(22年度末目標)、将来的には運転免許証と一体化する(26年度、前倒しもある)、という計画だ(11/22東京新聞)。
 TVCMの説明だと写真付きだから安全だとか、紛失しても24時間連絡できるというが、その程度ではマイナンバーカードの漏洩や、悪用が止められる保証にはならない。
昨年9月、郵貯がデビッド・プリペイド・カード、mijikaが悪用され、この電子決済サービスの登録者、550万人にとっては、郵貯口座を他人に引き出される恐怖にされたことを思い起こす。マイナポイントの大々的な利用はマイナンバーカード本体の安全性をも脅かす危険性が懸念される。
 (隅井孝雄 リベラル21 2021.1.5)
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東西の報道番組、40年の軌跡

2012 映像20.11.29IMG_0512.jpg2012 報道特集1010IMG_0511.jpg  
 東西の報道番組、40年の軌跡
 二つの報道番組、「映像20」(毎日放送)と「報道特集」(TBS)がともに40周年を迎えた。
 「映像20」は1980年4月に「映像80」として放送を開始、毎月最終日曜日の深夜0:50~1:50、関西地区のローカル放送だが、芸術祭賞、民間放送連盟賞、ジャーナリスト会議賞、国際エミー賞などおよそ140回も受賞、内外からの評価が高い。
11/29日の放送では「映像シリーズ40年〜関西発・真夜中のドキュメンタリズム」と題して、40年の歳月を振り返った。
 番組を作っているのは報道局ドキュメンタリー報道部、プロデューサー一人にディレクター4人。制作費はプライムタイムの番組の10分の1、20分の1ほどだが、制作者たちの創造性、先見性で補っていることが、優れた番組を生み出す基礎だ。
「報道特集」は当初「JNN報道特集」として1980年10月に放送が始まった。毎週土曜日17:30~18:50、TBS系列28局の全国放送。掘り下げた調査報道との評価が高い。
 TBSは1960年代、“報道のTBS”といわれた。看板番組「ニュースコープ」田英夫キャスターがベトナム取材報道を政府から咎められて退任(1970)、同じ頃、他の民放の報道系番組にも政府の干渉が続き“沈黙”の時代に入った。
 1980年代報道番組の復権を担ったのが「報道特集」だ。折からフィルムカメラに代わりENGカメラが現場に定着、どこへでも取材に入りたいという現場の記者たちの意欲に応えた。当時アメリカで評判だった報道番組「60ミニッツ」(米CBS,日曜18時)に触発されて週間のまとめ報道枠が誕生した、と初期のキャスターの一人田畑光永氏は語る。
 スタートに当たって「4つのコンセプト」が作られたと証言がある(現プロデューサー辻真氏)。1. 調査報道に取り組む、2. 評論家ではなく当事者の証言を、3. 賞をとることを目指さない(実際には新聞協会賞など多く受賞している)、4. 番組の飾りはできるだけ排する(11/25. 民間放送)。
 最近でも「桜を見る会」、「日本学術会議」などでの調査報道は活発に続けられている。民放報道の健闘を望みたい。(すみいたかお ジャーナリスト)。
 赤旗ラジオテレビ欄コラム「波動」2020年12月28日掲載 910字 隅井孝雄
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2020年11月28日

トランプツイッター、閉鎖されるか? 問われる安倍元首相のSNSの偽証発言も

 IMG_0490.jpg2012 1警告かぶせたツイートとトランプ_1125WPOST50959_mediaitem112550761.jpg2012 2違法主張のトランプ1107 報徳IMG_0485.jpg2012 3トランプ郵便投票違法1109TBSIMG_0487.jpg2012 4b桜前夜祭補填報道I1123,N23MG_0488.jpg
写真1.勝ったのは私、11/4, 2.バックのツイッター、警告かぶせ、クリックしないと見られない、11/25ワシントンポストより3.違法投票多数ありと主張、11/7, TBS報道特集、4. 最高裁に提訴する、開票停止せよと訴え、5.桜の会前夜祭に安倍補填報道、11/23, TBSニュース23
ツイッターを駆使して世界に君臨してきたトランプ氏は大統領の地位だけではなく、ツイッターを使えなくなるかもしれない。
 11月17日、米議会の公聴会に出席したツイッターのジャック・ドーシーCEOは「指導者の地位にあるため独別な例外措置を認めているが、大統領の地位を失えば特権を失う」と述べた。
「虚偽発言」18000回
トランプ氏は、これまでSNS上での「虚偽発言」が大統領就任以降18,000回にも上っている。そのうち3,600回がツイッター経由だった、と米紙が報じた。大統領選挙後はさらに「落選」を認めない発言が、連続しているのだが、ツイッター社はこれも「虚偽発言」みているようだ。
 ツイッター社は通常なら削除されるかアカウント自体を取り消される「トランプ氏の虚偽の投稿」を「事実確認が必要」、「投稿の一部に真偽が疑われる記述を含む」などのラベルを付けて掲載してきた。しかし大統領としての「公益性のある地位」を失えば、「虚偽投稿を繰り返す」人物はアカウント凍結措置が取られるのがルールだとドーシーCEOは米議会で述べている。
 クリックしないと閲覧できない!
 2020年5月26日のトランプ大統領の2本のツイートは、カリフォルニア州の郵便投票は不正の対象になるとの投稿だった。これに対し、ツイート社は「事実確認」ラベルをつけた。また5月28日のジョージ・フロイド事件の抗議デモに対するツイッターは自動表示されないようにしたうえで、「暴力をたたえる内容はルール違反だ」と注釈をつけた。
 11月3日の投票日以降もツイッターは数多くのトランプツイッターに対し、「事実確認必要」、「真偽が疑われる」、「誤解をまねくおそれあり」というカードをつけ、クリックしないと閲覧できない、などの措置をとってきた。
 一方、「法の下で市民権を求める弁護士委員会」や、政治監視団体の「コモン・コーズ」などはこれらの措置に納得せず、トランプアカウント凍結を求める公開書簡を送っている(11月12日)。
 フェイスブック、トランプ支持グループアカウント削除
 フェイスブックもトランプ投稿など、内容が虚偽である、または暴力を推奨するような投稿に対し削除するなどの対応をとっている。例えば「コロナはインフルエンザほど致命的ではない」とするトランプ投稿(10/6)を誤った情報だとして削除した(同じ文面のツイッター投稿は自動閲覧できないうえで、注意喚起の表示がついた)。
 またAFP通信によると、多数の偽アカウントを使ってドナルド・トランプ大統領を称賛する運動が展開されたとして、フェイスブックのアカウント200件と記事55ページ、インスタグラムアカウント76件を削除したことをフェイスブック社が発表したと伝えている(10/8)。
 更にトランプ支持グループ「Stop the Steal(選挙を盗むな)」のフェイスブックページを閉鎖した。このグループは全米で35万人のメンバーがいて、トランプ支持のデモを計画していた。議会公聴会で証言したマーク・ザッカーバーグCEOによると、「暴力を誘発する恐れがあった」という(11月17日)。
 トランツイッター世界7位、オバマにはかなわない
 トランプ氏がツイッターを始めたのは2009年3月。著書を出版こととなり、どう売り出すか話し合いが行われた。その席上出版会社の編集者からツイッターについて説明があり、興味を抱いたのがきっかけだった。しかしすでに有名だったトランプの偽ツイッターがあり、アカウント名を「@real DonaldTrump」にしたという。
 大統領選挙直前の11月1日に時点のフォロワーは8736万。一日平均のツイート数11件。よく使う言葉は1.「Make Amerika Great again」,2.「Fake News」、3.「Witch Hunt」,4.「Deal」。(毎日新聞11/1)だと報道されている。
 フォロワー数ではバラク・オバマ氏の1億2590万人にはるかに及ばず、世界7位に低迷している。ちなみに2位はジャスティン・ビーバー(1億1,100万フォロワー)、3位はケイティ・ペリー(1億1,000万人)。
 安倍元首相の「桜を見る会」虚偽発言は?
 ところで日本ではツイッターもフェイスブックも厳格な規定がなく、まして政治家の大物の虚偽発言に対抗して、削除することなどは考えられない。
 例えば、安部晋三前首相だが、2018年の桜の会、前夜祭の参加費を補填した事実が明らかになった(11/23)。安倍元首相は在任中「経費補填はしていない」と言い続けてきた。
 安部氏が2019年秋の臨時国会と20年年の通常国会で事実と異なる答弁を少なくとも33回行ったことを衆院調査局が明らかにしている。
安部氏が代表を務める資金管理団体晋和会は懇親会代金の不足分として、5年間で800万円をこえる。この支出は公選法違反の買収にあたるとして野党側が追及してきた。さらに東京地検特捜部も秘書らに事情聴取している。
 後援会員らに経費補填したことが発覚した以上、アメリカであれば、「虚偽発言を続けた人物」のツイッターもフェイスブックも徹底的に調べる。もしその発言の中に虚偽があれば、閉鎖することになる。首相としての特権的地位を失い、公益性のかけらもないのだから。
 安部氏や官邸のツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ラインなど一連のSNSでフェイクが流されていれば、閉鎖を含む対抗措置が取られなければならないだろう。
 隅井孝雄 2020年11月28日


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トランプツイッター、閉鎖されるか?問われる安倍元首相のSNSの偽証発言も

2012 1警告かぶせたツイートとトランプ_1125WPOST50959_mediaitem112550761.jpg2012 1勝ったの私1104https___imgix-proxy.n8s.jp_DSXMZO6581278004112020000002-2.webp2012 2違法主張のトランプ1107 報徳IMG_0485.jpg2012 3トランプ郵便投票違法1109TBSIMG_0487.jpg2012 4b桜前夜祭補填報道I1123,N23MG_0488.jpg
              
写真1.勝ったのは私、11/4, 2.バックのツイッター、警告かぶせ、クリックしないと見られない、11/25ワシントンポストより3.違法投票多数ありと主張、11/7, TBS報道特集、4. 最高裁に提訴する、開票停止せよと訴え、5.桜の会前夜祭に安倍補填報道、11/23, TBSニュース23
ツイッターを駆使して世界に君臨してきたトランプ氏は大統領の地位だけではなく、ツイッターを使えなくなるかもしれない。
 11月17日、米議会の公聴会に出席したツイッターのジャック・ドーシーCEOは「指導者の地位にあるため独別な例外措置を認めているが、大統領の地位を失えば特権を失う」と述べた。
「虚偽発言」18000回
トランプ氏は、これまでSNS上での「虚偽発言」が大統領就任以降18,000回にも上っている。そのうち3,600回がツイッター経由だった、と米紙が報じた。大統領選挙後はさらに「落選」を認めない発言が、連続しているのだが、ツイッター社はこれも「虚偽発言」みているようだ。
 ツイッター社は通常なら削除されるかアカウント自体を取り消される「トランプ氏の虚偽の投稿」を「事実確認が必要」、「投稿の一部に真偽が疑われる記述を含む」などのラベルを付けて掲載してきた。しかし大統領としての「公益性のある地位」を失えば、「虚偽投稿を繰り返す」人物はアカウント凍結措置が取られるのがルールだとドーシーCEOは米議会で述べている。
 クリックしないと閲覧できない!
 2020年5月26日のトランプ大統領の2本のツイートは、カリフォルニア州の郵便投票は不正の対象になるとの投稿だった。これに対し、ツイート社は「事実確認」ラベルをつけた。また5月28日のジョージ・フロイド事件の抗議デモに対するツイッターは自動表示されないようにしたうえで、「暴力をたたえる内容はルール違反だ」と注釈をつけた。
 11月3日の投票日以降もツイッターは数多くのトランプツイッターに対し、「事実確認必要」、「真偽が疑われる」、「誤解をまねくおそれあり」というカードをつけ、クリックしないと閲覧できない、などの措置をとってきた。
 一方、「法の下で市民権を求める弁護士委員会」や、政治監視団体の「コモン・コーズ」などはこれらの措置に納得せず、トランプアカウント凍結を求める公開書簡を送っている(11月12日)。
 フェイスブック、トランプ支持グループアカウント削除
 フェイスブックもトランプ投稿など、内容が虚偽である、または暴力を推奨するような投稿に対し削除するなどの対応をとっている。例えば「コロナはインフルエンザほど致命的ではない」とするトランプ投稿(10/6)を誤った情報だとして削除した(同じ文面のツイッター投稿は自動閲覧できないうえで、注意喚起の表示がついた)。
 またAFP通信によると、多数の偽アカウントを使ってドナルド・トランプ大統領を称賛する運動が展開されたとして、フェイスブックのアカウント200件と記事55ページ、インスタグラムアカウント76件を削除したことをフェイスブック社が発表したと伝えている(10/8)。
 更にトランプ支持グループ「Stop the Steal(選挙を盗むな)」のフェイスブックページを閉鎖した。このグループは全米で35万人のメンバーがいて、トランプ支持のデモを計画していた。議会公聴会で証言したマーク・ザッカーバーグCEOによると、「暴力を誘発する恐れがあった」という(11月17日)。
 トランツイッター世界7位、オバマにはかなわない
 トランプ氏がツイッターを始めたのは2009年3月。著書を出版こととなり、どう売り出すか話し合いが行われた。その席上出版会社の編集者からツイッターについて説明があり、興味を抱いたのがきっかけだった。しかしすでに有名だったトランプの偽ツイッターがあり、アカウント名を「@real DonaldTrump」にしたという。
 大統領選挙直前の11月1日に時点のフォロワーは8736万。一日平均のツイート数11件。よく使う言葉は1.「Make Amerika Great again」,2.「Fake News」、3.「Witch Hunt」,4.「Deal」。(毎日新聞11/1)だと報道されている。
 フォロワー数ではバラク・オバマ氏の1億2590万人にはるかに及ばず、世界7位に低迷している。ちなみに2位はジャスティン・ビーバー(1億1,100万フォロワー)、3位はケイティ・ペリー(1億1,000万人)。
 安倍元首相の「桜を見る会」虚偽発言は?
 ところで日本ではツイッターもフェイスブックも厳格な規定がなく、まして政治家の大物の虚偽発言に対抗して、削除することなどは考えられない。
 例えば、安部晋三前首相だが、2018年の桜の会、前夜祭の参加費を補填した事実が明らかになった(11/23)。安倍元首相は在任中「経費補填はしていない」と言い続けてきた。
 安部氏が2019年秋の臨時国会と20年年の通常国会で事実と異なる答弁を少なくとも33回行ったことを衆院調査局が明らかにしている。
安部氏が代表を務める資金管理団体晋和会は懇親会代金の不足分として、5年間で800万円をこえる。この支出は公選法違反の買収にあたるとして野党側が追及してきた。さらに東京地検特捜部も秘書らに事情聴取している。
 後援会員らに経費補填したことが発覚した以上、アメリカであれば、「虚偽発言を続けた人物」のツイッターもフェイスブックも徹底的に調べる。もしその発言の中に虚偽があれば、閉鎖することになる。首相としての特権的地位を失い、公益性のかけらもないのだから。
 安部氏や官邸のツイッター、フェイスブック、インスタグラム、ラインなど一連のSNSでフェイクが流されていれば、閉鎖を含む対抗措置が取られなければならないだろう。
 隅井孝雄 2020年11月28日


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2020年11月25日

菅首相のメディアと学術会議統制

2012 学術会議6人MG_0460.jpg
2011 クロ現代国谷菅.jpg2011 古賀.jpg2011 ポスト.jpg
2011 ポスト.jpg
写真、1.学術会議の名簿から外された6名の学者(2020.10.10, TBS 報道特集)
2.集団的自衛権で菅官房長官と対決する国谷キャスター(2014.7.3 NHKクローズアップ現代)
3.古賀コメンテーターがI am not Abeのフリップかかげる(2015.3.27テレ朝報道ステーション)
4.首相官邸テレビ監視記録文書、桜を見る会だけで255枚と報じる(週刊ポスト、2020.11/6,13日号

安倍首相(当時)退陣のあとは菅義偉官房長官(当時)が引き継ぐと知った8月下旬、私は日本の政治は更に悪い方向に進むという予感を持った。案の定就任早々「菅首相、学術会議人事に介入」(9/29赤旗スクープ)によって、政治の闇が深まったことが明らかになった。
学術研究者への新たな言論統制
菅義偉首相が学術会議会員候補のうちから6名を任命しなかった。学問の自由を奪うものだとして226の学会が11月6日、共同声明を発した。
「学者、研究者といえども、政権批判はまかりならぬ」という見せしめの意図を私は感じ取った。戦前、戦中、戦争推進にくみしない学者研究者が排除された。学問の自由を掲げる日本学術会議の存在は歴史上貴重な意味を持つ。
安全保障関連法案がカギ
2012年に登場した第二次安倍政権は2014年に「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定して以降、2015年には安全保障関連法を成立させた。排除された6名の中には一連の安保法制反対者がふくまれている。
防衛省は、防衛技術研究への助成金を打ち出し(2015年)、それに対し日本学術会議は「防衛研究への協力を行わない」との声明を出した(2017年)。
当時官房長官であった菅首相は、一連の安保関連法の推進役を買って出た人物だ。6人排除に止まらず、「学術会議の体質そのものを改変する」意向につながっている。
思い起こす「クロ現、国谷、菅対決」
私は6年前の2014年7月3日「クローズアップ現代」での集団的自衛権論争を思い起こした。「他国が攻撃を受けた際、日本が攻撃されていなくても武力を行使できる」ことが閣議決定された。番組には菅官房長官(当時)が出演、国谷裕子キャスターは「政府は国民の懸念をどう払しょくするのか」と再三問いただし、納得が得られぬまま番組が終了した。菅氏は鋭い質問にさらされたことに激怒、秘書官が番組担当者に謝罪をもとめた。「官邸がNHKを土下座させた一部始終」との記事(7/11/’14)を週刊誌フライデーが掲載した。このことが国谷キャスター退任(16年3月)の主因となった。
「I am not ABE」とのフリップをもちこんだ古賀茂明コメンテーター(テレ朝2015年3月解任)、安保政策を強く批判した岸井成格アンカー(TBS2016年3月解任)、古館伊知郎キャスター(テレ朝2016年3月解任)など4人の論客が一斉に姿を消した背後にも、菅官房長官(当時)がテレビ局を恫喝する動きがあった。
菅政権でメディアの発言封じ加速
官邸ではテレビ番組書き起こしで、メディアでの人々の発言を監視している。その検閲制度の発案者である菅氏が首相に就任した。
私が見た書き起こしの量は40日で922枚(A4判)あった。さらに桜を見る会だけでも、書き起こしは255枚にのぼる(週刊ポスト11/6,13日号)。
最近では東京新聞、望月衣塑子記者の記者クラブ排除画策もあった。菅首相就任後、正規の会見は少なく、グループインタビュー(10/5,10/9)などの閉鎖型面会、オフレコ懇談が多用されている。

テレビの体質改善が半ば成功したと考える菅首相は、今度は学術会議の任命拒否で学会全体の体質改善をはかるのではないか。日本政治は限りなく危険な方向に向かっている。
隅井孝雄 12月1日

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